勝手に映画評

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ハドソン川の奇跡 / Sully

2016年09月25日 | 洋画(アメリカ系)
後に“ハドソン川の奇跡”と呼ばれることになるUSエアウェイズ1549便不時着水事故の機長チェズレイ・サレンバーガーの著書『機長、究極の決断』を下にした映画。

いやぁ、あの奇跡の後、サレンバーガー機長がここまで厳しい追求を受けていたとは、寡聞にして知りませんでした。不勉強でした。仕事とは言え、NTSBの追求がここまでとはね。まぁ、NTSBはプロフェッショナルの集団(の筈)ですので、一時の感情による追求では無いと思いますが、それにしても、サレンバーガー機長の経歴、経験を踏まえないような調査は何とも不愉快ですね(苦笑)。しかも、一時は空港への着陸可能というシミュレーションの出ていて、サレンバーガー機長は絶体絶命。自身の取った措置への絶対的な自信と経験が有ったので、結果としてそれをひっくり返すようなシミュレーションをさせることが出来たんでしょう。そのシミュレーション結果と、CVRのモニタリング、エンジンの状況の確認などが出た後の公聴会の雰囲気は、手のひらを返してサレンバーガー機長を称える雰囲気。やっぱり、机上の空論(シミュレーション)と実際(CVRとか)は違うんですね。

原題が『Sully』と言うように、USエアウェイズ1549便不時着水事故と言うより、サレンバーガー機長そのものを描いた作品になっています。そりゃそうですよね、USエアウェイズ1549便が飛んでいたのは、わずか208秒なんですから。でも、事故そのものではなく、サレンバーガー機長に焦点を当てたクリント・イーストウッド監督も慧眼ですね。それが有ったので、この映画が作品として成立したんですね。

副操縦士のジェフリー・スカイルズをアーロン・エッカートが演じています。アーロン・エッカートもいい俳優ですが、この作品は、サレンバーガー機長を演じたトム・ハンクスに限りますね。ぶっちゃけ、彼だけでも良かったかも。いや、アーロン・エッカートに失礼だな。申し訳ない。

最近、ANAの現役機長さんの話を聞く機会が有ったんですが、その機長さん曰く『プロパイロットとアマチュアパイロットの違いとは何か? プロパイロットでも、アマチュアパイロットで上手な人よりも操縦が下手かもしれない。でも、プロパイロットは、絶対に失敗しない。それがプロとアマチュアの違いです。』と言う事を言っていました。納得です。そう言う意味では、サレンバーガー機長は、まさにプロ中のプロだと思いました。

いい作品でした。流石クリント・イーストウッド監督。

タイトル ハドソン川の奇跡 / 原題 Sully

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/アメリカ
監督 クリント・イーストウッド
原作 チェズレイ・サレンバーガー、ジェフリー・ザスロー『機長、究極の決断』
出演 トム・ハンクス(チェズレイ・“サリー”・サレンバーガー)、アーロン・エッカート(ジェフリー・スカイルズ)、ローラ・リニー(ローリー・サレンバーガー/チェズレイの妻)


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1 コメント

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はじめまして? (すぷーきー)
2016-10-11 23:28:12
TBありがとうございます。
>原題が『Sully』と言うように、USエアウェイズ1549便不時着水事故と言うより、サレンバーガー機長そのものを描いた作品になっています。
ですよね。事故限定の話ではなく、事故+サリーの話でしたね。
助かった後、こんなことがあったとは知りませんでした。

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