保健福祉の現場から

感じるままに

消費増税と公的介護保険、医療保険

2013年12月12日 | Weblog
日本経済新聞「消費増税費用を介護報酬に上乗せ 厚労省分科会」(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1003X_Q3A211C1PP8000/)。<以下引用>
<社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の介護給付費分科会は10日、来年4月の消費増税で介護保険サービス事業者の費用が増す分を、事業者が受け取る介護報酬に上乗せする方針を決めた。事業者に配慮する一方、介護報酬を賄うための税金や保険料、自己負担は増す。年末の予算編成を経て上乗せ率を決め、4月から適用する。介護サービスで使う紙おむつなどの消耗品や施設備品などの仕入れコストが消費増税で膨らむ分を、事業者が回収できるよう介護報酬に上乗せする。介護報酬の改定は3年おきだが、次回は2015年4月と消費増税の後になるため、定例の改定を待たずに見直す。上乗せ率の算定では、人件費など消費税がかからない費用分を差し引く。厚労省の調べでは介護サービスに占める非課税費用の割合は人件費を中心に平均77.9%と高い。このため上乗せ率は、消費税率の3%引き上げに比べ、1%未満と小さくなる見込みだ。介護報酬は介護サービスの公定価格で、事業者がサービス提供の対価として介護保険から受け取る。原則1割が利用者の自己負担で、残りは税金と保険料で賄う。特別養護老人ホームなどの施設や訪問看護、入浴などサービスの種類ごとに利用者の介護の必要度などを加味して単価を決める。>

日本経済新聞「財務相、診療報酬の本体上げに否定的」(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1000U_Q3A211C1EB1000/)。<以下引用>
<麻生太郎財務相は10日の閣議後の記者会見で、2014年度に改定時期をむかえる診療報酬で医師の技術料にあたる本体部分の引き上げに否定的な見解を示した。「消費税を上げる段階で本体を上げるのは利用する人の負担に直結するので、いかがなものか」と述べた。来年4月の消費増税をふまえ、医療関係団体は医薬品の公定価格である薬価と合わせた診療報酬全体のプラス改定を求めている。>

介護報酬に関しては、介護給付費分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html#shingi126698)、診療報酬に関しては、医療保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html#shingi126706)の資料をみておきたい。12月11日の介護給付費分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000031916.html)で、「消費税8%引上げ時における区分支給限度基準額の対応(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000031904.pdf)、「介護保険サービスに関する消費税の取扱い等に係る審議報告(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000031905.pdf)、「介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000031914.pdf)が出ている。一方、先週出された診療報酬改定基本方針(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000031544.pdf)p6では、消費税率8%への引上げに伴う対応について、「平成26年4月から消費税率8%への引上げが予定されているが、これに伴い、医療機関等に実質的な負担が生じることのないよう、消費税率8%への引上げ時には、診療報酬とは別建ての高額投資対応は実施せず、診療報酬改定により対応することとすべきである。また、診療報酬による対応においては、医療経済実態調査の結果等を踏まえ、基本診療料・調剤基本料への上乗せによる対応を中心としつつ、個別項目への上乗せを組み合わせる形で対応することを基本とし、この消費税対応分が明確になるよう配慮すべきである。」とあった。消費税8%と合わせて、来年度からの公的介護保険、医療保険の保険料や窓口負担がどうなるか、もっと関心を持つ必要性を感じる。そういえば、先月、全国保険医団体連合会からパンフレット「医療が遠のく。」(http://hodanren.doc-net.or.jp/kenkou/131125iryo-toonoku.pdf)が出ており、p3に一覧表があった。実際には、項目によって、低所得者への配慮や経過措置等があって、一律にそうなるわけではない。先週、国立社会保障・人口問題研究所から「平成23年度社会保障費用統計」(http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-h23/fsss_h23.asp)が出ており、平成23年度の社会保障給付費107兆4950億円;対前年度+2.7%(http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-h23/1/1.sougaku.pdf)で、そのうち、医療34兆634億円;対前年度+3.5%、介護対策7兆8881億円;対前年度+5.1%(http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-h23/1/3.kyuufuhi.pdf)とあった。今年8月、厚生労働省が「国民の健康寿命が延伸する社会」に向けた予防・健康管理に関する取組の推進」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000019326.html)で5兆円規模の医療費・介護費の抑制目標を発表(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401250-Hokenkyoku-Iryouhitekiseikataisakusuishinshitsu/0000019923.pdf)しているが、社会全体が公的介護保険・医療保険に関心を持たなければならない。負担増(税金、保険料、窓口負担)を嘆いてばかりではいけない。これからの少子高齢化、特に団塊世代の高齢化を考慮すれば、まだ序の口かもしれない。そういう意味では、2025年の姿を意識した、来年度策定の「第6期介護保険事業計画」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000030164.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000030648.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000030649.pdf)や平成27年度から策定の「地域医療ビジョン」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000026440.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000030434.pdf)は好機と捉えなければならないように感じるのである。
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