函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

お墓の草取り

2017年07月10日 08時37分21秒 | えいこう語る

▼北海道も30度を超える猛暑が続いている。先日、海岸を上半身裸で散歩していたら、背中が軽い火傷をしたようでひりひりする。サーファーたちの日焼けは健康的だが、私のような70歳近くになる者は、炎天下に裸では干上がってしまいそうだ。真夏の海岸散歩は、妻の日傘でもさして出かけなければならないようだ。婆さんのような爺さんになってしまった気分だ。

▼日差しが弱くなった夕方、お墓の草取りに妻と出かけた。この頃のお墓は大きくて立派だ。普段高齢者が多く、人口減少が続く寂しい田舎だが、墓地は高級住宅地の様相を呈してきた。なんとも不思議な現象だ。一昔前までは、お墓に行くとカラスが集まってきたが、今はお供え物など一切持ち帰らなければならないので、カラスもその状況を認識したのか、飛んでこない。これもなんだか寂しい状況だ。

▼水を汲むに行くと、私より少し若い奥さんが、古いお墓の前の草を取っていた。明治38年戦没とあり、名前は今は私の地域には住んでいない名だ。親戚の方ですかと尋ねると「関係ないけど、戦争で死んだ人だもの、草が伸びているからかわいそうだべさ」と草を取る手も休めず話してくれた。

▼墓の前がきれいになったので、私はその墓に水をたっぷりかけてやった。112年前、お国のために出兵し、異国の地で命を落とした。「若くて死んだもの、かわいそうだべさ」という、やさしい奥さんに話しかけられ、お墓はなんだか喜んでいるように私は思えた。

▼先日、津軽海峡を中国の軍艦が通過した。日露戦争ではバルチック艦隊が対馬海峡を通過したが、津軽海峡通過も予想されていたという。NHKの大河ドラマ「坂の上の雲」で、203高地のロケ地となったのは、その津軽海峡を見下ろす、私の地域から30キロほど離れた、戸井地区の山だった。

▼そんなことも思い出しながら「憲法改正」という歴史的事象が迫っている我が国が、二度と戦争が起きないようにしなければならないと、日露戦争戦没者のお墓に手を合わせた。

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