「鎌田友介:D Structure」 児玉画廊 東京

児玉画廊 東京
「鎌田友介:D Structure」 
1/21-2/25



児玉画廊東京で開催中の鎌田友介個展、「D Structure」へ行ってきました。

歪んだフレームを持ち込んで空間の表情を変化させた昨年秋のグループ展、「THINKING ABOUT STRUCTURE」で印象深かった方も多いかもしれません。

今回も鎌田は同じく歪んだガラスケースやサッシ、それに窓枠といった建築的素材を用い、「破壊」をキーワードにして、一つのインスタレーションを作り上げました。

ともかく会場に入ってまず目に留まるのが、まさに「破壊」ならぬ、そうした素材のひしゃげた、また割れた姿です。

何層かに組上げられた直方体のガラスケースのガラスにはいくつもひびが入り、また時にすっぽり抜け落ちて単なるフレームと化しています。そしてそれこそ闖入と言うべきほど唐突に中に入っているのが、古びたバットです。そしてケースにはぐちゃぐちゃになった粘土の塊がドサッと置かれています。

バットに対して粘土は従属的です。積まれたケースはまるで人の居なくなったビルの林立する都市の廃墟ようでもありました。

透明アクリルのパネルに風景を取り込んだ「Images of Oblivion」は強烈です。パネルには何やら無数の風景写真が半ばコラージュ風に貼られていますが、そのいずれもが完全な「破壊」、おそらくは先の震災を捉えたものでした。

破壊の痕跡は断片的になりながらも、決して消えることなく、それこそガラスにこびり付くかのように強く残っていました。

4つの立方体のサッシを連ねた「D Structure」の歪みはどこか猟奇的な印象すら与えはしないでしょうか。破壊は時に暴力を伴います。ぐにゃりと曲がり、所々黒ずんだサッシ、そしてそのスパッと切れたフレームの断面などを見ていると、それこそ背筋がゾッとするような恐怖感を覚えました。

さて鎌田は明日、2月3日(金)より資生堂ギャラリーで始まるアートエッグでも個展が始まります。

「第6回shiseido art egg 鎌田友介」@資生堂ギャラリー 2月3日(金)~26日(日)

ここ白金と銀座での二展示です。資生堂では天井高もあるホワイトキューブをどう歪ませるかに期待したいと思います。

2月25日まで開催されています

「鎌田友介:D Structure」 児玉画廊 東京
会期:1月21日(土)~2月25日(土)
休廊:日・月・祝
時間:11:00~19:00
住所:港区白金3-1-15 白金アートコンプレックス1階
交通:東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅3番出口より徒歩10分。東京メトロ日比谷線広尾駅1番出口より徒歩15分。
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