“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「光・電波・電磁波の基本と応用がよくわかる本」(堀越 智、三谷友彦、樫村京一郎著/オーム社)

2021-11-30 09:39:39 |    電気・電子工学



<新刊情報>



書名:光・電波・電磁波の基本と応用がよくわかる本

著者:堀越 智、三谷友彦、樫村京一郎

発行:オーム社

 「電波」「光」とは何か? とても身近なこれらだが、いざ説明してと言われると、アンテナが…とか、太陽の光が…といったような、具体例以上には意外に説明できないのではないか。実は、「電波」や「光」は、「電磁波」と呼ばれる電気と磁気の変化を伝える「波」の一種であり、周波数や波長によって区別されているだけの同じもの。「電波」は3テラヘルツ以下の周波数の電磁波で、「光」は1ナノメートルから1ミリメートルの波長をもつ電磁波。同書は「電波」「光」って何だろう? という疑問に答えるように、「電磁波」(電波・光)の基本理論から性質、どのような経緯でこれらが発見され、区別されてきたかの歴史、そして応用例までを説明する。電磁波は「電磁気学」や「量子力学」を理論的な土台とするので、多少難しいところもあるが、高校卒業程度の知識で読み解けるようにまとめている。
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●科学技術ニュース●旭化成など、最少の実験回数で高い予測精度を与える汎用的 AI 技術を開発

2021-11-30 09:37:59 |    化学
 旭化成、三菱ケミカル、三井化学、住友化学、化学マテリアルズと物質・材料研究機構(NIMS)は、オープンプラットフォーム(化学MOP)からなる水平連携において、強度や脆さといった材料物性を機械学習で予測する際に、材料の構造から得られる情報を有効に活用し、少ない実験回数で、予測値と実値の誤差を小さくできる(予測精度の高い)AI 技術を開発した。

 これは、高分子材料をはじめとした材料開発の強力なツールになると期待される。

 これまでのマテリアルズ・インフォマティクス研究は、材料組成や加工プロセス(温度や圧力など)のパラメータから材料物性を機械学習で予測することで、材料開発を加速してきた。一方で、プロセス加工後の構造が材料物性に強く影響する場合、高い予測精度を実現するためには、構造情報を提供するX 線回折(XRD)や示差走査熱量測定(DSC)等の測定データの利用が有効。

 しかし、これらの測定データは、プロセス加工した材料に対して測定しないと取得できない。したがって、構造情報を利用して予測精度を向上させるには、研究者が設定可能な材料組成といったパラメータと、実測でしか得られないパラメータの異なる2つのパラメータを扱う必要がある。

 同研究では、XRD やDSC 等の実測でしか得られないデータを用い、なるべく少ない材料作製回数で正確に材料物性が予測できるように、作製すべき材料を適切に選定するAI 技術を開発した。

 作製すべき材料をベイズ最適化などの手法で選定し、測定したデータを加えて、AI による材料選定を繰り返す。

 同技術の有用性を示すための一例として、高分子材料であるポリオレフィンのデータベースを利用した。その結果、AI 技術の利用により、無作為に材料作製を進める場合と比べて、作製回数を少なくしても機械学習による材料物性の予測精度を向上できることを示した。

 同技術を利用して精度の高い予測が実現できると、材料の「構造」と「物性」の関係が明らかになり、物性の発現起源の明確化・材料開発指針の決定が可能となる。また、この技術はポリオレフィンといった高分子材料だけでなく様々な材料開発にも応用できる汎用的技術。

 そのため、材料開発のDX 基盤技術になると期待される。<旭化成>
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●科学技術ニュース●JAXA、21年度宇宙飛行士候補者募集

2021-11-30 09:37:21 |    宇宙・地球
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、日本人宇宙飛行士の活動の場が国際宇宙ステーション(ISS)や日本実験棟「きぼう」、そして月周回有人拠点「ゲートウェイ」や月面に拡がることを想定し、下記のとおり、新たな宇宙飛行士の候補者を募集する。

 未来を創造する宇宙飛行士の重要な役割を通じて、人類・社会への貢献を志す多様な方々の応募を期待。<宇宙航空研究開発機構(JAXA)>




1. 応募受付期間 :2021年12月20日(月)から2022年3月4日(金)まで
2. 採用人数:若干名
3. 募集要項:宇宙飛行士候補者募集特設サイトに掲載
            https://astro-mission.jaxa.jp/astro_selection/item/Application.pdf
4. 応募手続き:応募受付期間中に、エントリー専用のウェブサイトより必要書類を提出。各種情報については、以下の宇宙飛行士候補者募集特設サイトにて、順次案内する。
           https://astro-mission.jaxa.jp/astro_selection/
5. 選抜結果発表:最終選抜結果の発表は、2023年2月頃を予定。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「図解 よくわかる金属加工」(吉村泰治著/日刊工業新聞社)

2021-11-30 09:36:44 |    機械工学



<新刊情報>



書名:図解 よくわかる金属加工~原材料から金属製品ができるまで~

著者:吉村泰治

発行:日刊工業新聞社

 同書は、はじめて金属加工について学ぶ人にも理解できるよう、各加工法の解説だけでなく、鉱物から金属材料を経て製品になるまでの加工の流れをつかめるような構成とした。金属加工に欠かせない「金型」「設備」「測定・評価」についてもやさしく解説しているため、これ1冊で金属加工に関する基礎知識を網羅できる。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「イノベーションの未来予想図」(水野勝之、土居拓務編著/創成社)

2021-11-29 09:47:06 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:イノベーションの未来予想図~専門家40名が提案する20年後の社会~

編著:水野勝之、土居拓務

発行:創成社

 イノベーションは、どこを目指すべきなのか。提言だけでなく、大胆な未来予想も満載の1冊。
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◆科学技術<テレビ番組情報>◆NHK「サイエンスZERO」/BSフジ「ガリレオX」他

2021-11-29 09:46:27 |    ◆TV番組◆



<テレビ番組情報>




コズミック フロント  NHK‐BSプレミアム  毎週木曜日 午後10時~11時00分

12月2日(木) はやぶさ2帰還、そして旅立ち(選)

 探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウへの往復6年の旅から帰還。無事、サンプルを地球に届けた。困難の連続をどうやって乗り切ってきたか、栄光の軌跡をたどる。


地球ドラマチック  NHK‐Eテレ  毎週土曜日 午後7時~7時45分

12月4日(土) 地球まるごと観測! 生きものたちの2か月 11〜12月編

 11月から12月の2か月、季節の変化に伴って世界各地の動物たちはどう過ごしているのか。鮮やかなオレンジ色をした蝶のオオカバマダラは、メキシコで越冬。オーストラリアの海ではサンゴが産卵の時期を迎え、海の中は吹雪のような景色が広がる。北米の海岸ではゾウアザラシが縄張り争いを繰り広げ、オオカミの群れは雪深い森の中で獲物を追う。季節に合わせ、地球をふかんした自然番組。(オーストラリア2020年)


ガリレオX  BSフジ  毎週日曜日 午前11:30~12:00分(隔週新作)

12月5日(日) 木材の新たな活用方法(再放送)

 日本の国土の半分以上を占める森林、そのうち約40%は人工林だ。現在、その大部分は植林されてから約60年が経過し、「木材」として使用するのに適した大きさにまで成長している。しかし、木材の需要は植林された頃より減少しており、樹木は使われる時を待っている状態だという。そのような状態の日本の樹木が、ここ数年再び需要の高まりを見せ始めている。それは木材が世界的に求められる脱炭素に適した材料だと考えられているからだ。樹木は成長する過程で二酸化炭素を多く吸収するため、十分に成長したものは伐採し、再び植林することが求められているのだ。伐採した樹木を資源として有効に活用する新たな方法の研究も進められているという。いま注目される木材活用の最前線を探った。

主な取材先:原田 真宏(芝浦工業大学)
      上川 大輔(森林総合研究所)
      網野 禎昭(法政大学)
      三木 恒久(産業技術総合研究所)
      志村 史夫(ノースカロライナ州立大学 終身教授)
      天竜T.S.ドライシステム協同組合
      樽脇園
      吉本
      齋藤木材工業


サイエンスZERO  NHK‐Eテレ  毎週日曜日 午後11時30分~0時00

12月5日(日) 鳥の言葉を証明せよ! “動物言語学”の幕開け

 動物は言葉を操っているのか?長年解明しきれなかった謎に、ついに終止符が!鳥のシジュウカラが人間のように「単語」や「文章」を操り、会話をしていることが明らかになったのだ。これを世界で初めて証明したのが、軽井沢で16年におよぶ研究を続けてきた鈴木俊貴博士。きっかけを伺うと、なんとルー大柴さんが操る「ルー語」のおかげ、という驚きの事実が判明!見えてきた動物の言葉の世界と、研究の舞台裏をたっぷり紹介。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ロス・キニー論理回路」(C.H.Roth,Jr. 、L. L. Kinney 、E. B. John著/東京化学同人社)

2021-11-29 09:46:08 |    電気・電子工学



<新刊情報>




書名:ロス・キニー論理回路

著者:C.H.Roth,Jr. 、L. L. Kinney 、E. B. John

訳者:佐藤 証、三輪 忍、吉永 努

発行:東京化学同人社

 論理回路の標準講義で初学者向け教科書として有用。日本の教育現場に対応した内容構成。原著("Fundamentals of Logic Design<Enhanced 7th Edition>")は海外の多くの大学で採用される実績をもつ教科書。日本語版では、原著の良さを消さずに日本の教育現場の事情を考慮したさまざまな翻案を施した。回路設計のテクニカルな面よりも基礎に重点を置き、練習問題は訳者らが厳選したものを掲載するなどして、日本で標準的な半期15コマの授業で使いやすいコンパクトな大きさ・内容になっている。
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「いいかげんなロボット」(鈴森康一著/化学合人社)

2021-11-26 09:35:03 |    ロボット工学



<新刊情報>



書名:いいかげんなロボット~ソフトロボットが創るしなやかな未来~

著者:鈴森康一

発行:化学合人社(DOJIN選書)

 ・ヘリウムガスで膨らませた全長20メートルのロボットアーム・ゴムチューブを変形させて大腸内を自走するロボット・ゾウの鼻に学び大きな力を生み出すパワーソフトロボット。未来は硬くないロボットの出番。パワー、精密さ、効率を求めて、大きな成功を収めたロボット。産業界を中心に活躍しているが、赤ちゃんをやさしく抱きしめるといった行動はまだうまくできない。そんな、従来のロボットでは難しかった課題の解決にチャレンジする、ソフトロボットに注目が集まっている。いいかげんさやあいまいさを活用しようとする、従来のロボットとは逆の発想で生まれたロボット。同書ではソフトロボットの可能性を、さまざまな実例と最先端の研究とともにダイナミックに描き出す。未来を創る「いいかげんなロボット」の世界へようこそ!
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●科学技術ニュース●清水建設、「シミズ・シールドAI」によるシールド機自動運転に着手

2021-11-26 09:34:34 |    人工知能(AI)
 清水建設は、シールド工事の掘進計画の立案およびマシン操作の自動化を目的に開発したAI施工合理化システム「シミズ・シールドAI」を姫路市汐入川才西川放水路幹線建設工事(兵庫県姫路市)に導入し、初期掘進完了後の2022年3月からAIによるシールド機の自動運転を開始する。

 シールドトンネル工事は、建設工種の中では比較的、機械化が進んでいるものの、日々の掘進計画の検討やシールド機オペレーターへの掘進指示書の作成に多大な手間と時間を要しているのが現状。

 また、シールド機の運転時には、切羽圧力やシールド機の負荷状態など多数のデータを監視しながら最適な制御方法を判断しなければならず、オペレーターにかかる負担は少なくない。

 そこで同社は、AIを活用して日々の測量からシールド掘進機の操作までの流れを合理化するシステム「シミズ・シールドAI」を開発した。

 シミズ・シールドAIは、シールドトンネルの掘進計画を支援する「施工計画支援AI」と、シールド機の操作を支援する「掘進操作支援AI」の2種類のAIシステムから構成される。

 今回の導入現場では、日々の掘進作業終了時に取得する測量データをシミズ・シールドAIに展開し、2つのAIシステムの機能を連携させることで、掘進計画の立案からシールド機運転に至る一連の施工サイクルの自動化を図る。

 施工計画支援AIは、名古屋工業大学と共同開発したAIシミュレーションプログラムで、トンネルの計画線形に対するシールド機の掘進方法と形状の異なる複数のセグメントの割り付け方法について三次元でシミュレーションを繰り返し、得られた最適解を掘進計画として提示する。

 一方、掘進操作支援AIは富士通の協力を得て開発したもので、与えられた掘進計画を具現化する最適なジャッキパターンを予測する。<清水建設>
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●科学技術ニュース●NICT、実践的サイバー防御演習 CYDER「オンラインAコース」の提供を開始

2021-11-26 09:34:06 |    通信工学
 情報通信研究機構(NICT)は、実践的サイバー防御演習CYDERの「オンラインAコース」について、提供を開始した。

 同コースの提供により、時間的・地理的要因等で既存の演習への参加が困難であった方も、Webブラウザを搭載したパソコンとインターネット接続環境を用いることで、サイバーインシデント対応を自宅や職場から体験することが可能となる。

 CYDER(CYber Defense Exercise with Recurrence)「オンラインAコース」についての詳細等は、CYDER公式Webサイトにて確認のこと。<情報通信研究機構(NICT)>

< CYDERオンラインAコース 受講概要>

1) 受講可能期間: 2021年11月9日(火)〜2022年3月初旬予定
2) 想定受講時間: 事前学習 1時間程度 + 演習 1日間
3) 対象組織: 国の機関、地方公共団体、重要社会基盤事業者、民間企業等
4) 難易度: 初級レベル(CYDER集合演習Aコース相当)
5) 想定受講者: 情報システムに携わり始めたばかりの方、インシデントが発生した際の対応者、安全に情報システムを運用したい方、インシデントへの備えを学びたい方など
6) 受講費用: 国の機関、地方公共団体等に所属されている方・・・無料。上記以外の法人・団体に所属されている方・・・1受講 77,000円/人
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