保健福祉の現場から

感じるままに

認知症患者の退院目標と地域連携

2011年09月06日 | Weblog
「認知症患者の退院の「目標値」概ね了承- 厚労省検討チーム」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35440.html)。<以下一部隠引用>
<この日の会合では、厚労省が目標値について、▽BPSD(認知症の周辺症状)が改善するまでに1か月程度かかるケースが多い ▽BPSDの改善後も薬物療法の調整などに一定期間を要する ▽入院期間が3か月以上になると、再び自宅や地域で受け入れることが困難になる―などの意見があったと指摘。その上で、当面は現状の半年間よりも短くすることを目標としつつ、最終的な目標値として2か月とすることを提案した。また、目標達成の時期については、▽2013-17年度の医療計画から、記載する疾病に認知症を含む精神疾患が追加される ▽第6期(15-17年度)以降の介護保険事業計画で、精神科病院から退院する認知症患者についての具体的な検討が行われる―ことを指摘。両計画の効果が表れるまでの期間を考慮し、目標達成を20年度と定める案を示した。>

9月5日の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000almx.html#shingi1)が出れば見ておきたい。認知症入院患者(精神病床)に関する資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001kmqo-att/2r9852000001kmvv.pdf)では、認知症を主傷病名とする入院患者は、精神病床で5万1500人、療養病床で2万1900人、一般病床で2千人とされている。しかし、これはあくまで、認知症が主傷病名であるケースに限定されている。高齢者では認知症合併の入院患者が多く、7月29日の慢性期入院医療の包括評価調査分科会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001kok3-att/2r9852000001koo9.pdf)p6、資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001kok3-att/2r9852000001kooi.pdf)p26では、医療療養病棟の患者の「認知症高齢者の日常生活自立度」を分析したところ、「ⅣとM」の患者が20対1病棟で48.0%、25対1病棟で41.3%存在するとされていた。さて、社会保障審議会医療部会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001hx9n-att/2r9852000001hxcp.pdf)p124で、医療計画に記載すべき疾病として精神疾患の追加が提案されている。そこでは、認知症の地域連携(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001d04d.html)が一つのテーマになるに違いない。東京都認知症専門医療機関実態調査(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/chousa/senmon_iryou/index.html)に出ているように、認知症の診断は精神科よりも内科が多い。まさに、専門医とかかりつけ医の連携が重要で、その際の「連携ツール」(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/chiiki_iryou/renkei_tool/index.html)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb15GS60.nsf/0/236d5a9317edbc4e492577c4002062b8/$FILE/20101022_2shiryou2.pdf)も有用であろう。認知症クリティカルパス(地域連携パス)について、資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001d04d-att/2r9852000001d0cs.pdf)P14~では、他院・他施設との連携パスの使用・経験は、現在使用中33.8%、過去に使用した経験がある9.2%で、それなりに普及してきていることがわかる。パスの種類は、「退院支援」のパスが最多であり、運用には「地域連携会議」(地域包括支援センター、地域の介護事業者等が一同に参加し、同一の患者に対して退院、今後の支援等を話し合う会議)が不可欠であろう。昨年の診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-062.pdf)p13での「認知症専門診断管理料」500点、「認知症専門医療機関連携加算」50点が新設され、「認知症の退院支援・地域連携クリティカルパス」(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb15GS60.nsf/0/236d5a9317edbc4e492577c4002062b8/$FILE/20101022_2shiryou2.pdf)の普及が図られているのかもしれない。そういえば、来月、圏域内のケアマネ研修会があるが、郡と2つの市の協議会が合同で研修会を開催するのは本当に久しぶりだそうである。先日、それぞれの会長に集まってもらって協議し、研修会では、医療系ショートステイの普及のみならず、認知症疾患医療センターの活動報告や圏域内の在宅医療推進状況報告についても盛り込まれることになった。
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