函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

判断のつかない問題もある

2017年04月30日 09時34分33秒 | えいこう語る

▼新聞のある記事について、妻と話し合ったが、なかなか判断がつかない。1993年の北海道南西沖地震。大津波に襲われ、さらに大火になった奥尻島での出来事だ。3月、58歳の副町長の再任が、議会で否決された。再任するためには、副町長の妻(町職員)の辞職が条件だという。そこで町長が、その妻に退職を促し、妻が退職願を提出したことで、今度は議会が、全会一致で副町長の再任を可決したというものだ。

▼男女雇用機会均等法がある。この基礎になるものが憲法第14条だ。「すべての国民は、法の下に平等であって、人権、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない」。町長や議会までが、この法律に違反していやしないだろうか。

▼小さな田舎町だ。副町長も妻も役場で働いていれば、相当高額な給与をもらっているだろう。法律は法律として、妻を退職させ、若い者の雇用をした方がいいのではないかと、田舎ではそう考えがちだ。夫が副町長になった時点で、妻が退職するのが常識ではないかというのも田舎の常識だ。だが、これでは女性蔑視で、平等などというのに程遠い。

▼この町では大災害後、膨大な災害復旧工事に絡み、当時の町長が、収賄容疑などで逮捕された事件があった。7期目の町長のワンマンぶりと町長としてふさわしくない行動は、私にも聞こえていたぐらいだ。私の記憶が確かなら、両陛下が震災見舞いに訪れることになった時「こんな忙しい時期に来るなんて迷惑だ」というような、発言をしたという記憶がある。

▼私の妻の意見はこうだ。男女平等になってほしいと思うが、男女平等は日本ではまだまだ馴染まないのではないか。夫が副町長になった時点で、妻が役場に勤務していること自体、狭い地域では白眼視される。私なら、その時点で退職するという。男女平等は正当な権利だが、地域の常識とかけ離れていたら「郷に入らば郷に従う」のが一般的というものではないかというのが、団塊世代の妻の意見だ。

▼妻の意見の方が、この島の町の常識なのだろう。だがこの常識が、逮捕された町長を生む、土壌なのかもしれない。私の村でも、かつて首長選挙で村が真っ二つになり、我が国で初の、二人の候補が選挙違反で逮捕されるといった事実がある。そこには、犯罪だとわかっていても、相手がするとこちらもという、仁義なき戦いが始まるのだ。四年に一度の選挙五輪が終わると、神隠しにでもあったように、静かで平穏な村の生活が始まるのだ。

▼離島での小さな事件に見えるが、実は民主主義にかかわる重要な問題を多くはらんでいる。さらに現実に迫る憲法改正へ、国民がどのように考えているか、解説するには地域社会の方が格好の材題だ。この問題、新聞各社の社説で、ぜひ解説してほしいものだ。

▼新聞のある記事について、妻と話し合ったが、なかなか判断がつかない。1993年の北海道南西沖地震。大津波に襲われ、さらに大火になった奥尻島での出来事だ。3月、58歳の副町長の再任が、議会で否決された。再任するためには、副町長の妻(町職員)の辞職が条件だという。そこで町長が、その妻に退職を促し、妻が退職願を提出したことで、今度は、議会が全会一致で副町長の再任を可決したというものだ。

▼男女雇用機会均等法がある。この基礎になるものが憲法第14条だ。「すべての国民は、法の下に平等であって、人権、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない」。町長や議会までが、この法律に違反していやしないだろうか。

▼小さな田舎町だ。副町長も妻も役場で働いていれば、相当高額な給与をもらっているだろう。法律は法律として、妻を退職させ、若い者の雇用をした方がいいのではないかと、田舎ではそう考えがちだ。夫が副町長になった時点で、妻が退職するのが常識ではないかというのも田舎の常識だ。だが、これでは女性蔑視で、平等などというのに程遠い。

▼この町では大災害後、膨大な災害復旧工事に絡み、町長が収賄容疑などで逮捕された事件があった。7期目の町長のワンマンぶりと町長としてふさわしくない行動は、私にも聞こえていたぐらいだ。私の記憶が確かなら、両陛下が震災見舞いに訪れることになった時「こんな忙しい時期に来るなんて迷惑だ」というような、発言をしたという記憶がある。

▼私の妻の意見はこうだ。男女平等になってほしいと思うが、男女平等は日本ではまだまだ馴染まないのではないか。夫が副町長になった時点で、妻が役場に勤務していること自体、狭い地域では白眼視される。私なら、その時点で退職するという。男女平等は正当な権利だが、地域の常識とかけ離れていたら「郷に入らば郷に従う」のが常識というものではないかという、団塊世代の妻の意見だ。

▼妻の意見の方が、この島の町の常識なのだろう。だがこの常識が、逮捕された町長を生む、土壌なのかもしれない。私の村でも、かつて首長選挙で村が真っ二つになり、我が国で初の、二人の候補が選挙違反で逮捕されるといった事実がある。そこには、犯罪だとわかっていても、相手がするとこちらもという、仁義(常識)なき戦いが始まるのだ。四年に一度の選挙オリンピックが終わると、神隠しにでもあったように、静かで平穏な村の生活が始まるのだ。

▼離島での小さな事件に見えるが、実は民主主義にかかわる重要な問題を多くはらんでいる。さらに現実に迫る憲法改正へ、国民がどのように考えているか、解説するには格好の材題だ。この問題。新聞各社の社説で、ぜひ解説してほしいものだ。

▼「民主主義を理解するなら村に住め」というのが、私の持論だからだ。