「2017年 見逃せない美術展」 日経おとなのOFF

締めくくりの12月。1年を振り返りながらも、そろそろ来年の展覧会の情報が欲しい時期です。「日経おとなのOFF」の最新号にて「2017年 見逃せない美術展」が特集されています。



「日経おとなのOFF2017年1月号」
http://trendy.nikkeibp.co.jp/off/index.html

巻頭で大きく取り上げられたのは「バベルの塔」です。言うまでもなくブリューゲルの最晩年の傑作。来年4月の「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル バベルの塔」(東京都美術館)で展示されます。(国立国際美術館へ巡回。)期待されている方も多いのではないでしょうか。

続くのは「スラヴ叙事詩」でした。ミュシャがチェコとスラヴの歴史を描いた大作です。最大では6メートル×8メートル。その数、20点です。全て揃って来年3月の「ミュシャ展」(国立新美術館)で公開が予定されています。もちろん初めての来日です。



思いの外に読み物として充実していました。例えば「バベルの塔」では「名画で辿る旧約聖書の創世記」と題し、各物語を絵画とともに紹介。中野京子先生の監修によるギリシャ神話の特集や、スラヴ叙情詩の全場面解説なども読み応えがあります。展覧会の予習にもぴったりでした。

以降は、暁斎、アルチンボルド、雪村、そしてアドルフ・ヴェルフリをピックアップ。いずれも来年、話題となりそうな展覧会ばかりです。



「日本美術鑑賞のツボ」も興味深い。茶碗、仏像、古文書、そして何かと話題の日本刀の見どころをそれぞれ紹介しています。茶碗では樂家当代の樂吉左衛門氏にインタビューしているほか、仏像では運慶・快慶に着目し、東博の学芸部の浅見氏が解説。古文書の「解読術」も専門的です。突っ込んだ内容でした。

「知られざる美術展の舞台裏」では、三菱一号館美術館の高橋明也館長が展覧会の準備についてガイドしています。ほかでは、必ずしも身近とは言えない美術品の修復や搬送などについてのコーナーも目を引きました。



山下裕二先生と山田五郎さんの対談も来年の美術展の展望するのに有用です。そしておまけは3点。美術展名画カレンダーと若冲のクリアファイル、さらに2017年の展覧会を網羅した美術展ハンドブックが付いています。何かと重宝しそうです。



ハンドブックに掲載された展覧会は興味深いものばかりですが、あえて私のセレクトで15展ほどあげてみました。

「特別展 雪村」@東京藝術大学大学美術館(3/28〜5/21) *MIHO MUSEUM(8/1〜9/3)
「草間彌生 わが永遠の魂」@国立新美術館(2/22〜5/22)
「シャセリオー展ー19世紀フランス・ロマン主義の異才」@国立西洋美術館(2/28〜5/28)
「特別展 快慶」@奈良国立博物館(4/8〜6/4)
「特別展 茶の湯」@東京国立博物館(4/11〜6/4)
「ミュシャ展」@国立新美術館(3/8〜6/5)
「大英自然史博物館展」@国立科学博物館(3/18〜6/11)
「ヴォルスー写真、絵画、エッチング」(仮称)@DIC川村記念美術館(4/1〜7/2)
「ブリューゲル バベルの塔展」@東京都美術館(4/18〜7/2) *国立国際美術館(7/18〜10/15)
「怖い絵展」@兵庫県立美術館(7/22〜9/18) *上野の森美術館(10/7〜12/17)
「アルチンボルド展」@国立西洋美術館(6/20〜9/24)
「ボストン美術館 浮世絵名品展 鈴木春信」@千葉市美術館(9/6〜10/23) *名古屋ボストン美術館(11/3〜2018/1/21)ほか巡回。
「長沢芦雪展」@愛知県美術館(10/6〜11/19)
「特別展 運慶」@東京国立博物館(9/26〜11/26)
「特別展覧会 国宝」@京都国立博物館(10/3〜11/26)

いかがでしょうか。おそらく最も注目されるのはミュシャ、そしてバベル、アルチンボルドです。日本美術ではまず快慶と運慶。奈良と東京での2会場での開催です。さらに蘆雪や雪村も控えます。草間彌生の個展も人気を集めそうです。



既にアナウンスがありながら、ハンドブックには載っていないものもありました。以下も私が今から楽しみにしている展覧会です。

「藤森照信展ー自然を生かした建築と路上観察」(仮題)@水戸芸術館(3/11~5/14)
「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」@東京国立近代美術館(3/14~5/21)
「安藤忠雄展ー挑戦」@国立新美術館(9/27~12/18)
「レアンドロ・エルリッヒ展」(仮題)@森美術館(11/18〜2018/4/1)
「石内都 肌理(きめ)と写真」@横浜美術館(12/9~2018/3/4)

この「日経おとなのOFF」と、来年1月発売予定の「美術の窓」(2月号)の「今年の展覧会」特集で、ほぼ一年間の展覧会のスケジュールを把握することが出来ます。まずは書店でお手にとってご覧下さい。

「日経おとなのOFF/2017年絶対に見逃せない美術展」

「日経おとなのOFF2017年1月号」 日経BP社(2016/12/6) 目次一覧(一部)
[2017年絶対に見逃せない美術展]
 ・ブリューゲルの傑作「バベルの塔」がやって来る
 ・ギリシャ神話を知れば名画がもっと楽しくなる
 ・ミュシャ「スラヴ叙事詩」って何だ?
 ・世界ビックリ画家選手権(ボス、暁斎、アルチンボルド、雪村、ヴェルフリ)
 ・江戸時代の人気絵師対決!(京VS江戸)
 ・西洋に浸透した北斎の底力
 ・コレクターたちの草間彌生論
 ・ライバルズ!すごいのはどっち?(レオナルドVSミケランジェロ)ほか
 ・日本美術鑑賞のツボ(茶碗/仏像/日本刀/古文書)
 ・科博は「芸術」を超えたアート館だ(大英自然史博物館VS国立科学博物館)
 ・知られざる美術展の舞台裏(高橋明也三菱一号館美術館館長)
 ・美術展のウラ側
 ・井上涼さんに教わる 目からウロコの美術館賞術
 ・2017年にヒットする美術展はどれだ!(山田五郎×山下裕二)
 ・3大付録(若冲クリアファイル/2017年名画カレンダー/必見の美術展ハンドブック)
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日経おとなのOFF 2017年1月号 ( 北海道美術ネット別館)
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