生け花で使ったヤナギは水の中で根を出しているので、ずっと花瓶にさしたままです。
石化ヤナギに赤目ヤナギに雲竜ヤナギ。
ヤナギはたくさんの根を出し、芽と枝からも根を出すことができます。
日本では古くから長寿や繁栄のまじないに使われ、中国では邪気を払う呪力をもつとされました。
ロシアでヤナギは生長の早さ、健康、生命力、多産を象徴するものでした。
リトアニアにはそうしたヤナギのたくましさを語るブリンダの伝説がありますので、紹介しますね。
ブリンダはリトアニア語でヤナギの意味だそうです。
おどろくべき多産の力を授かったブリンダは体のあらゆる場所から子どもを産むことができました。
そんなブリンダを羨んだ母なる大地は、ブリンダが草原を歩いて沼に足をとられたとき、その足を
ぎゅっと掴み、土に埋めてしまいました。
動けなくなったブリンダはその場でヤナギの木に変わったのでした。
アレクサンドル・アファナーシエフ『スラヴ人の詩的自然観』第2巻(1868)にでてきます。
ヤナギの逞しさが伝わって来る伝説ですね。