カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

奥島孝康先生。

2024-05-02 15:20:23 | Weblog
5月1日に奥島孝康先生が都内足立区の病院でご逝去されたらしい。行年85歳でいらっしゃった由。今はなき旧8号館3階の大教室で受けた先生の会社法の授業を懐かしく思い出す。先生が大学入学直後に岩波新書を一冊ずつ順繰りに全巻読まれて非常に勉強になったと語られていたことや、初め若手法学者として勢いのあった西原春夫先生の下で刑法を勉強しようと志されるもいろいろ熟考された結果大野實雄先生の下でフランス商法を勉強されることにしたというお話など、いろいろ思い出す。先生、ありがとうございました。心からお悔やみを申し上げます。
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4月10日の短歌メモから。

2024-05-02 03:41:07 | Weblog
執行告知が前日に行われて最後の晩餐が許された時代の刑務官の密かな苦悩を件(くだん)のメガカツカレーで描いてみた短歌など。

石焼き芋つつみし東スポ畳まれありぬ 死刑囚(きみ)出でたるあとの独居房隅に

塀外をいつも通りゆく石焼き芋がずつと夢でしたとあの晩語りき君は

石焼き芋大ぶりの一本があの晩の君の晩餐になりぬ東スポに包(くる)まれて

一口ひとくちを慈しむやうに食べてゐた君は君の罪を命で贖ふ

罪贖ふに命差し出だせる方法が本当に正解か 誰にもわからず

その罪が人らを殺めしものなれば命を以て贖はす以外の解を誰も知らず

柩車一台未明の門より出でてゆく 後は遺品を整理するのみ

独居房に新たな囚人来るまでの静寂(しじま)を通る石焼き芋の声

刑務官の休日幾年経ても慣るることなし 頬張り食ふべしメガカツカレー

誰に乞ふ赦しの儀式か 只管(ひたすら)に運び続くるカレーのスプーン
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