“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「論理パズル100」(小野田博一著/講談社)

2021-07-30 09:59:45 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:論理パズル100~世界の名作から現代の良問まで~

著者:小野田博一

発行:講談社(ブルーバックス)

 「クレタ人のエピメニデスが言いました。『クレタ人はみなウソつきだ』」。論理パズルは紀元前600年頃、このエピメニデスのパラドクスから始まった。その後、解析問題が登場し、数学の巨人・オイラーやルイス・キャロルといった数々の偉人たちも、論理パズルを楽しみ、数々の名問を生み出した。論理パズルの歴史を追いながら、「論理力」を鍛えよう。
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●科学技術ニュース●三菱重工工作機械、金属3Dプリンターの造形サービスを拡大

2021-07-30 09:59:15 |    機械工学
 三菱重工グループの三菱重工工作機械は、レーザー金属積層造形技術を用いた"金属3D(三次元)プリンター"の試作や受託生産などといった造形サービスを拡大すうる。

 従来の大型造形物向けデポジション(DED)方式の金属3Dプリンターに加え、新たに小型造形物向けバインダージェット(BJT)方式の金属3Dプリンターをサービスラインアップに追加することで、1mmサイズの小型部品から1mを超える超大型部品まで幅広い造形物の製作に対応する。

 三菱重工工作機械が新たに導入するのは、デジタルメタル社製の金属3Dプリンター「DMP2500」。同装置が採用するBJT方式は非常に精緻な造形が可能である上、量産志向が高いという特長を持っている。

 これまで、独自のDED方式を採用した“LAMDAシリーズ”による造形サービスを提供してきたが、特長が異なる方式の装置を導入することで幅広い造形ニーズに応え、造形物に応じた最適な製造法および装置の提案・提供が可能となる。

 また、デジタルメタル社との間では、DMP2500をはじめとした同社製金属3Dプリンターの国内販売契約を2020年7月に締結。DED方式金属3Dプリンターに加えてBJT方式金属3Dプリンターも三菱重工工作機械の販売ラインアップに追加することで、同装置導入後のアフターサービスにも幅広く対応していく。(三菱重工業)
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●科学技術ニュース●東北大学など、ベイズ推定を用いた新たな電子構造の解析法を開発しトポロジカル絶縁体などを巡る数々の論争の決着へ

2021-07-30 09:58:42 |    電気・電子工学
 東北大学材料科学高等研究所の佐藤宇史教授、九州大学情報基盤研究開発センターの徳田悟助教、京都産業大学理学部の瀬川耕司教授、ドイツ ケルン大学の安藤陽一教授、産業技術総合研究所 産総研・東北大 数理先端材料モデリングオープンイノベーションラボラトリ(MathAM-OIL)の中西毅ラボ長らの研究グループは、IT分野などで幅広く用いられている「ベイズ推定」という統計学的手法を用いて電子構造の全貌を明らかにする新しい解析方法を開発した。

 同手法により、近年提唱された「トポロジカル絶縁体」と呼ばれる新奇物質における、相対論的ディラック電子の質量を10年越しに正確に決定することに成功した。

 同解析法は、トポロジカル絶縁体だけでなく様々な機能性材料に対しても広く適用可能で、次世代放射光などによって得られる電子構造データの解析にも役に立つと期待される。

 今後は、この解析法をさらに改良することで、次世代放射光施設などによって得られる大量で複雑な電子構造データを効率よく解析するための基幹手法にもなり得ると期待される。また、同解析法に基づいた正確な電子構造の理解を足掛かりにして、様々な機能性物質を用いた次世代電子デバイス材料の開発にも大きな弾みがつくものと期待される。(科学技術振興機構<JST>)
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「錯体化学」(猪股智彦、梶原孝志、北河康隆著/)

2021-07-30 09:58:15 |    化学



<新刊情報>



書名:錯体化学~有機・無機複合体の分子科学~

編著:棚瀬知明、石井洋一

著者:猪股智彦、梶原孝志、北河康隆

発行:三共出版

 錯体化学をはじめて学ぶ学生や若手研究者のための本格的な教科書。錯体化学の学習は、金属錯体そのものの知識だけではなく、非常に多岐にわたる周辺学問領域の基礎を学ぶことも不可欠。しかし、錯体化学を取り巻く広範囲な基礎知識を短期間で学ぶことは容易ではない。同書では、基礎から先端的研究まで、初学者が無理なく段階的に読み進められるような構成となっている。また、各章では、関連するエピソードやトピックス、ポイント解説を「コラム」、関連する分析手法を「分析」として紹介。付録として、錯体化学を理解する上で重要な「対称性と群論」、「ハートリー・フォック法」の解説などを収録している。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「開かれたパンドラの箱」(今井眞一郎著/朝日新聞出版)

2021-07-29 09:56:09 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:開かれたパンドラの箱~老化・寿命研究の最前線~

著者:今井眞一郎

構成:瀬川茂子

発行:朝日新聞出版

 老化・寿命のメカニズムはどこまで解明されたのか。世界の最先端で研究を牽引する著者が何に着目し、どう研究を進めてきたか、実証的に記す。話題のNMNをはじめ、世界で開発が進む抗老化法はどこまで検証されてきたのか。わかりやすく紹介する。
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●科学技術ニュース●鹿島建設と沖電気、階段利用を促進する行動変容アプリの効果を実証

2021-07-29 09:55:39 |    情報工学
 鹿島建設と沖電気工業は、オフィスワーカーの健康意識向上を目的として、鹿島のオフィスビルのワーカーを対象に、スマートフォンアプリを使用して健康行動を促す行動変容サービスの実証実験を行った。

 同サービスは、適切なタイミングでメッセージを通知することで、ワーカーがエレベータ(EV)の利用を減らし階段の利用を増やす健康行動を、自発的に選択するよう促すもの。

 実験の結果、アプリ使用後に階段利用者が約40%増加するなど、同アプリの効果が確認された。

 同サービスは、建物内の階段・通路・EVホールに設置したセンサーやカメラから、ワーカーの行動情報をクラウドに収集し、階段利用などの健康行動を誘発するメッセージをスマートフォンに通知するもの。

 スマートフォンに内蔵している加速度センサーや気圧センサーから、ワーカーの歩数や階段利用数などのアクティビティを検知し行動情報と連動することで、長時間のデスクワーク後に階段利用を促すなど、適切なタイミングで行動誘発メッセージを通知。

 ワーカーが階段を利用するモチベーションの向上や、継続した階段の利用につなげるための仕掛け(階段利用数・歩数情報の表示、利用数・歩数に応じたスタンプ付与による目標達成の見える化など)をアプリに実装。

 EVに設置したカメラから混雑情報を収集し、状況にあわせて階段利用を促すメッセージを通知することで、EVの混雑回避にも寄与。

 今後、同サービスを積極的に提案することで、ワーカーの健康性や快適性に配慮したスマートビルを構築し、建物の付加価値向上につなげていく。
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●科学技術ニュース●九州大学と京都大学、光照射を用いた超高解像度な遺伝子解析技術の開発に成功

2021-07-29 09:54:53 |    生物・医学
 科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業において、九州大学 生体防御医学研究所の大川 恭行 教授と京都大学大学院 医学研究科の沖 真弥 特定准教授らの研究グループは、光単離化学(Photo-Isolation Chemistry=PIC)という技術を開発し、非常に小さな細胞集団や細胞の中の微小構造体で機能する遺伝子を光照射により検出することに成功した。

 ヒトやその他の多細胞生物は少なくとも100種類以上の細胞タイプから構成され、空間的な配置や場所によってさらに細分化された機能や特性を持つことが知られている。一方で、これらの細胞を臓器や組織から取り出すと本来の特性を失うため、組織を破壊することなく特定の細胞のみを解析する必要があるが、従来の手法では不可能とされてきた。

 同研究グループは、半導体製造工程の光による超微細加工技術をヒントに、光を照射したエリアからのみ、遺伝子の発現情報を取り出す(=単離する)技術を開発した。

 PICと名付けられたこの技術により、脳のさまざまな領域に光を照射して、領域ごとに働きが異なる遺伝子のみを検出することに成功した。

 さらにマウス胎児の非常に小さな細胞集団や、従来不可能であった細胞内の1000分の1ミリ以下の微小構造体からも遺伝子を網羅的に検出することができた。

 空間オミクスと呼ばれる研究分野の成果である同技術分野は、現在、国際的な開発競争が激化している。こうした技術の多くは、利用に高額の費用を要するが、PICは既存の遺伝子解析手法にたった数百円追加するだけで実施できるため、国際的な普及が見込まれる日本発の独自技術。

 今後、この技術によってがんやCOVID-19による炎症など、正常と異常な細胞が入り混じった臨床組織の病理診断への応用が加速すると期待される。(科学技術振興機構<JST>)
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「<50音順>一日の会話で使う動詞のすべてを英語にしてみる[音声DL付]」(曽根田憲三著/ベレ出版)

2021-07-29 09:54:03 |    語学



<新刊情報>



書名:<50音順>一日の会話で使う動詞のすべてを英語にしてみる[音声DL付]

著者:曽根田憲三

発行:ベレ出版

 人、モノ、場所を表わす名詞は大切だが、意思の疎通を図るためには、どうするのか、どう思っているの、どうなっているのかを伝えるための「動詞」が必要。同書では、日常会話の中で頻繁に使われている、基本的な日本語の動詞を50音順に並べ、会話でよく使われる表現と一緒に紹介する。よくある「英語の動詞の使い方」から学ぶのではなく、ふだん、私たちが話している会話の中の日本語の動詞に焦点をあてている。日本語を英語に変換することは英語学習にとても効果的。「会う」でseeとmeetの違いがわかり、「合う」で「似合う」はsuit、サイズが「合う」はfitなど、違いと使い分けを理解しながら覚えていくことができる。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「南極探検とペンギン」(ロイド・スペンサー・デイヴィス著/青土社)

2021-07-28 09:31:12 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:南極探検とペンギン~忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態~

著者:ロイド・スペンサー・デイヴィス

訳者:夏目 大

発行:青土社

 100年前に南極に到達したスコット探検隊のメンバー、ジョージ・マレー・レビックは、氷に阻まれ一冬を南極で過ごすこととなった。海軍の医師であったレビックは周囲のペンギンたちを観察するうちに、彼らの奔放な性生活に気づきノートに書き留めていったが、生涯それを公にすることはなかった。気鋭のペンギン学者がレビックの足跡を追い、過酷な南極探検の実態とペンギンたちの驚くべき生態を明らかにする。
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●科学技術ニュース●クボタなど6社、ハウス栽培のスマート化実証実験を開始

2021-07-28 09:30:43 |    ロボット工学
 クボタ、inaho、オプティム、ルートレック・ネットワークス、レグミン、関東甲信クボタの6社は、ハウス栽培のスマート化に向けた実証実験を開始した。

 参画企業各社が保有するロボットやAI等を活用した自動化ソリューションを持ち寄ることで、潅水(水やり)、施肥、防除(病害虫の予防・駆除)、収穫といった各栽培工程で収集するデータを相互利活用できる実証環境を構築し、新たなソリューションの開発を目指す。

 同実証実験では、参画企業各社の自動化ソリューションを導入することにより各栽培工程を軽労化するとともに、各自動化ソリューションが収集する土壌水分量等の栽培環境や作業データを相互に利活用することにより、栽培全体の最適化に繋がる新たなソリューションの開発を目指す。

 この取り組みを通じて参画企業各社は、軽労化と栽培の最適化が可能な次世代のハウス栽培モデルを確立し、他の作物へ展開していくことで、ハウス栽培のスマート化を実現する。(クボタ)




【実証実験の概要】


開始時期:2021年7月

内容:ロボットやAI等の技術を活用したアスパラガス栽培作業の自動化・効率化。各ソリューションが収集するデータを相互利活用することによる新たなソリューションの創出

場所:Kubota Incubation Farm(クボタ イノベーションセンターによる実証実験専用ほ場)
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