カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

霜月晦日。

2016-11-30 17:50:52 | Weblog
気付いたら、もう霜月晦日。ということは、五日前は憂國忌だった。今年、四十七回忌。

ほほゑみに肖てはるかなれ霜月の火事の中なるピアノ一臺/塚本邦雄

この一首は〈三島事件〉を受けて詠まれたと言われている。不世出の詩人は不世出の小説家を〈ピアノ〉に仮託したのだ。火に包まれた〈ピアノ〉がハチャメチャに断末魔の澄んだ音を立てている光景。光景のおぞましさの一方、はるかな〈ほほゑみ〉の哀しさが、読み手の心をしみじみと打ってくる、忘れがたい作品。
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修司忌。〈昔の短歌メモから〉

2016-11-27 12:33:24 | Weblog

詞書:わたし(この「わたし」は私ではない。)がお后さまの気付け用のワインをグラスに注ぎ、お盆に載せてお城の廊下を通りかかったとき、《ちょっと失礼、そこのあなた》と男はわたしを呼び止めた。《毒見せなあ、いかんでしょ》とわたしのお盆のグラスを奪い、立ったまま一気にあおった。そしてすぐに昏倒した。傍らに居たもう一人の男が慌てて《春山、春山》と声を掛けて男の肩を揺すったがぴくりとも動かない。倒れた男のコートのポケットからは、《寺山修司全歌句集》の文庫本が零れ落ちそうになっていた。時刻は五月四日午後九時二十分。

五月四日ならずものに毒盛られ春山君死す 奇しくも修司忌

 

 

 


ワルツ1ページ目。28日は姪っ子の誕生日。

2ページ目。
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昨晩は。

2016-11-26 17:23:05 | Weblog

昨晩は、非常に久しぶりにNHKホールのNHK交響楽団定期演奏会へ。井上道義さん指揮のオール・ショスタコーヴィチ・プログラム。『ロシアとキルギスの民謡による序曲』『ピアノ協奏曲第1番』『交響曲第12番』。どの演奏も非常に素晴らしかったです。
コンサートからの帰り道、開店12周年記念キャンペーン中の代々木のカレーの名店LION SHAREさんに、久しぶりに寄り道。

久々に頂いたLION SHAREさんの名物キーマカレー。近頃は代々木へ足を向ける機会がなかなかなくてずっとご無沙汰してしまいました。本当に十年ぶりぐらいに突然ポンと寄らせて頂いたのに、オーナーのYさんは私のことをしっかり覚えていてくださり恐縮してしまいました。絶品のおいしいキーマカレーを頂いて、Yさんの四歳のお子さんにもご挨拶させて頂きました。

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けふ。

2016-11-25 15:52:30 | Weblog

休みのけふの昼御飯。割烹さいとうで食事を終えて〈さあ、会計だ〉とひとりごちて席を立ち上がってお店のひとに声をかけると、相席の目の前の眼鏡のスーツが〈○○君?俺、△△だよ〉とこちらを見上げて話し掛けてきた。〈え!?△△、△△?え、△△!?〉と顔を見ると、たしかに、高校のクラスメイトの△△だった。△△は今日は職場の人間ドックで、その帰りに食事しに偶々さいとうへ来たらしい。向かい合って相席で食事をしながらさっぱり気付かなかったことにお互いにびっくりし思わず笑ってしまった。なにせ卒業以来30年ぶりぐらいの再会で、そもそも気付けたことがなんとも奇跡的で、びっくりした。どうやら、お店のひとへの私のしゃべりが昔と変わっていなかったので、声をかけてくれたらしい。店を出てから駅までの道中、久しぶりに懐かしい話に盛り上がった。

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昔の短歌メモから。

2016-11-25 07:05:27 | Weblog

「美しき夜へと逝つてしまはれたKさんを悼んで」
(2007/12/19)

その夜を美しき夜と思へども ベラ・バルトークの手書きの譜面

パヴァロッティの歌ふベルリオーズの「レクイエム」流してラジオは側溝に消えたり

扉上の窓より書庫にもぐり込む ダンテは夕方の欅に凭れて

美しき夜に鳴りたるオルゴール サミュエル・バーバーの弦楽アダージョ

この夕べラジオ局から流さるる暗くて寒きニュースのことども

まろやかにホットミルクの膜は立つ 祈りはいつもこの天空に

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今朝。

2016-11-24 07:50:03 | Weblog

どういうわけか、昨晩来チャイコフスキーの悲愴交響曲のなかの〈激しい雪嵐の情景〉の音楽が繰り返し頭の中で鳴っています。しごと前に葛根湯を服みつつ、最近とかく増えている天変地異のことを思いながら、降り積もる初雪の寒さにぷるぷると身を震わせています。。

雪。

チャイコフスキー交響曲第6番『悲愴』第1楽章50小節~。
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今朝は。

2016-11-22 23:45:54 | Weblog

今朝は、ゆるやかで長い揺れのなかで目が覚めた。ラジオを点けると〈津波警報〉発令のニュースが繰り返し流されていて、思わず五年前の春を思い出した。あらゆる自然界、宇宙、世界を統べている〈存在〉があるとして、〈そこ〉からの、どうであってもあの強烈な教訓を忘れてはならない、というメッセージなのだろう、と感じた。

 

 

 


ヴァイオリンのための〈小さな星へ〉。

メモ。先日、偶々、谷根千散歩中のカリフォルニア州立大学のT先生(ご専門は近代日本文学研究。)とお話しする機会に恵まれた。先生が、文京区向丘2丁目の願行寺さんの墓地の中澤家墓所には女優池内淳子さんが眠っていらっしゃいますねとお話しされたので、願行寺墓地には芥川龍之介の養母儔さんの親類の細木香以(森鴎外が史伝『細木香以』を書いた際に、芥川龍之介と事実確認のやりとりをしている)さんのお墓もありますねと申し上げたら、ほお、そうなんですね、と先生は興味深げに仰有った。
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昨晩は。

2016-11-20 07:22:47 | Weblog
昨晩は、しごとから帰って、デーヴィッド・ジンマン指揮NHK交響楽団演奏会のラジオ中継にチューニングを合わせ、後半のシューマン第三交響曲『ライン』を丸々聴くことができた。メイン州ハンコックのピエール・モントゥー指揮学校でかつて指揮を学んだ指揮者の皆さんが、現在軒並み八十代というのは、学校を主宰したモントゥーが五十二年前に亡くなったことを考えたら当然なのだが、しかし、若々しい指揮を続けるデーヴィッド・ジンマンが八十歳というのには本当に驚いてしまう。『ライン』の演奏は、各声部が鮮やかに印象深くよく聴こえてきて面白く素晴らしかった。
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目が覚めて。

2016-11-20 04:59:31 | Weblog
目が覚めたので、枕近くのフォークナーの『響きと怒り』を手に取りぱらぱら開いて適当なページを読む。世界は実にいろいろなことがありすぎる。


朝方の水はコップ一杯に満ちてゆく 窓辺通る巡査の自転車の音
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作曲家の俳句。

2016-11-17 11:40:09 | Weblog
 作曲家早坂文雄氏の『室内のためのピアノ小品集』(全音楽譜、2002年)を見ていて、ふと目に留まった巻末の早坂氏の年譜の文言―「1944年5月5日水原秋桜子と知りあい、以後句作指導を受けた」。号は、「飛鳥男」だったそうです。作曲家には、どういうわけか「俳句」を本格的にやられる方がおられるようです―不思議なことに「短歌」ではなくて「俳句」です。高浜虚子のご子息の池内友次郎氏とか、松村禎三氏とか。早坂氏がいったいどんな俳句を詠まれていたのか、その俳句は氏の音楽観とどのように関連していたのか、いろいろ興味をひかれます。
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