「所蔵作品展第2部 サトウ画廊 1955-1981」 千葉市美術館

千葉市美術館千葉市中央区中央3-10-8
「所蔵作品展第2部 サトウ画廊 1955-1981 - 若く、熱い日々 - 」
2006/12/11-2007/1/14



「草間彌生・荒川修作・篠原有司男」展と同時開催中の展覧会です。共通のチケットで入場することが出来ます。

「サトウ画廊」とは、1955年に銀座にオープンし、1981年にその役目を終えた、主に同時代の現代アートを取り扱っていた画廊です。千葉市美術館では1991年、画廊主の佐藤友太郎氏から計407点の美術品の寄贈を受けました。この展覧会では、その一部、30名の作家による計110点が紹介されています。さすがに一画廊の所蔵品ということで、コレクションにはかなりクセがあるようにも見受けられましたが、まずは掘り出し物を探すような感覚で楽しみました。

渡辺恂三の抽象画がなかなか印象的です。白のキャンバス地に、クラインブルーをも彷彿させる青みが、まるで魂のように浮遊しています。また、通称「グロッタ展」と呼ばれた企画展の作品には強いインパクトが感じられました。これは、美術評論家の東野芳明が1957年、ボッシュやグリューネヴァルトなどの「グロテスク」なイメージを喚起させる画家に倣って、4名の日本人作家を取り上げたグループ展です。小山田二郎や河原温らのビックネームも登場していました。ちなみに東野芳明は一昨年末に亡くなりましたが、現代美術だけでなく幅広く美術全般を論じた高名な評論家です。その名もズバリ、「グロッタの画家」という著作も残しています。



この展覧会で最も記憶に残ったのは中村宏の二作品でした。特に「望遠鏡列車」(1965)は鮮烈です。一見しただけで、その摩訶不思議な世界観に取り込まれてしまいます。MOTで開催される大個展(中村宏 - 図画事件)が待ち遠しくもなる作品です。

私が出向いた時はあいにくの天候だったせいか、会場の入りは全くお寒い限り(2、3名ほどしかおられませんでした。)でしたが、所蔵品を上手く見せることに長けた同美術館ならではの良い展覧会だと思います。明後日、14日までの開催です。(1/6鑑賞)

*関連エントリ
「所蔵作品展第1部 特集展示 草間彌生・荒川修作・篠原有司男」
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
サトウ画廊 (あべまつ)
2007-01-13 17:30:30
こんにちは。
ここの画廊とは、遠いご縁があって、
佐藤氏のお力を頂いていた馬場彬氏と、
我が家は遠縁に当たります。
千葉市美術館に慌てて息子を連れて行ってきました。
この時代の人々に光を当ててくれた佐藤氏と千葉市美術館に感謝しました。
はろるどさんのようにご覧頂けることも本当に嬉しいことです。
 
 
 
Unknown (はろるど)
2007-01-14 00:22:45
あべまつさんこんばんは。
早速記事を拝見させていただきました。
ご実家に飾られていた作品と対面なさるなど素晴らしいですね。
400点以上もご寄付なさったとのことですが、
千葉とどのようなご縁があったのでしょう。
ちょっと不思議でした。

>はろるどさんのようにご覧頂けることも本当に嬉しい

恐縮です。
ただ、もっと多くの方に見ていただきたいような内容かと思いました。
昭和の良き香りのする展覧会です。
 
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