保健福祉の現場から

感じるままに

在宅医療、医療介護連携

2011年09月21日 | Weblog
「鈴木医療課長、在支診の看取り促進に言及- 来年度診療報酬改定で」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35570.html)。<以下一部引用>
<厚生労働省保険局の鈴木康裕医療課長はこのほど、国際医療福祉大大学院(東京都港区)で開かれた「医療経営セミナー」で基調講演し、患者の自宅療養をサポートする「在宅療養支援診療所」について、「1年間全く看取りをしていないところと、しているところがきれいに分かれる」と述べ、来年度の診療報酬改定では、同診療所による在宅看取り機能の促進が検討課題の一つになるとの認識を示した。在宅療養支援診療所は24時間体制で往診や訪問看護を実施する診療所で、2006年度の報酬改定に伴い新設された。在宅での患者の看取りなどが主な役割だが、同省の調べでは、1年間に全く看取りを行っていない診療所が昨年7月時点で約半数を占めたという。鈴木課長は講演で、高齢化の進展に伴って在宅医療のニーズが増えることで、既存の在宅療養支援診療所だけでは対応し切れなくなる可能性を指摘。「在宅療養支援診療所を活性化するほかに、例えば通常の診療所や一定の病院にも(看取りに)関与していただくことが大事だ」とも述べた。(中略) 来年度の報酬改定で論点となる項目としては、在宅療養支援診療所の機能促進のほかに、▽慢性期入院医療 ▽訪問看護 ▽リハビリテーション-などを列挙した。このうち慢性期入院医療に関しては、「高齢者がすぐ3次救急の窓口に行くのではなく、医療機能が整っている療養病床なり、一般病床の一部で引き受けられないか」などと述べた。セミナーでは、同省老健局老人保健課の大竹輝臣課長補佐も基調講演し、介護報酬改定の課題として、介護老人保健施設など介護施設の役割の明確化を挙げた。現行の介護保険法では、老健施設の役割として入所者への在宅復帰支援やリハビリテーションの提供を掲げている。しかし、同省の調べでは、老健施設を09年度に退所した人の行き先は「医療機関」が52%と過半数を占め、「自宅」の26%を大きく上回った。さらに、一人も自宅に退所していない老健施設が全体の19%あることも分かっており、大竹課長補佐は「老健施設の本来機能をいかに取り戻させるかが、今後の介護報酬改定の一つの論点になる」と強調。入所者へのリハビリテーションについては、「少なくとも週2回は提供していただきたい」と述べた。>

在宅医療には、診療所だけではなく、訪問看護、訪問介護、薬局、歯科診療所、バックアップする病院など、様々な機関が関わっている。在宅医療といっても幅があり、通所サービスやショートステイを利用するケースも少なくない。それらの機関が、経営母体が異なっていても、「信頼関係に基づく顔のみえるヒューマンネットワーク」が構築されていることが必要で、各地で様々な取り組み(協議会・連絡会、研修会・事例検討会、連携パス運用など)がなされている。その取り組みをどのように企画・実施し、維持・拡充するか、それぞれの地域で試行錯誤されているであろう。最近、それは、権限や予算とは次元が違うことを改めて実感している。厚労省資料「地域医療連携体制構築に関する保健所の関与について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000013jau-att/2r98520000013jni.pdf)は、保健所の医療介護連携の関与にあたっても参考になるかもしれない。ところで、報道されているように、在宅療養支援診療所であっても全く看取りを行っていないところが少なくない。逆に、在宅療養支援診療所ではない診療所が積極的に看取りを行っているところも多い。さらに、在宅ターミナルといっても、看取りは病院(数日)でも直前まで在宅のケースも多い。要するに、在宅医療は、在宅療養支援診療所や在宅看取りだけでは、正しく評価できないということである。
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