●プレ・コンサート・リサイタル
1984年7月28日(土) 7:00pm エイヴリー・フィッシャー・ホール
テレマン/リコーダー、ヴァイオリン、バスのための三重奏曲
J.C.バッハ/フルート、ヴィオリン、ハープシコードのためのソナタ
ミカラ・ペトリ、リコーダー
カトリーネ・フィンク、フルート
デイヴィス・ブルックス、ヴァイオリン
エリック・バートレット、チェロ
エドワード・ブリューワー、ハープシコード
●メインコンサート
1984年7月28日(土) 8:00pm エイヴリー・フィッシャー・ホール
モーツァルト/交響曲第26番K.184
モーツァルト/ホルン協奏曲第0番K.370B/K.371
テレマン/ホルン協奏曲
テレマン/アルト・リコーダー協奏曲
ヴィヴァルディ/ソプラニーノ・リコーダー協奏曲 Op.10、NO.6、R.437
ハイドン/交響曲第82番 熊
バリー・タックウェル、ホルン
ミカラ・ペトリ、リコーダー
クリストファー・ホグウッド 指揮
モーストリー・モーツァルト・フェスティヴァル・オーケストラ
以下例によって聴いた感想です。
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さて、ホグウッドの登場です。近頃うわさの。
これがこの前のオーケストラと同じかと思うほどのみちがえりようで、本当、マータとは段違い。というよりも志向する音楽の違いによる才覚がてきめんにでている。
ホグウッドは古典音楽のみやっているようにみえるが実は自分で本当に納得した音楽のみを演奏しているのではないか。指揮姿は大げさな身ぶりはなく好ましく、作り出す音楽も誠実で一見何の変哲もないようにみえるが、よく聴くと微妙なニュアンスを事細かに与えているように思える。短期間でこれだけ成果をあたえることができるというのは、やはり指揮者の才覚によるところが大きいと思う。
現にこのコンサートの聴きどころは協奏曲ではなくてモーツァルトの交響曲第26番とハイドンの交響曲第82番にあった。
本当に少しでも横を向いていたら気にも留めないようなところまで細かに作り上げた音楽が通り過ぎていく。もちろん全体のテンポも奇異なところはなく、必然的妥当性をもって解決にあたっていた。いくらオーケストラとはいえ、やりなれていない曲にはなにか不安定が付きまとうものなのだが、指揮者が自信を持って団員を安心させてしまうので、このような場合には変な不安定感が消える。
なによりもこれだけがさつなオーケストラからあれだけみずみずしさをひきだしたということはやはり並の指揮者ではない。
タックウェルはまたしても何事もないように吹きまくり、私の羨望のまなざしを浴びた。
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といった変な文章だったのですが、指揮者が変わればオケの音も豹変する。完全に引き締まった、整ったアンサンブル。指揮者が曲を把握しておりどこをどのようにすればこのようなアンサンブルを導き出せるか、そのツボを心得ているのだろう。
おわり