2017年11月に見たい展覧会

早いもので、今年も残すところ、あと2ヶ月となりました。この秋は、上野の森美術館の「怖い絵」、東京国立博物館の「運慶展」、そして京都国立博物館の「国宝展」に人気が集中し、いずれも連日、長蛇の列が発生しています。

特に話題沸騰の「怖い絵」は、会場のキャパシティの問題もあり、11月3日(金・祝)には、3時間半にも及ぶ行列が起きました。凄まじい混雑が続いています。

先月に見た展覧会の中では、愛知県美術館の「長沢芦雪展」が圧倒的に印象に残りました。まだ感想を書けていませんが、師の応挙の作品を参照しつつ、小品から代表作までを網羅した、実に見応えのある内容でした。「虎図」でも知られる、無量寺の襖絵の再現展示も見事でした。

千葉市美術館の「鈴木春信展」も充実していました。既に千葉での展示は終了しましたが、11月から名古屋ボストン美術館、来年春には、あべのハルカス美術館へと巡回します。そちらでも是非、おすすめしたいところです。

11月に見たい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・「戸谷成雄ー現れる彫刻」 武蔵野美術大学美術館(〜11/11)
・「妹島和世 SANAA × 北斎」 すみだ北斎美術館(~11/12)
・「フランス人間国宝展」 東京国立博物館(~11/26)
・「長島有里枝 そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」 東京都写真美術館(~11/26)
・「三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館」 渋谷区立松濤美術館(~11/26)
・「皇室の彩 百年前の文化プロジェクト」 東京藝術大学大学美術館(~11/26)
・「フェリーチェ・ベアトの写真 人物・風景と日本の洋画」 DIC川村記念美術館(~12/3)
・「シャガール 三次元の世界」 東京ステーションギャラリー(~12/3)
・「没後50年特別展 龍子の生きざまを見よ!」 大田区立龍子記念館(11/3〜12/3)
・「典雅と奇想ー明末清初の中国名画展」 泉屋博古館分館(11/3~12/10)
・「表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち」 パナソニック汐留ミュージアム(~12/20)
・「知られざるスイスの画家 オットー・ネーベル展」 Bunkamuraザ・ミュージアム(~12/17)
・「没後70年 北野恒富展」 千葉市美術館(11/3~12/17)
・「田原桂一『光合成』with 田中泯」 原美術館(~12/24)
・「没後60年記念 川合玉堂ー四季・人々・自然」 山種美術館(~12/24)
・「デンマーク・デザイン」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(11/23~12/27)
・「パリ♥グラフィックーロートレックとアートになった版画・ポスター展」 三菱一号館美術館(~2018/1/8)
・「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」 東京都美術館(~2018/1/8)
・「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」 森アーツセンターギャラリー(11/1~2018/1/8)
・「北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」 国立西洋美術館(~2018/1/28)
・「フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」 サントリー美術館(11/22~2018/1/28)
・「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」 森美術館(11/18~2018/4/1)

ギャラリー

・「第4回CAF賞作品展」 代官山ヒルサイドフォーラム(〜11/5)
・「江川純太 Overdose」 eitoeiko(〜11/19)
・「GRAPH展」 クリエイションギャラリーG8(~11/22)
・「超絶記録!西山夘三のすまい採集帖」 リクシルギャラリー(~11/25)
・「Takeshi MURATA展 Living Room」 山本現代(〜11/25)
・「鏡と穴ー彫刻と写真の界面 vol.5 石原友明」 ギャラリーαM(〜12/2)
・「ムン&チョン フリーダム・ヴィレッジ」 SCAI THE BATHHOUSE (11/11〜12/16)
・「政田武史展」 The Mass(11/18〜12/17)
・「THE EUGENE Studio 1/2 Century later.」 資生堂ギャラリー(11/21~12/24) 
・「マリメッコ・スピリッツ」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(11/15~2018/1/13)
・「ヤン・フードン The Coloured Sky: New Women 2」 エスパス・ルイ・ヴィトン東京(〜2018/3/11)

まずは日本画です。日本画家、川端龍子の特別展が、大田区立龍子記念館で開催されます。



「没後50年特別展 龍子の生きざまを見よ!」@大田区立龍子記念館(11/3〜12/3)

今年、没後50年を迎えた川端龍子の回顧展は、この夏にも行われ、山種美術館では「川端龍子ー超ド級の日本画」が開かれました。まさに「超ド級」の名に相応しく、横7メートルの「香炉峰」や、同じく大画面の「鳴門」など、迫力のある作品も少なくなく、常に新たな絵画表現へを切り開こうとする、龍子の旺盛な創造力に圧倒されたものでした。

今回は龍子ゆかりの記念館での特別展です。同館のみならず、生誕の地の和歌山のほか、他館のコレクションを交えての回顧展となります。また同時代の画家の作品や、龍子が自宅の持仏像に納めていた仏像も公開されるそうです。


龍子記念館といえば、隣に旧アトリエを保存した龍子公園もあります。合わせて観覧するのが良いかもしれません。

チラシ表紙のコピー、「画壇の悪魔派」に興味を引かれました。千葉市美術館で「没後70年 北野恒富展」が始まります。



「没後70年 北野恒富展」@千葉市美術館(11/3~12/17)

明治13年に金沢で生まれた北野恒富は、10代にして上阪し、挿絵画家として名を馳せたのち、美人画の日本画家として活動しました。大正期には、東京の鏑木清方、京都の上村松園らと並び称されていたそうです。


没後70年を記念しての大回顧展です。出展数は171件と膨大ですが、前後期で入れ替えもあります。(前期:11月3日~11月26日 後期:11月28日~12月17日)まずは早めに出かけるつもりです。

最後は現代美術です。アルゼンチン生まれのアーティスト、レアンドロ・エルリッヒの個展が、森美術館で行われます。



「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」@森美術館(11/18~2018/4/1)



エルリッヒの作品としてよく知られるのは、金沢21世紀美術館にある「スイミング・プール」です。同館の開館10周年の際には、「レアンドロ・エルリッヒーありきたりの?」(2014年)展が開催され、「スイミング・プール」はカタログの表紙も飾りました。


レアンドロ・エルリッヒ「Window and Ladder - Leaning into History」 *窓学展にて

また最近では、スパイラルガーデンの「窓学」展において、宙に浮いたような窓型のインスタレーションを出展し、一部で話題も集めました。


世界でも過去最大規模の個展だそうです。しかも出展中の8割が日本初公開です。時にトリッキーな仕掛けも少なくないエルリッヒの作品のことです。きっと驚きと発見の多い展覧会になるのではないでしょうか。

それでは今月も宜しくお願いします。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« 「怖い絵展」... 雨の中のお伊... »
 
コメント
 
 
 
開催日程 (通りすがり)
2017-11-03 23:48:12
アート巡りの参考になるので、日々UPされるのを楽しみにしております。
TOTOギャラリー・間は現在休館中で
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展は
1月24日(水)~ 3月18日(日)でないでしょうか?
万が一に間違えて行かれないようにコメントさせて頂きました。
 
 
 
Unknown (はろるど)
2017-11-04 18:40:10
@通りすがりさま

初めまして。ご指摘ありがとうございます。
何を見たのか、会期を思いっきり間違って表記してしまいました。
該当部分を削除致しました。

お手数をわずらわせてしまい大変失礼いたしました。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。