河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2708- さくらんぼコンサート、森麻季、大西宇宙、阪哲朗、山形交響楽団、2019.6.28

2019-06-28 23:55:31 | コンサート

2019年6月28日(金) 7:00-9:00pm コンサートホール、オペラシティ、初台

モーツァルト セレナード 第6番 ニ長調「セレナータ・ノットゥルナ」K.239  5-3-6

モーツァルト 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527 より
      ドンナアンナのアリア"酷いですって!いいえ…
       そんなことはおっしゃらないで下さい、愛しい人よ"   6

モーツァルト 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527 より
       ドン・ジョヴァンニのカンツォネッタ"窓辺においでよ"  2
      
モーツァルト 歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」K.588 より
       フィオルディリージのロンド"恋人よ、どうか許してください"  7

モーツァルト 歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」K.588 より
       グリエルモのアリア"彼に目を向けてください"  5

モーツァルト 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527 より
       ドン・ジョヴァンニとツェルリーナの二重唱"お手をどうぞ"  3

Int

ヴェルディ 歌劇「リゴレット」より 序曲   2

ヴェルディ 歌劇「リゴレット」より ジルダのアリア"慕わしい人の名は" 5

ヴェルディ 歌劇「リゴレット」より
      リゴレットとジルダの二重唱"娘よ!お父様!"  13

モーツァルト 交響曲 第36番 ハ長調「リンツ」K.425   8+6-4+5


ソプラノ、森麻季
バリトン、大西宇宙

阪哲朗 指揮 山形交響楽団


沢山あげた写真にあるようにとっても楽しいひと時を過ごすことができました。ありがとうございました。

4プレイヤーが中央に集合して立ち弾きする中、映えるオケの繊細な室内楽節のノットゥルナから最後の奥ゆかしいリンツまでシックな色合い肌ざわりのモーツァルト。中に挟んだオペラのピース、華のあるソリスト2人を立てたドンジョ、コジ、リゴレット、じっくりと耳を傾けて聴き入る。次から次と堪能の極み。

モーツァルトはこのオケのオリジナルと言えるナチュラルブラスが色調をいい具合に整える。ヴェルディは一転、モダンブラスで奥行き感が増してふさわしい音圧で迫る。色々と楽しめましたね。オケサイズがこのホールにフィットしていて室内楽的ニュアンスがよく出ていました。

終わってから阪さんと色々とお話も出来てとっても楽しい時間でした。
ありがとうございました。
おわり

 





















2707- ショスタコーヴィチ、ジャズ組曲1番、黄金時代、5番シンフォニー、井上道義、新日フィル、2019.6.28

2019-06-28 22:21:26 | コンサート

2019年6月28日(金) 2:00-4:00pm トリフォニー

ショスタコーヴィチ ジャズ組曲第1番  3+2+4

ショスタコーヴィチ 黄金時代 組曲op.22a  4+5+2+3

Int

ショスタコーヴィチ 交響曲第5番ニ短調op.47  16-6-17+12

(encore)
ショスタコーヴィチ ボルトop.27 より 荷馬車引きの踊り  2

井上道義 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団


タコ尽くしプロ。前半で満足しちゃいました。
ジャズ組曲は指揮者入れて14人編成、グッと照明を落としてセピアカラー風味な時代雰囲気を醸し出しながら洒落て流れる。スミトリのいつものシンフォニックなモードが彼の棒でこうも変わるものなのかと驚くし、豊かなエンタメ才能とあらためて思う。客を楽しませてくれる毎度一流の腕前に舌鼓。楽しいなあ。音がのびやかで自由に飛び回っている。井上さん、右腕がいい動き。

黄金時代の前にトーク。
スコアの表紙は黄金色。作曲家の諧謔が乗り移ったかのようだ。ほんと洒落てて楽しませてくれる。指揮も何やらボクシング風だったり蹴りを入れたりと。
彼の指揮は見た目だけではなくてプレイヤー達の音が本当に生き生きする。生きている音楽の実感。もう本当に、ここでしか味わえない。そんな感じね。まことのエンタメ。

後半のメインプロの前にまたトーク。ハバネラ話。
普段あまりこの話が無いのは、フルートとホルンの掛け合いで、フルートの高音で締めてしまえばいいのに、そのあとさらに上を目指すホルンの現実離れした超高音に耳を奪われてしまうからではないかなどと、勝手に思っている。
絶妙トークで客耳を引っ張っていくあたりさすがの井上節ですね。
終楽章のやや遅めのインテンポでくさびを打っていくスタイルは少し昔の街並みがフラッシュバックしないわけではない。タップリとして柔らかな弦、束になったブラスの厚み、そこかしこに散らばったオケ作品の魅力、聴きごたえありました。

アンコールもエンジョイ。これ、要るよね。
おわり









2706- メシアン トゥーランガリラ、ムラロ、ミラー、パーヴォ、N響、2019.6.22

2019-06-22 19:09:57 | コンサート

2019年6月22日(土) 2:45-5:00pm オーチャード

2:45pm プレコンサート(通訳付き)

メシアン 幼子イエスに注ぐ20のまなざしより 15.幼子イエスの口づけ  11
 ピアノ、ロジェ・ムラロ

シンシア・ミラー BBCドキュメンタリーシリーズ「ホーキングの宇宙」から
「コスミック・レイ」   7
オンド・マルトノとトーク、シンシア・ミラー



3:30pm

メシアン トゥーランガリラ交響曲 7-8-5-11-7-11-4-12-5-8

ピアノ、ロジェ・ムラロ
オンド・マルトノ、シンシア・ミラー

パーヴォ・ヤルヴィ 指揮 NHK交響楽団
ゲスト・コンマス、ロレンツ・ナストゥリカ=ヘルシュコヴィチ



数々聴いてきたトゥーランガリラ、N響だとスーパーのカート付き手押し車のようなものを押して登場したプレヴィンの棒によるものが記憶に新しい。

1306- オリヴィエ・メシアン トゥーランガリラ交響曲、アンドレ・プレヴィン N響2011.10.21

1307- 二日目 メシアン トゥーランガリラ、プレヴィン N響2011.10.22 


と、その前に、この日はスタートが3時半なれど、その45分前からプレコンサートがあった。これがまた、ゴクリとのどが鳴るような出色物。ソリストお二方によるお話とプレイ、聴きごたえありましたね。お二方のプレコンはオンステージで。
ムラロのまなざし、幼子イエスの口づけ。客のせわしない動きに一旦、聴衆のほうをにやりと睨み、すごい集中力で弾き始める。メシアンの調べ、何を探してどこに行くのか、チリチリとヒートしてくる。もとより、ムラロはそのまなざし全てが頭の中で鳴っているのだろう。ゆっくりとロングなメシアンの調べに舌鼓を打つ。なんだか、オズボーン神越えのプレイを思い出す。

2345- メシアン、幼子イエスに注ぐ20のまなざし、スティーヴン・オズボーン、2017.5.18

2462- メシアン、幼子イエスにそそぐ20のまなざし、エマール、2017.12.6 


シンシアさんはオンド・マルトノをあちこち動きながら丁寧に説明。演奏が終わってからも舞台下の客に色々と説明していましたね。実に有意義なお二方によるプレコンでした。ここまででかなり満腹。

さて、本編。

トゥーランガリラをかぶりつき席で。こうやって間近で見るとほぼピアノコンチェルトの様相を呈している。その証明のようなプレイ。オーケストラの大波フレーズにムラロのピアノが細やかに動く。ひとつの大波の中でピアノの微分化された動きは余りもしない詰まりもしない。鮮やかなり。なんだか別物同士の調和の凄さ。近いとよくわかる。

そして、パーヴォN響の上方指向グラヴィティがメシアンを雄弁に語る。
パーヴォのトゥーランガリラはシャープな刻み節はほどほど、柔らかく磨き上げたツルツル度は空中浮遊する雲の絨毯、得も言われぬ上方指向グラヴィティが良く決まる。メシアンが上方に浮遊していくようなパフォームだ。
思いの外、柔らかめ。座った席が奏功したかな。このホールだしね。研ぎ澄ましと柔らかさがうまくブレンドしている。音色がワンパターン化するのを避けているようにも聴こえる。
8楽章までの入念な演奏に比して終楽章があっけなく思えたのはこれまでに無かった感触だが、もしかすると作品構成の弱点がスカッと見えてしまったのかもしれない。パーヴォだけにね。

たくさんのトゥーランガリラ聴いてきました。いつか最前列で聴きたいものよ、と思っていて、今日かなえました。
おわり




















2705- シューマン、マンフレッド、ピアノ協奏曲、菊池洋子、チャイコフスキー、マンフレッド、スダーン、東響、2019.6.15

2019-06-15 23:28:42 | コンサート
2019年6月15日(土) 6:00-8:10pm サントリー

シューマン マンフレッド 序曲  12

シューマン ピアノ協奏曲イ短調Op.54  15-6+11
 ピアノ、菊池洋子

Int

チャイコフスキー マンフレッド交響曲Op.58  16-10-10-11

コンサート・マスター、郷古廉
ユベール・スダーン 指揮 東京交響楽団


作品名筋でつながりのあるプログラムビルディング。ピアノに菊池洋子さん、ゲストコンマスに郷古廉さん、揃えてきた定期。

とはいえ、一番食指が動いたのはチャイコフスキーのマンフレッドだった。のに、最後のコーダは無し、かつ、その終楽章中にもカットありで、シンフォニックなバランスとしてはいいのかもしれないが、お目当てがかなわずちょっと肩透かし。

下降ラインで特徴づけられるマンフレッド、引き締まったもので良い流れ。ハーモニー重視でものすごくよいバランス。スダーンの棒はむろん初めから最後が見えていたのだろう。こっちはそうでなかったので位相のねじれのようなものを感じてしまった。描写音楽だしね、型はフィックスさせたほうがいいと思うが、こればっかりはどうしようもない。作曲家もいないし。

サントリーホールは2017年の改修した頃はそこそこピアノが締まっていましたが、またもやもやとふやけてきました。ピアノが毎度もやもやのこのホール。菊池さんには合っているかどうか。
菊池さんの弾くシューマンは力強さを避けることはしないが表現したいことはやっぱり別の事、というか粒の動き、粒立ちの良さ、デリカシー満点なピアノ。シューマンの小刻みな動きを楽しむためには最前列がよいのかもしれない。シューマンの波立ちがよくわかると思う。
おわり



2704- 田園、大地の歌、中島郁子、ダニエル・ブレンナ、沼尻竜典、東フィル、2019.6.14

2019-06-14 23:14:08 | コンサート

2019年6月14日(金) 7:00-9:10pm サントリー

ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調op.68 田園  10-12-4+3+9

Int

マーラー 大地の歌  7-9-4-6-4-28
 テノール、ダニエル・ブレンナ
 メゾソプラノ、中島郁子


沼尻竜典 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団


改めて圧倒的に偉大な作品と知る。大地の歌、再発見です。最初から最後まで味わい深過ぎる。じっくりコッテリと聴き進める。
抑揚や沈み込みの深さ、それぞれの楽章が深々と呼吸をして、その楽章毎に調の解決があり、揺れ動きから安定解決に向かう。
5楽章までは巨大でぶ厚いオーケストラサウンドに声も同化している。薄められた終楽章は下降フレーズで闇を雄弁に讃える。長い長い楽章の頭半分使って聴かせてくれる歌とオーケストラの、この一体感。そしてそのあと、5分あまり使いオーケストラの独奏。弦の線が極めて美しい。中島さんは一旦座り出を待つ。音楽は再び這い上がり始めて頂点を極め、ソプラノによるフォーエヴァーが何度も繰り返され、下降、減衰。極めて美しく響いた音楽は開いたまま終わる。
対訳を眺めつつ聴く大地の歌はさらにコクが出て偉大な作品だなあと本当に再認識。

大地の歌のマーラーサウンドというのはなかなか難しくて様になる演奏に出会うと嬉しくなる。沼尻、東フィルはそこらあたり実に雄弁な演奏で感服する。オペラティックなものを強調することなくオーケストラと声のブレンド、この醍醐味を聴かせてくれる。
終楽章のコントラバスとチェロの長い息づかいの揺れ動く線、これは見事でしたね。音楽が生きている。
ブレンナは100パーセント出したくても曲がそうさせないところがあって、もがきつつも、うっそうと茂ったオーケストラの中からピンポイントで浮き出てくるナチュラルな凄味がありました。


前半に置かれた田園。
40分に満たない快速モード。チェロの大胆なピチカート、飛び跳ねるようなコントラバス、総じて弦が快活、沸き立つサウンドで躍動感がある。沼尻はこのオケからややドライな音を引き出しており、これはこれで、ベートーヴェンの小径のウォーキング、楽しいもの。実に雄弁な内容で味わい尽くす。

良いプログラム、それに両曲ともに充実した演奏、説得力ありましたね。
ありがとうございました。
おわり







2703- 伊福部、SF、グリエール、声コン、シャギムラトヴァ、カリンニコフ1番、山田和樹、読響、2019.6.13

2019-06-13 23:34:56 | コンサート

2019年6月13日(木) 7pm サントリー

伊福部昭 SF交響ファンタジー1番  15

グリエール コロラトゥーラ・ソプラノのための協奏曲  7-6
 ソプラノ、アルビナ・シャギムラトヴァ

(encore)
アリャビエフ ナイチンゲール(夜鳴きうぐいす)  3

Int

カリンニコフ 交響曲第1番ト短調  14-6-9-8


山田和樹 指揮 読売日本交響楽団


伊福部の作品は元の曲を知らないので、そのままとらえるしかない。約15分に渡りぶ厚いオーケストラサウンドがこれでもかこれでもかと迫ってくる。ヘヴィー過ぎました。

グリエールの作品は声コンチェルトとでもいうもので、ソロが楽器では無くて人の声。発想としてはありなんだろう。甘くとろみがあり切れるところが無い。シームレスな真綿で心地よく締められるような演奏が譜面レスで滔々と進む。オーケストラサウンドとの溶け具合も良い。
オケ伴付きのアンコールともども、十八番の2作品、筆舌に尽くし難いシャープな技に、気持ちももんどり打つ。


カリニコフの1番は、チェコ・フィルとの録音もあり、ヤマカズお得意物件なのだろう。
初楽章提示部をリピートしバランスを整え、次のアンダンテが4楽章の中で一番短いといったちょっとした物足りさもある中、コンセントレーション程よく、読響の重厚で正三角形の音場構成がよく動き歌う。ノリに乗った演奏というよりも中身をじっくりと聴かせてくれる。内面によく光を当てた演奏と言えよう。型が決まっていて申し分なくシンフォニックな演奏。なにやら、カリニコフがデカい。読響+ヤマカズ、この方程式の演奏でしたね。
楽しみました。ありがとうございました。
おわり