「もてなす悦び展」 三菱一号館美術館

三菱一号館美術館
「もてなす悦び ジャポニスムのうつわで愉しむお茶会」
6/14-8/21



ジャポニスムの潮流の元、イギリスやアメリカで創られた陶磁器やガラス、それに銀食器などを展観します。三菱一号館美術館で開催中の「もてなす悦び ジャポニスムのうつわで愉しむお茶会」へ行ってきました。

構成は以下の通りです。

プロローグ:あさがおの間
第1部:欧米の世紀末を彩った日本
 1.ジャポニスムの到来
 2.ジャポニスムの茶会
第2部:もてなしの品々が誕生するまで
 3.イギリス陶磁器界の創意工夫
 4.アメリカの銀器が写した日本の自然
エピローグ:私だけのジャポニスム


19世紀後半、いわゆるジャポニスムの時代に西洋で生み出された陶磁器などが約230点ほど登場していました。


ウースター窯「色絵菊文鉢」18世紀

さて冒頭の「あさがおの間」の掴みが抜群です。ここではティファニーのガラスなど、朝顔のモチーフに因んだ器がいくつか並んでいます。そもそもアメリカでは朝顔が菊よりも日本の花として認知されていたこともあったそうですが、透明感に満ちたガラスに浮かび上がる水色の朝顔の姿はとても涼し気です。エメラルドグリーンに染まる器など、それこそ目で涼をとることが出来ました。


ミントン社「桜椿文カップ&ソーサー」1882年頃

一号館のメインスペース、3階の大広間がこれほど華やいで見えたことはありません。欧米では半ば暮らしの定番の習慣、アフタヌーン・ティー、つまり茶会の様子が、テーブルセッティングを再現する形で艶やかに展示されています。

もちろんここで一切のケースはありません。(つまり露出展示です。)このテーブルセッティングは料理評論家の青木かずこさんが手がけられたそうですが、様々な器はもちろんのこと、意匠にとんだテーブロクロスなど、まさしくこの大広間を飾るに相応しいインスタレーション的構成で楽しむことが出来ました。

またこの大広間では壁面に飾られた小品にも要注目です。さりげなくボナールのリトグラフが出ていたのは心憎いところですが、私として一推しにしたいジョセフ・ペネルのエッチング、「テムズ河」です。テムズの川面に浮かぶ小舟等、どこか靄にかすんだロンドンの光景が幻想的に描かれています。ここは惹かれました。

華やかな茶会を経由すると、今度は当時のイギリスにおいて、どのようにこうした陶磁器が作られたのかを解明する展示へと続きます。その核となるウィリアム・ロウの一連の水彩画が震災の影響により不出品、つまりは複製での紹介となっていたのは残念でしたが、日本の紋様を取り入れたミントンやロイヤルウースターの器はなかなか見応えがありました。


ティファニー商会/エドワード・C・ムーア「瓢箪文酒ポット」1880年

銀器の出品は陶磁器と比べるとやや少なめです。展示後半、アメリカで制作された銀器を紹介するコーナには、日本を示すお馴染みのモチーフ、蜻蛉がいくつか登場しています。蜻蛉といえばガレを思い起こさせますが、こうした銀器にも取り入れられたとは知りませんでした。

ラストでは西洋におけるジャポニスム受容が如何に多様であったかを見ることが出来るような展示と言えるかもしれません。謎めいた大仏が登場するブックエンドなど、日本人から見るとやや珍奇とも映る品々も並んでいました。この辺もまたジャポニスムの面白いところではないでしょうか。


ロイヤル・ウースター社「伊万里写ティーセット」1881

また全体を通して、西洋のジャポニスム受容において、日本の伝統的な紋、例えば花鳥紋や草花紋の存在などが大きな役割を果たしているように思えました。そうした日本の図像を経由して、あくまでも西洋人の感性に合う日本の姿が生み出されていったのかもしれません。

なおこの出品の品々はほぼアメリカ在住の美術蒐集家、ミヨコ&ジョン・デイヴィー夫妻より譲り受けたコレクションとのことです。会場では夫妻のコレクションの経緯なども紹介されていました。

チラシのイメージからしてもどこか楽し気ですが、実際にも色とりどりの器がずらりと並んだ、とても華やかな展覧会でした。

8月21日まで開催されています。

「もてなす悦び ジャポニスムのうつわで愉しむお茶会」 三菱一号館美術館
会期:6月14日(火)〜8月21日(日)
休館:月曜日。但し7/18、8/15は開館。
時間:10:00〜18:00(火・土・日・祝)、10:00〜20:00(水・木・金)
住所:千代田区丸の内2-6-2
交通:東京メトロ千代田線二重橋前駅1番出口から徒歩3分。JR東京駅丸の内南口・JR有楽町駅国際フォーラム口から徒歩5分。
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