河童の蔵にあるショスタコーヴィッチの交響曲5番でタイミングがわかっているもので第4楽章が12分を越えているのは3個のみ。
ウラディミール・スピヴァコフの棒。
アンドリュー・リットンの棒。
そして一番長いのが今回ゲットしたこれ。
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ショスタコーヴィッチ/交響曲第5番
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ヤコブ・クライツベルク指揮
ロシア国立管弦楽団
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録音:2006年4月
ペンタトーン
SACDハイブリッド
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第1楽章15:44
第2楽章5:44
第3楽章15:36
第4楽章12:44
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第4楽章がやたらと長い。
昔の全日本吹奏楽コンクールなら、この自由曲だけで規定時間をオーバー。
省略なしでやりたいならバーンスタインよりも、ミトロプーロスよりも速く進まなければ、課題曲をやる時間がなくなる。
第4楽章が長いのはもちろんテンポがスローだからなのだが、極端におそくなるのが中間部のホルンのソロが終わったあたりから。最後までそのままの速度でインテンポを押し通す。
コーダ前の三拍子はやり過ぎかも。この三拍子は止まるぐらいおそい。
そしてそのままのテンポで、なおブレーキをかけながらコーダに突入する。
そして、
これがインテンポだ、
という強い自己主張のもと、ひたすらスローで強烈なブラス・セクションそしてティンパニ、とともに歩む。
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クライツベルクはN響なども振っているが、昨今の流行にのっているのか、
細部が濃い。
それでいてねっとりとしたいやらしさはない。
ヨーロッパに最近このような解釈を示す棒振りが多いような気がする。
ディテールの強調。
この感じでブルックナーを振るといい感じになる。昔の一本気なブルックナーは今は、はやらない。
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ということで、このタコ5はSACDハイブリッド。
一枚ベールがかかっているようなそれでいて縁取りがクリアな独特のサウンド。
もちろん目の覚めるような音だ。
それにカップリングされた9番もおもしろい。
おわり
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