“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「植物はなぜ毒があるのか」(田中 修、丹治邦和著/幻冬舎)

2020-04-30 09:54:38 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:植物はなぜ毒があるのか~草・木・花のしたたかな生存戦略~ 

著者:田中 修、丹治邦和

発行:幻冬舎(幻冬舎新書)

 トリカブトのようなよく知られたものだけではなく、じつは多くの植物が毒をもつ。例えばジャガイモは芽のみならず、未熟な状態や緑化した状態で毒をもち、毎年食中毒被害がおきる。それらは、芽や、成長に必要な部分を食べられないための植物のしたたかな生存戦略だった。過去10年の食中毒被害データを中心に、生き残るために植物がつくり出す様々な毒と特徴を紹介。また、古より植物の毒を薬に転じてきた人間の知恵と最新の医学情報まで、有毒植物と人間の関わりを楽しく解説。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「楽しく学ぶ破壊力学 」(成田史生、大宮正毅、荒木稚子著/朝倉書店)

2020-04-30 09:53:20 |    機械工学

 

<新刊情報>

 

書名:楽しく学ぶ破壊力学 
 
著者:成田史生、大宮正毅、荒木稚子 

発行:朝倉書店

 機械・材料系の破壊力学・材料強度学テキスト。〔内容〕材料の変形と破壊/孔まわりの応力は?/ひずみエネルギーと破壊/クラック先端の応力は?/クラックまわりの塑性変形/クラックに対する材料の抵抗/材料だって疲労する?/付録:理論強度ってなに?、八面体せん断応力ってなに?、J積分ってなに?

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「BIG NINE」(エイミー・ウェブ著/光文社)

2020-04-29 09:36:26 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:BIG NINE~巨大ハイテク企業とAIが支配する人類の未来~

著者:エイミー・ウェブ

訳者:稲垣みどり

発行:光文社

 同書の第一部では、AIとは何か、「ビッグ・ナイン(9つの巨大企業)」がその開発にどう携わってきたかについて見ていき、アメリカの6社(グーグル、マイクロソフト、アップル、フェイスブック、IBM、アマゾン=G‐MAFIA〈ジー・マフィア〉)、中国3社(バイドゥ、アリババ、テンセント=BAT〈バット〉)についてさらに詳述する。第二部では、特化型人工知能、汎用人工知能、スーパーインテリジェンスと進化を遂げていくAIのこれからの50年を想定した未来の姿を描いていく。楽観的なもの、現実的なもの、悲劇的なもの、という3つのシナリオを用意した。シナリオはデータをもとにしたまじめなものであり、AIがどのような進化を遂げうるか、その結果、私たちの生活がどのように変わりうるのかを垣間見ることができるだろう。第三部では、シナリオに出てくる問題に対する解決案を提供し、私たちが行動を起こせるよう、具体的な提案を用意している。

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●科学技術ニュース●JAXA、NICTとソニー、小型光通信実験装置「SOLISS」で宇宙と地上間の双方向光通信に成功

2020-04-29 09:35:36 |    通信工学

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)および情報通信研究機構(NICT)とソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)は、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟に設置した小型光通信実験装置「SOLISS」(Small Optical Link for International Space Station)とNICTの宇宙光通信地上局(光地上局)との間で双方向光通信リンクを確立し、Ethernet経由での高精細度(HD)画像データ伝送に成功した。これは、小型衛星搭載用の光通信機器としてEthernetによる通信を実現した世界初の事例。

 「SOLISS」は、2019年9月にISSの「きぼう」船外実験プラットフォームに設置され、その後、軌道上と光地上局との間で双方向光通信リンクを確立すべく、各種パラメータを調整しながら天候を踏まえつつ毎週一回程度の頻度で通信試験を行ってきた。

 その結果、2019年10月25日に光地上局への光ダウンリンク(指向制御)を確立し、2020年3月5日には「SOLISS」と光地上局との間で波長1.5µmレーザ光による双方向光通信リンクの確立に成功した。さらに3月11日には「SOLISS」から 100 MbpsのEthernetによる通信を用いてHD画像を光地上局で受信することに成功した。 

 JAXAとソニーは、JAXA宇宙探査イノベーションハブの研究提案の枠組みを利用して、将来の衛星間や地上との大容量リアルタイムデータ通信の実現を目指し、2016年より共同で研究を行ってきた。2017年からはソニーCSLが基盤研究を引き受け、JAXAとソニーCSLは長距離空間大容量データ通信を目的とする「SOLISS」を共同開発した。光通信部にはソニーが長年培ってきた光ディスク技術が使用されている。

 JAXAは、「きぼう」日本実験棟の有償利用制度を通じて、2019年9月に宇宙ステーション補給機「こうのとり」8号機にて「SOLISS」をISSへ送り届け、「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームにある中型曝露実験アダプター(i-SEEP)に設置した。(情報通信研究機構<NICT>) 

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「プラズマ分光法による環境試料の分析」(宮崎 章、藤森英治、田中 敦、吉永 淳著/アグネ技術センター)

2020-04-29 09:35:10 |    化学

 

<新刊情報>

 

書名:プラズマ分光法による環境試料の分析~ICP、DCP、MIP分析の基礎と実例~

著者:宮崎 章、藤森英治、田中 敦、吉永 淳 

発行:アグネ技術センター

 最近では、環境無機物質の分析には、吸光光度分析法や原子吸光分析法に加えて、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-AES)や誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)が広く使われている。同書では、「プラズマ分光法」として、ICP-AES、ICP-MSの他に、直流プラズマ(DCP)発光分析法、マイクロ波誘導結合プラズマ(MIP)発光分析法・質量分析法も加えて、プラズマを用いた大気、水質、土壌・底質、生体試料の分析法について、それぞれの分野の専門の研究者が執筆した。「プラズマ分光法」は、多元素を同時、あるいは逐次測定できるという吸光光度分析法や原子吸光分析法にはない長所があり、多くの測定項目を定量することが多い環境試料の分析には有用であると思われる。また、ガスクロマトグラフィー(GC)や液体クロマトグラフィー(LC)と「プラズマ分光法」との結合、並びにフローインジェクション法(FIA)、連続流れ分析法(CFA)の、いわゆる流れ分析法と「プラズマ分光法」との結合についても記述した。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ESG思考」(夫馬賢治著/講談社)

2020-04-28 09:33:37 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:ESG思考~激変資本主義1990-2020、経営者も投資家もここまで変わった~

著者:夫馬賢治

発行:講談社(講談社+α新書)

 2019年9月に開催された国連行動サミットでは、グレタ・トゥンベリの演説が注目を浴びた。欧米での積極的な反応にくらべ、日本国内では批判的な論調が強かった。しかし日本人に見えていない現実がある。世界の投資マネーはESG(環境<Environment>、社会<Social>、ガバナンス<Governance>)に向かって怒濤の勢いで流れているのだ。その額はおよそ3000兆円!製造業やIT系グローバル企業もぞくぞくとCO2削減目標を行動方針に掲げていることからわかるように、もはやESGとサステナビリティは世界の勝ち組企業の常識。これに対し、日本の取り組みは遅れが際立っている。日本人が今ひとつ理解できていないESGの教科書として、ビジネスパーソン必携。

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◆科学技術<テレビ番組情報>◆NHK「サイエンスZERO」/BSフジ「ガリレオX」他

2020-04-28 09:31:37 |    ◆TV番組◆

 

<テレビ番組情報>
 
 

NHK-BSプレミアム  コズミックフロント☆NEXT  毎週木曜日 午後10時~11時00分

4月30日(木) 日本人の暦を作った男 渋川春海(選)

 新天皇による一世一代の神事「大嘗祭」。実はこの日取り、江戸時代まで使われていた暦の決まりに従って定められている。その暦を作ったのが、渋川春海。本職は江戸幕府お抱えの囲碁棋士、天文暦学や算術にも通じていたまさに江戸の天文マニアだ。執念で「改暦」を成し遂げ、日本天文学の先駆けとなった。渋川春海の半生と史上初めて「日本の暦」を作り上げた秘密に時代劇ドラマで迫る。

NHK‐Eテレ 地球ドラマチック   毎週土曜日 午後7時~7時44分

5月2日(土) レッサーパンダ 子育ての物語~ヒマラヤの森の中で~

 愛くるしい表情で人々を魅了するレッサーパンダ。しかし現在、野生のレッサーパンダは絶滅の危機に瀕(ひん)している。番組では、出産間近のレッサーパンダ“タシ”に密着。巣穴に小型カメラを仕込んで定点観測し、出産から子育てまでの貴重な姿を撮影することに成功した。ヒマラヤの森、大自然の中で命を育むタシの姿を通して、レッサーパンダの知られざる生態に迫る。(ドイツ2018年)

 BSフジ ガリレオX 毎週日曜日 午前11:30~12:00分(隔週新作)

5月3日(日) 死後の世界を考えるを、考える(再放送)
 
 ヒトが他の生き物と異なるのは、死についてあれこれ考えられるという点だ。歴史上初めての葬儀の痕跡とされているものは、約6万年前のネアンデルタール人の骨の周辺に見つかった花粉で、死者に花が手向けられたと推測されているが、これには諸説ある。では現生人類のホモ・サピエンスの死の認識はいつから始まり、葬儀はいつから発生したのだろうか? 近代に入っても、死者の霊を自身の身体に憑依させて生者に伝える、青森県のイタコで有名な「口寄せ」巫女の活動などが身近にあった。一方、先端研究のひとつに、人間の意識を機械に移植し、脳が活動の終わりを迎えた後も、機械の中で生き続けるという「意識のアップロード」というものがある。脳に宿る意識の謎を解明し、いわば肉体の死後も意識だけ生き続けさせるというものだ。死後の世界を考え続けてきたヒトについて考える。

主な取材先:渡辺 正峰(東京大学) 
      大道 晴香(國學院大學) 
      内堀 基光(放送大学・一橋大学)

NHK‐Eテレ  サイエンスZERO    毎週日曜日 午後11時30分~0時00分

5月3日(日)  サイエンススタジアム2019 探検! 火山島“西之島”(アンコール放送)

 2013年に海底火山が噴火して以来、拡大を続ける小笠原諸島の「西之島」。新しい大地に上陸調査が行われた。溶岩だらけの島に生き物たちはどう進出するのか?生態系の発展を最初から観察できる“天然の科学実験室”だ。調査は発見の連続!専門家にも予想外の変化を見せた海鳥や昆虫たち。調査隊は謎を解く手がかりを探し、仮説を立てる。まさに科学のだいご味をリアルタイムで味わえる。世紀の冒険調査に密着!

ゲスト:森林総合研究所 主任研究員…川上和人

司会:小島瑠璃子、森田洋平

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「Linuxサーバ入門 <CentOS 8対応>」(⼤津 真著/インプレス)

2020-04-28 09:31:13 |    情報工学

 

<新刊情報>

 

書名:Linuxサーバ入門 <CentOS 8対応>

著者 ⼤津 真 

発行:インプレス

 同書は、ITプロを目指す初心者が、CentOS 8を通してLinuxのシステム管理とサーバ構築の基本操作を学習していくための入門書。普段はWindowsやmacOSといったウィンドウ環境を利用している方対象に、Linux(CentOS 8)におけるコマンドライン操作、ユーザー管理、パッケージ管理、ネットワークの基本設定、サーバーの管理・構築について、実際の操作を行いながら解説。同書を読み終えた段階で、CentOSでの基本的なシステム管理やWebサーバやファイルサーバの構築が行えるようになることを目指している。 

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「知りたい! ネコごころ」(髙木佐保著、岩波書店)

2020-04-27 09:31:36 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:知りたい! ネコごころ

著者:髙木佐保 

発行:岩波書店(岩波科学ライブラリー )

 ネコ好きの学生が勇猛果敢にも猫の心の研究に挑む…。2017年度京都大学総長賞を受賞した研究を語る。「何を考えているんだろう? この子…」ネコの心の研究を思い立った著者は、ネコが思い出をもつことや、簡単な現象について結果の予測をすることを初めて実験で明らかにする。研究のきっかけや実験方法の工夫、被験者(?)募集にまつわる苦労話など、エピソードを交えて語る。ネコ好き長年の謎に挑んだ「ニャン学ことはじめ」。 

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●科学技術ニュース●東大と理研、ビヨンド5Gに向けた超高速駆動・超高密度メモリ開発に道

2020-04-27 09:31:08 |    電気・電子工学

 東京大学 物性研究所の肥後 友也 特任助教、Tsai Hanshen特任研究員、東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻・物性研究所およびトランススケール量子科学国際連携研究機構の中辻 知 教授らの研究グループは、同研究所・同機構 三輪 真嗣 准教授、大谷 義近 教授、理化学研究所 近藤 浩太 上級研究員、東京大学 大学院工学系研究科の野本 拓也 助教、有田 亮太郎 教授らと共同で、反強磁性体中において、幻の粒子「ワイル粒子」の電気的制御に成功し、ワイル粒子の作る巨大電圧信号を利用した不揮発性メモリの動作原理を実証した。

 反強磁性体はスピンの応答速度が強磁性体に比べて2~3桁早いピコ秒オーダーであるため、メモリ素子に反強磁性体を用いると、超高速の情報処理を行える可能性がある。

 この超高速性はビヨンド5Gに必要とされる性能であり、すでに応用されている強磁性体を用いた不揮発性メモリでは到達不可能な領域。また反強磁性体では、スピンの方向が互いにキャンセルするように秩序するため、漏れ磁場がなく、大容量メモリ素子を作製できる。このように反強磁性体の利用は、IoT時代のビッグデータ処理に不可欠な省電力・超高速駆動・超高密度な次世代メモリの開発にブレークスルーをもたらす。

 同成果の鍵となる「ワイル粒子」は、1927年の提案以来、ニュートリノなどの素粒子を記述すると考えられていたが、自然界では未だに存在が確認されていない幻の粒子。しかし、2015年に物質中での存在が確認されて以降、それが持つさまざまな量子的性質に世界中で大きな関心が集まっている。特に、磁性体中のワイル粒子は結晶の乱れなどに強靭であり、かつ、巨大な電圧信号を示す。従ってワイル粒子の電気的な制御は不揮発性メモリなどへの応用において不可欠な開発要素であった。(科学技術振興機構<JST>)

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