“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「生命はデジタルでできている」(田口善弘著/講談社)

2020-06-08 09:33:54 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:生命はデジタルでできている~情報から見た新しい生命像~

著者:田口善弘

発行:講談社(ブルーバックス)

 いま、生物学の分野で静かな革命が進行しつつある、と言ったら読者の皆さんは驚くだろうか? その生物学の分野とは、ゲノム科学である。ゲノム科学に関する新しい知見がネットに流れない日の方が珍しい。「寿命を伸ばす遺伝子発見!」「『がんゲノム医療』検査に保険適用」なんだがすごいことがこの分野で起きているっぽい。だが、なぜ、「突然」こんなことになっているのか? その疑問に答えてくれる報道は少ない気がする。同書の目的はそれを少しでもわかりやすく説明することにある。そのために、本書ではDIGIOMEという造語を導入した。DIGIOMEとは何か? それは、デジタル信号処理系としてゲノムを捉える考え方だ。 

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★水素ニュース★NEDOとARPChemなど、世界初となる100%に近い量子収率で水を分解する光触媒を開発

2020-06-08 09:33:30 |    ★水素ニュース★

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)は、信州大学、山口大学、東京大学、産業技術総合研究所と共同で、紫外光領域ながら世界で初めて100%に近い量子収率(光子の利用効率)で水を水素と酸素に分解する粉末状の半導体光触媒を開発した。

 これまでに開発された光触媒では、量子収率が50%に達するものはほとんど報告されておらず、画期的な成果といえる。

 今回の光触媒設計指針を応用することにより、さらなる太陽光エネルギー変換効率の向上が期待でき、ソーラー水素製造技術の実用化に貢献する。今後も光触媒や人工光合成プロセス全体のさらなる効率向上を目指す。

 同研究では、“100%に近い量子収率で水分解は実現できる”ということを初めて実証した。

 代表的な酸化物光触媒であるSrTiO3(Alドープ)にRh/Cr2O3からなる水素生成助触媒とCoOOHからなる酸素生成助触媒を光電着法により担持すると、従来の含浸法に比べて水分解活性が向上した。

 350~360nmの波長範囲で外部量子収率(照射した光子数に対する反応に利用された光子数)では96%に達した。この場合、光触媒に吸収された光のほぼ100%を反応に利用できている計算になる。

 今回用いたSrTiO3(Alドープ)はバンドギャップが大きく紫外光しか利用でない。今後、さらにバンドギャップが小さく幅の広い可視領域の光を利用できる光触媒においても量子収率を上限まで高めていく必要がある。(新エネルギー・産業技術総合開発機構<NEDO>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「X線分析の進歩 51(X線工業分析 55集)」(日本分析化学会、X線分析研究懇談会編/アグネ技術センター)

2020-06-08 09:32:59 |    物理

 

<新刊情報>

 

書名:X線分析の進歩 51(X線工業分析 55集) ~CD-ROM付~

編者:日本分析化学会、X線分析研究懇談会

発行:アグネ技術センター

 同書は昭和39年(1964年)に「X線工業分析」として発刊され、第5集から「X線分析の進歩」として毎年刊行されているものである。内容は、解説と報文、その年度におけるX線分析関係の論文・行事の紹介、機器についての資料集など。わが国における業界の年鑑といえるものである。

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