「ダレン・アーモンド個展」 SCAI

SCAI THE BATHHOUSE台東区谷中6-1-23
「ダレン・アーモンド個展」
11/14-12/20



2005年にはターナー章にもノミネートされています。作家が月明かりのもと、日本各地で撮影した作品を紹介します。ダレン・アーモンドの新作写真展へ行ってきました。

何の予備知識を得ずに見たので、まるでモノクロームのような色の薄い海や森林の景色は、昼間にしては随分と寒々しく、また暗鬱であるように思えましたが、実際には前述の通り、月明かり、ようは夜間に長時間露光して捉えられた作品でした。とすれば、言ってしまえばこのどことない不健康でかつ幻想的な趣にも納得が出来るというものではないでしょうか。岩の迫り出す海はあくまでも静かにたゆたい、また森にはうっすらと白む靄がかかっています。極めて厳かでした。

しかしながら霧に包まれた静かなる木立とは言え、例えば等伯の水墨を思わせるような世界はまるで存在しません。木々の葉や岩石、また海の質感は相当細かく抉り出されている上、そもそも構図自体からして実に西洋絵画的です。また海を長時間露光して捉えたというと、杉本の海景なども思い出しますが、ここに海が半ば抽象ミニマル化して一種の瞑想を誘う思弁的な様相を見ることは出来ませんでした。あくまでも彼の写真の中では海は水であり、木は植物という事物としてあるわけです。

次の土曜、20日までの開催です。
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