「天明屋尚展 『Made in Japan』」 ミヅマアートギャラリー 9/30

ミヅマアートギャラリー目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2階)
「天明屋尚展 『Made in Japan』」
9/6-10/7

ミヅマアートギャラリーで開催中の「天明屋尚展 Made in Japan」を見てきました。お馴染みの野武士イメージのドローイングから、屏風、掛軸、杉戸絵まで、その多彩な制作を楽しめる充実した個展です。

古めかしい杉戸(100年前のものだそうです。)に描かれた二点のアクリル画からしてぶっ飛んでいます。タイトルは「漢字紅葉図貝羅富異帝杉戸絵」(2000)。金地に朱の交じる紅葉が描かれた「大和魂一匹狼」と、同じく金地にまさしく琳派風燕子花の配された「一撃必殺特攻隊」が、何やら暴力的な荒々しさを醸し出して展示されていました。ちなみにこの作品は、それぞれ大和魂云々と、一撃必殺云々が、おどろおどろしい梵字風の漢字によって表現されたものです。だからこそ「漢字紅葉図貝羅富異帝杉戸絵」、つまり「漢字グラフィティ杉戸絵」という名が与えられている。また「一撃必殺」にある燕子花が光琳風ではなく、やや伸びやかな抱一風であったのも嬉しいところです。

トレーシングペーパー制の掛軸、「Transparent Scroll」(2006)も、天明屋の簡潔でかつ精緻なデッサン力を味わうことが出来ます。縦160センチ、横3メートルの大作「Made in Japan」と合わせて、刀を構える上半身裸の男性美とその魂を楽しむことが出来ました。

高さ30センチほどの透明アクリル板を屏風に仕立てた「輪廻転生図」(2006)も見応え十分です。鶴や亀、それに麒麟や鳥などの、それこそ江戸絵画にでも登場するかのような動物たちが、半ばコラージュされるかのようにしてランダムに描かれています。そして宙を舞う、まるで体操しているような全裸の男性。奇妙なモチーフがパラレルワールドを描いていました。

絵画の「武闘派」を名乗る天明屋氏ですが、それからイメージされる半ば物騒な迫力よりも、手仕事を思わせる徹底したディテールへのこだわりや、古の武士への郷愁、またはその背景に見られるスマートなダンディズム的美学に面白さがあるかと思います。今週土曜日までの開催です。

*天明屋さんと言えば、話題となった2006年ドイツ・ワールドカップの公式アートポスターを思い出します。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
ム! (lysander)
2006-10-03 23:58:38
コレハイカネバ
 
 
 
Re.ム! (はろるど)
2006-10-05 23:04:44
こんばんは。

これは必見です!

併設の池田学さんも是非お忘れなく!
 
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