「窪田美樹 DESHADOWED - かげとり」 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリー中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階)
「第2回 shiseido art egg 窪田美樹 DESHADOWED - かげとり」
1/11-2/3



今年も始まっています。昨年に引き続いての「shiseido art egg」です。357名の応募より選ばれた若手アーティスト3名が、約3週間程度ずつ、順に個展を開催していきます。第一弾は窪田美樹でした。

いきなりで恐縮ですが、上に挙げた作品画像は一体何に見えるでしょう。実際、これが会場入口、階段下すぐのスペース、つまりは鑑賞者にとって作品に出会う一番初めの場所に置かれているわけですが、私にはともかくどこか謎めいた、何らかのシュールな木彫のオブジェであるとしか認識出来ませんでした。そしてその後、これらを構成する素材を知った時、他では味わいにくい驚きを知ることになったのです。以下、ネタバレ的要素を含みます。まずは会場へ足を運んでみて下さい。私の拙い感想など後回しで結構です。

実際、これらを構成していたのは、家具、つまりは既存のどこでもあり得る椅子やキャビネットなどでした。窪田はそれを解体し、また新しく組み合わせることで、全く異なった趣きのモノへと再生させています。丁寧に切り取られた椅子の断面は、まるでレントゲンをかけた人体のような生々しさすら漂わせていますが、パステル色の彩色があたかもその趣きを中和するかのように仄かに照っていました。地の木目、そしてそれと溶け合うかのような色彩、または表面に開かれた面自体に組み込まれた角材などと、ともかく複雑怪奇で多面的な表情を見せる作品です。そしてただ一つ、これらが家具であったことを伝えてくれるのは、インスタレーションとして構成された展示空間のみでした。作品の過去を見知った時、不思議と空間全体がリビングと化したかのような印象を与えてくれるのです。



2月3日までの開催です。なお、第2回「art egg」は以下、槙原泰介展(2/8-3/2)、彦坂敏昭展(3/7-3/30)と続きます。

*関連エントリ(昨年のart egg)
平野薫『エアロゾル』
水越香重子『DELIRIUM』
内海聖史『色彩に入る』
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
第二弾も楽しみ (ogawama)
2008-01-31 23:40:50
「作品」の裏側の製造元ラベルを見て、なんかじーんとしました。
加工した木の質感が繊細でしたね。
どこからああいう発想が出てきたのでしょう。
 
 
 
Unknown (はろるど)
2008-02-01 21:49:48
ogawamaさんこんばんは。
本当にびっくりするような作品ですよね。
発想もまた面白いのですが、出来た作品がまたよく作り込まれていて感心しました。職人ですね。
 
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