Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

フォルクスオパー「メリーウィドー」14.12.2007

2007年12月15日 06時19分42秒 | Weblog
寒くなりました。天気予報は「冬っぽい」という単語を使っていました。昼に少し雪が降り、一日ずっと気温0度くらいです。今週いっぱい続きます。

今日は気が進まないまま、メリーウィドーを観にいってきました。
行ってみると新しい演出になっていて、以前の演出にみられたごちゃごちゃした感じがなく、わかりやすい動きと舞台になっていました。2幕はフランスの絵画を思わせるような舞台と衣裳で、とても好感が持てました。

この作品は、数年前に大阪市のワークショップでオルガという役を演じ、本番もやったわけですが、それ以来、今日が初めて見るメリーウィドーでした。

実際観てみて、一番大きく感じたのは、「こうもり」のそれよりかなりセリフを日本語で表現するのが難しいなと思ったことです。例えば「Nie」「Nie?」「Nie!」「Nie~?」「Nie!!!」と「ニー」つまり一度もないという言葉をつかって何度も応酬するのですが、これが一言だからおもしろい。日本語だと何になるんだろう?「絶対愛しているとは言わない。」「絶対?」「絶対。」「ぜ~ったい?」「そう絶対。」「ぜったいのぜったい?」「ぜったいってゆったらぜったいや」と私の頭のなかではだんだん大阪弁になってしまう。

それと、今までこういう「こうもり」「メリーウィドー」はじめ、「ウィーン気質」なんかもそうだけど、いつも感じるのは、演者が、一目見てその階級がわかる歩き方をしている。または身のこなしをしている。これが日本では難しい。
つまりぱっとみて、「お嬢さん」か「銀座勤め」かそれもママか下っ端か、判断できるようなもの。

今日も、上流階級の奥様方と、マキシムのカンカンを踊るお嬢さんがたとでは、舞台にでた瞬間、その動きから違いがわかった。出ているフェロモンが違う。ちょっとした腰の動きや、手の動かし方でわかるのだ。立ちかた一つでも違う。毎回同じ人がやっているわけではない。ある歌手はここでは上流階級の役、ほかでは下町の女、ちゃんと演じ分けてる。演劇界ではあたりまえのことなんだろうけど。でも、これが着物だったら「ごりょうさん」と「女中」の違いってもう少し自然にできるのかな?それにしても、いい作品なのにお客さんが少なかったのが残念でした。(いまいち盛り上がりに欠けます。)

演出Daniel Dollé
舞台Daniel Dollé
指揮Michael Tomaschek
バレンシエンヌMartina Dorak
ハンナUrsula Pfitzner
シルヴィアーネLidia Peski
オルガManuela Culka
プラスコビアSulie Girardi
ツェータParisJosef Luftensteiner
ダニロFrank Larsen
ニェグスGerhard Ernst
カミーユPavel Cernoch
カスカーダDaniel Strasser
ブリオッシュThomas Tischler
ボクダノビチDavid Busch
クロモフWolfgang Tomsits
プリチッチAlfred Werner
コメント
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