都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「荒木経惟 東京人生」 江戸東京博物館
江戸東京博物館(墨田区横網1-4-1)
「荒木経惟 東京人生」
10/17-12/24
生まれも育ちも東京(三ノ輪生まれ。世田谷区在住。)の荒木経惟が、現在進行形で撮り続ける東京の全てを明らかにしました。街とともに生きるアラーキーの人生が写真によって紡がれていきます。一種のモノローグです。
一口に東京といえども、そこに展開されている写真世界は実に多種多様です。1960年から70年代にかけての東京の街角から、今年の夏に撮影されたという新作の「色夏」シリーズ(何とデジカメです。)の作品まで、どれも被写体に人懐っこく近づき、さらにはバシャバシャと手早くおさめていく荒木の姿が目に浮かぶものばかりでした。それにしても、例えば遊び回る子どもたちや妖艶な女性など、人々がそれぞれに秘めていた魅力をどんどん露にしていく様子は、見ていて恥ずかしくなってしまうほど痛快です。いつも彼の作品を見る時、不思議と逆に写真から心を覗かれているような印象を受けますが、今回はさらにその思いを強くしました。どうやらアラーキーの写真は、まさに見る者すら裸にしてしまうようです。ここに、構えて鑑賞するなどと言うような遠慮は全くをもって意味をなしません。その写真の語り口にいつ間にやら飲まれてしまうのです。
「東京人生SINCE1962/荒木経惟/バジリコ」
今回の展示で非常に心に残ったのは、亡くなられた荒木の妻、陽子夫人を捉えた作品でした。特に、彼女とのあまりにも早かった別れを有り体に写した一連の写真群は、その悲しみが心へと強く突き刺さってきます。ベットの脇にて握りしめ合う二人の手の写真は衝撃的でした。愛する者と永遠に別れることの恐ろしさが、殆どの慈悲を示すことなくただ淡々と無情に示されています。荒木の妻への想いを鑑みた時、その重みは私の言葉では表すことは出来ません。体が震えました。
常設展示室のチケットで入場可能です。今月24日まで開催されています。(12/3鑑賞)
「荒木経惟 東京人生」
10/17-12/24
生まれも育ちも東京(三ノ輪生まれ。世田谷区在住。)の荒木経惟が、現在進行形で撮り続ける東京の全てを明らかにしました。街とともに生きるアラーキーの人生が写真によって紡がれていきます。一種のモノローグです。
一口に東京といえども、そこに展開されている写真世界は実に多種多様です。1960年から70年代にかけての東京の街角から、今年の夏に撮影されたという新作の「色夏」シリーズ(何とデジカメです。)の作品まで、どれも被写体に人懐っこく近づき、さらにはバシャバシャと手早くおさめていく荒木の姿が目に浮かぶものばかりでした。それにしても、例えば遊び回る子どもたちや妖艶な女性など、人々がそれぞれに秘めていた魅力をどんどん露にしていく様子は、見ていて恥ずかしくなってしまうほど痛快です。いつも彼の作品を見る時、不思議と逆に写真から心を覗かれているような印象を受けますが、今回はさらにその思いを強くしました。どうやらアラーキーの写真は、まさに見る者すら裸にしてしまうようです。ここに、構えて鑑賞するなどと言うような遠慮は全くをもって意味をなしません。その写真の語り口にいつ間にやら飲まれてしまうのです。
「東京人生SINCE1962/荒木経惟/バジリコ」
今回の展示で非常に心に残ったのは、亡くなられた荒木の妻、陽子夫人を捉えた作品でした。特に、彼女とのあまりにも早かった別れを有り体に写した一連の写真群は、その悲しみが心へと強く突き刺さってきます。ベットの脇にて握りしめ合う二人の手の写真は衝撃的でした。愛する者と永遠に別れることの恐ろしさが、殆どの慈悲を示すことなくただ淡々と無情に示されています。荒木の妻への想いを鑑みた時、その重みは私の言葉では表すことは出来ません。体が震えました。
常設展示室のチケットで入場可能です。今月24日まで開催されています。(12/3鑑賞)
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« ロベルト・ア... | モーツァルト... » |
こないだTVで写真を観てびっくりです。
奥さんとの写真、こちらも凄かったです。
遺体になった彼女の写真とか・・・
衝撃的で、でもどこか物語的な
お返事が遅れまして失礼しました。
>奥さんとの写真、こちらも凄かったです。
遺体になった彼女の写真
あれはとても重かったですよね。
ただ私には奥様のご遺体を写されたものよりも、
ここで書いた手を握る作品がとても心に突き刺さりました。
忘れられない一枚になりそうです。