コルボ&ローザンヌ声楽アンサンブル「ロッシーニ;小荘厳ミサ」 LFJ2008

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 熱狂の日音楽祭2008
公演番号443

ロッシーニ 小荘厳ミサ

ソプラノ 谷村由美子
アルト ヴァレリー・ボナール
テノール ピエール=イヴ・テテュ
バス ファブリス・エヨーズ
ピアノ サイモン・サヴォイ
ハルモニウム ボリス・フリンゲリ
合唱 ローザンヌ声楽アンサンブル
指揮 ミシェル・コルボ

2008/5/5 13:00 東京国際フォーラムホールC(マイアーホーファー)



コルボを聴かないと「熱狂の日」に来た気分になりません。毎年、高水準の演奏を披露するお馴染みのコンビ、コルボ&ローザンヌ声楽アンサンブルの「小荘厳ミサ」を聴いてきました。

ピアノとオルガンの一種であるハルモニウムのみのシンプルな伴奏が、ローザンヌ声楽アンサンブルの合唱の魅力をより引き出すことに繋がっていたかもしれません。ミサ曲でありながら、例えば牧歌的なグラティアスや、オペラのワンシーンさえ思い起こすクイ・トリスなど、どことなくドラマテックに展開するこの曲を終始リードするのは、もちろん透き通るように美しい同合唱団の歌声でした。繊細なピアニッシモをシルクの肌触りのような滑らかな声で実現する女声陣と、力押し過ぎない抑制的な男声陣がとりわけフーガの掛け合いなどで巧みに絡み、ロッシーニの甘美なミサ曲をまさにピュアな質感で表現していきます。また各ソリストで特筆すべきは、コルボの秘蔵っ子としても知られるという、(公演冊子より。)ソプラノの谷村由美子です。ホールの隅々まで行き渡る太く逞しい歌声にて、例えば第13曲の「敵激しく戦いを挑みたければ」などのフレーズを、劇的に難無く歌い上げてしまいます。また谷村ともう一人の女声、アルトのヴァレリー・ボナールも充実していました。アニュス・デイで可憐に響いていたミゼレーレの歌声を忘れることは出来ません。

「ロッシーニ:小荘厳ミサ曲/コルボ/ローザンヌ声楽アンサンブル」

最後に伴奏を務めた、サイモン・サヴォイの刹那的なピアノ演奏も、この公演を成功に導いた立役者として挙げおくべきでしょう。前奏曲の叙情性は見事です。空間を高らかに駆けるような煌めく高音がホールへ静かに染み渡っていました。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (アガキー)
2008-10-16 00:43:25
ああ、思い出した。ラフォルジュルネ。
ノリのいいミサ曲だった、みんな肩でリズムをとっていた、楽しかった。今年、一番のみものでした。
 
 
 
Unknown (はろるど)
2008-10-16 22:32:50
アガキーさんこんばんは。コメントありがとうございます。

リズム感の良いミサでしたね。本当に楽しい思い出でした。
 
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