“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「数学を数楽にする 高校入試問題81」(川端哲平著/マイナビ)

2022-07-29 09:52:56 |    数学



<新刊情報>



書名:数学を数楽にする 高校入試問題81

著者:川端哲平

発行:マイナビ

 「数学」この言葉を見たとき、皆さんはどんなイメージを持たれるのか? 難しい、苦手だったという印象がある方もいるかもしれない。しかし、本来数学は楽しいもの。自分で解いて、悩んで悩み抜いた結果、解法がひらめく!その快感は何物にも代えがたいものだ。同書はこの言葉をコンセプトにしたYouTubeチャンネル「数学を数楽に」(登録者数7万人以上)を運営する川端哲平先生が数学の高校入試問題81問を出題、解説する。問題はYouTubeで特に再生回数が多いもの、またはコメントが多いものを厳選している。高校入試問題なので中学までの知識で解けるもの。しかも一見するとすぐに解けそうな問題ばかり、しかし正解にたどり着くにはひとひねりが必要。ぜひ、そのひとひねりにたどり着いて、数学の楽しさを堪能していただければ幸いである。
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●科学技術ニュース●日立、イタリア・ジェノバで世界初となる都市のマルチモーダル交通を実現

2022-07-29 09:52:22 |    通信工学
 日立製作所の鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レールは、スマートモビリティの統合ソリューション「Lumada Intelligent Mobility Management」を用いて、イタリア・ジェノバで公共交通とカーシェアなどの民営交通といった都市全体の交通網をデジタルで接続した。
 
 これは都市内移動の方法に変革を起こすきっかけとなる。

 Lumada Intelligent Mobility Managementでは、ブルートゥースセンサーを使用したモバイルアプリ360Passで、バス、電車、ケーブルカーなどを接続し、都市内のあらゆる公共交通に乗客が「ハンズフリー」でアクセスすることを可能にする。

 電気自動車のレンタル、駐車場料金の支払い、電動スクーター(二輪車の一種)の位置の確認も360Passアプリ上で行える。実際の交通機関の利用状況に基づいて、1日の終わりに一番安い価格で利用料金が自動で算出される仕組み。

 この他、都市の交通網全体の「デジタルツイン」を作成し、人流・運行データをリアルタイムで把握できるようにする交通事業者向けのソリューションもある。これは、世界中の他の都市にも展開できる技術。

 イタリア・ジェノバでの実証試験では、バス(663台)、バス停(2,500カ所)、地下鉄(年間利用者数1,500万人)、ケーブルカー(2基)、登山鉄道(1路線)、公共エレベーター(10基)、郊外バス(2路線、全長50km)をデジタルで接続した。

 また、利用者は携帯のボタンを押すだけで、電気自動車のレンタルや、駐車場料金の支払い、電動スクーターがどこにあるかの確認などもできる。<日立製作所>
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●科学技術ニュース●NIMSと磁石メーカー4社による磁石マテリアルズオープンプラットフォーム(磁石MOP)発足

2022-07-29 09:41:45 |    化学
 物質・材料研究機構 (NIMS)とTDK、大同特殊鋼、信越化学工業、日立金属は、NIMSを中核とした磁石マテリアルズオープンプラットフォーム (磁石MOP : Materials Open Platform) の運用に関する覚書に調印した。今後、磁石メーカーで必要とされる共通基盤研究等を磁石MOPを通じ、アカデミアと連携しつつ進めて行く。

 NIMSは民間企業の持つ「基礎研究所」の一部機能を担い、産業界とアカデミアをつなぐ領域別のマテリアルズオープンプラットフォーム (MOP) を2017年以降運営してきた。このたび新たに磁石メーカー4社と磁石材料の共通基盤研究をアカデミアと連携して行うプラットフォームとして磁石MOPを設立した。

 NIMSは希少元素に依らない次世代磁石材料の基盤研究を推進し、産業界での開発研究に必要とされる基礎学理と技術基盤を構築することを目的として2012年度から2021年度までの10年間、文部科学省の委託事業として元素戦略磁性材料研究拠点 (ESICMM) を運営してきた。

 同事業は今年3月にその目的を達成して終了したが、この10年間、ESICMMで培った解析プラットフォーム、および、人材ネットワークを継承し、磁石産業界で必要とされる基盤研究をアカデミアとともに継続するため、磁石MOPを新たに発足させた。

 磁石材料の世界最高水準の微細構造解析技術やデータ駆動型研究を、材料設計とプロセス最適化に応用し、用途に応じた必要特性を持つ材料の開発を迅速に行うツールの開発を目指している。

 また、NIMSの研究者だけでなく大学の人材も取り込むために、クロスアポイントメント制度等を活用した大学との人材交流をこれまで以上に推し進めていく。

 これに加えて、磁石MOPから発信する公開情報に基づいてMOP外の磁石ユーザー企業との意見交換を行う会員制連携制度「磁石パートナーシップ」を運営し、将来的に新たな課題設定を行うためのインプットのすそ野を広げる。

 磁石MOPでの高性能磁石開発の設計技術基盤を構築するという共通課題から参画企業の個別課題を扱う二者間共同研究層への発展を見据えたNIMSを中核とする二階構造の共同研究と合わせた統合的な運営体制も磁石MOPの特長。

 磁石MOPでは、これらの特長を活かして、構築された材料基盤技術の参画企業による事業活用を支援し、ひいては電気自動車等での搭載拡大が期待されるモーターの高性能化、省希少元素化を通じて、カーボンニュートラルの実現に向けた貢献をしていく。<物質・材料研究機構 (NIMS)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「エッジAI導入の手引き」(出澤純一 、菅原志門著/日刊工業新聞社)

2022-07-29 09:41:09 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:エッジAI導入の手引き~生産設備/機器制御への組み込み~

著者:出澤純一 、菅原志門

発行:日刊工業新聞社

 クラウドAIのデメリットを解消するエッジAIの定義や特徴を披露し、生産性や品質向上に必要な課題の洗い出しと、AI実装法をわかりやすく体系化。生産設備/制御機器にエッジAIを組み込み、最適化を図る進め方を説く。適切なアルゴリズムの選定からデータの加工、ハードウェア選定まで指南する。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「動物たちのナビゲーションの謎を解く」(デイビッド・バリー著/インターシフト)

2022-07-28 09:45:26 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:動物たちのナビゲーションの謎を解く~なぜ迷わずに道を見つけられるのか~

著者:デイビッド・バリー

訳者:熊谷玲美

発行:インターシフト

 ときに数千キロ、数万キロも旅する動物たち―なぜ身ひとつで広大な地球を渡っていけるのか?動物ナビゲーションの世界的な科学者たちが、その謎を探究。感嘆するほど凄いしくみが明かされる! ・ナビの頼りは、視覚? 匂い? 磁気?・・・それとも?・生まれた場所を伝える遺伝子とは?・動物のメンタルマップを解き明かす・体内時計とナビゲーションの深い関わり・鳥の磁気センサーの正体とは?・脳のなかで何が起こっているのか・ナビゲーションは思考と創造力の鍵!・鳥の渡りの最長記録はなんと9万キロ(地球2周分)・・など、仰天エピソードも満載
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●科学技術ニュース●日本製鉄、微生物を利用してCO2から基礎化学品を製造する研究開発に着手

2022-07-28 09:44:59 |    ★バイオニュース★
 日本製鉄は、微生物を利用して二酸化炭素(CO2)から基礎化学品を製造する研究開発について、オーストラリア研究会議が公募するプロジェクトにクイーンズランド大学、アーバンユーティリティ社(オーストラリア)と共同で応募、採択され、研究開発に着手した。

 同社は、気候変動問題に対する独自の取り組みとして、「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」を公表し、2050 年までのカーボンニュートラルの実現を経営の最重要課題と位置付けている。CO2を原料として有用な化学品や燃料を製造する技術であるCCU(Carbon Capture and Utilization)はカーボンニュートラル実現のために必要不可欠な技術。
 
 CCUの多くは触媒を用いる化学反応を利用しているが、一般に触媒を用いるプロセスは高温、高圧を必要とする。これに対し、微生物を用いるプロセスは常温常圧で反応が進むため、省エネルギー、低コストが期待できる。
 
 今回、日本製鉄は、この分野で先駆的な研究を行っているクイーンズランド大学を研究代表としてオーストラリア研究会議が公募する連携プロジェクト(ARC Linkage Project)へ応募し、採択された。

 同研究開発で生産を目指す基礎化学品は、分子のなかの炭素原子の数が6~8つの中鎖脂肪酸と呼ばれる物質。中鎖脂肪酸は、微生物を用いて合成することが可能であり、燃料、飼料添加物、医薬品など幅広い化学品の原料となる基礎化学品であるため、近年注目を浴びているもの。
 
 同研究開発の研究代表者であるクイーンズランド大学のBernardino Virdis博士の研究チームは、すでに実験室で微生物によるCO2を原料とした中鎖脂肪酸の合成に成功した実績がある。

 同研究開発では、プロセスの最適化およびパイロットプラントでの検証を行い、実証段階への道筋を作ることを目指す。

 同社では製鉄所で発生する排水の浄化処理を対象に微生物を利用した技術の研究を20年以上前から進めて知見を深めており、ここで得た微生物評価技術や知見を活用することで同プロジェクトに貢献する。<日本製鉄>
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●科学技術ニュース●NICT、「高度通信・放送研究開発委託研究に係る令和4年度新規委託研究の公募(第2回)」を開始

2022-07-28 09:44:20 |    通信工学
 情報通信研究機構(NICT)は、令和4年度高度通信・放送研究開発委託研究における委託研究課題に係る公募(第2回)を下記のとおり開始する。


1. 研究開発課題

 持続性の高い行動支援のための次世代IoTデータ利活用技術の研究開発(課題番号227)

 概要: Beyond 5G(B5G)/6G時代に想定される大容量・低遅延・超多様なデータストリームにも対応できる行動ナビゲーションサービスを実現することを目的に、実空間の状況変化の把握や予測を継続的に行うためのAI技術を開発し、行動ナビゲーションサービスへの応用の開発・検証を受託者とNICTが共同で行う。また、様々なIoTデータを活用したAIによる予測分析の研究コミュニティによる研究開発を推進すべく、開発したAI技術を第三者に提供可能な形で公開する。さらに、本委託研究の終了後、研究開発成果を行動ナビゲーションサービスとして実現し社会実装を推進するとともに、B5G/6Gサイバー空間アーキテクチャの参照実装として公開し、B5G/6G時代のサイバーフィジカルシステムの実現に貢献する。

 研究開発期間: 令和4年度(契約締結日)から令和6年度まで
 研究開発予算: 各年度、総額40百万円(税込)を上限とする。
 採択件数: 1件

2. 公募期間

 令和4年7月22日(金) 〜 同年8月22日(月)正午(必着)

3. 公募説明会(オンライン開催)

 日時: 令和4年8月1日(月) 14:00〜15:00
 申込方法: 7月29日(金)正午までに、「説明会申込先」宛に電子メールにてお申し込み。

<情報通信研究機構(NICT)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「電子部品業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書」(野村総合研究所コンサルティング事業本部著/技術評論社)

2022-07-28 09:43:38 |    企業経営



<新刊情報>



書名:電子部品業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書

著者:野村総合研究所コンサルティング事業本部

発行:技術評論社(図解即戦力シリーズ)

 パソコンやスマホなどのIT機器はもちろん、各種の家電製品や乗り物、各種の電子機器など、電気で動くあらゆるものに電子部品が使われている。同書は、電子部品業界の歴史、市場の構造・動向、業務内容、代表的な企業、最新技術、業界の課題と展望、代表的な電子部品の基礎知識など、電子部品業界で働いている人や就職を希望する人、電子部品業界をビジネスパートナーとする人が必要とする知識を解説。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「企業と環境」(藤平慶太著/養賢堂)

2022-07-27 09:37:00 |    企業経営



<新刊情報>



書名:企業と環境~SDGs時代における意思決定の新潮流~

著者:藤平慶太

発行:養賢堂

 同書の目的は、事業活動に環境や持続可能性の概念が組み込まれるという、SDGs時代における企業の意思決定の新たな潮流を明らかにすることである。同書では、環境への対応を巡り企業の意思決定がどのように変化しているのか、企業はどのような行動原理で環境配慮に動くのか、企業による環境問題解決の方法にはどのようなものがあるのか、未来社会において企業にはどのような役割が期待されているのか、について考える。なお、同書は、筆者による慶應義塾大学大学院での講義「企業と環境」の講義内容をベースに構成している。
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●科学技術ニュース●西松建設、木質バイオマス発電事業に進出

2022-07-27 09:36:36 |    ★バイオニュース★
 西松建設は、脱炭素社会の実現にむけて、再生可能エネルギー発電事業によるエネルギー創出を「中期経営計画2023」に掲げ、積極的に取り組みを進めているが、このたび、山口県山陽小野田市で木質バイオマス発電事業に取り組む目的とし、新たに山陽小野田グリーンエナジーを設立した。
 
 同子会社は、山口県山陽小野田市の小野田・楠企業団地において、2MWクラスの木質バイオマス発電所の建設・運営を行う予定。
 
 木質バイオマス発電は、再生可能エネルギーの中でも天候に左右されず安定的に供給できるベースロード電源であり、また地域に存する木質資源の活用によってエネルギーを生み出すことができる地産地消型の電源でもある。
 
 建設する発電所にて発電の燃料となる木質チップは、燦キャピタルマネージメントの関連会社である山陽小野田バイオマス燃料供給を介して、主に山口県内の素材生産者によって集材される間伐材や林地残材等の未利用材を利用する。

 これら未利用材の活用は山林の保全育成や林業振興等につながるとともに、地元に対価をもたらす新たな木材需要を創出できる。<西松建設>
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