カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

早朝の。

2024-01-30 03:28:04 | Weblog

早朝の胸奥で弦楽オーケストラがこそりと鳴ったので、取り敢えずメモしてみた。今日もこれから仕事。

杖突きし諭吉の背中が消えてゆく第七十八国立銀行

リュックの重みが諭吉の背を苦しめてゐたらし 行員に背中揉ませて

物資とお金はこれで充分でせうか 諭吉の杖凭るる頭取室ソファー

町が壊滅する程の揺れでした 窓の外を通りゆく数多の死者たち

死者たちは大浴場へと入つてゆく 長旅疲れと傷癒やすため

河渡る大きなる靴 靴のなかに諭吉のリュックと物資とお金

靴の船頭は鬼面被りし頭取一人  あちら岸に待つ婆に渡河賃わたして

靴の船はいつの間にか頭取の靴になる 頭取の鬼面もいつしか消えて

日本銀行前の歩道に点々とこぼれて続く 靴からの水

頭取は靴よりの水こぼしつつ日本橋河岸の青き船に入る

 


譜面メモ。

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昼間の仕事中。

2024-01-28 04:52:32 | Weblog
昼間の仕事中、薬を服用しても鼻水が頻りに垂れてきて目の痒みも半端なく苦しいいちにちだった昨日は、明治39年生まれの父方祖父の誕生日だった。祖父は、昭和19年に満州国牡丹江市北区東聖林街で腸チフスと肺結核の合併症のため亡くなった。


今日もこれから仕事。
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三階へと運ばれた。

2024-01-26 01:18:14 | Weblog
先日、そろそろ書き込めるページの無くなりかけた五線ノートの新しいものを買いたくて、有明方面へ出る用事のついでに、非常に久しぶりに銀座YAMAHAビルへ立ち寄った。売り場のある三階へ上がるため、一階からエスカレータに乗っていくと、途中の二階には、以前は豊富な品揃えを誇る広大なCD売り場があったはずも、フロア改装のため封鎖中となっていた。世の中的にCDが売れなくなって大きな売り場をこれまでのように維持できなくなったのかもしれない。ええええ、そうなのか、そうなのか、と思った。かつて豊かに確かに存在した文化の一つの生々しい終焉の現場を思いがけなく目撃してしまったような戸惑いと寂しさとを覚えた。そのまま静音運転のエスカレータは私を三階へと運んで行った。
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明治法律学校。

2024-01-23 21:05:04 | Weblog
元治元年生まれの母方高祖父については、不確かな言い伝えながら、明治大学の前身明治法律学校に一期生として入学し学び卒業した、との話があった。先日、国会図書館でいろいろな調べものをしていたとき、偶々、明治大学卒業生の古い名簿史料を見つけ、それを早速調べてみたところ、次のことがわかった。

明治大学の前身明治法律学校の最初の卒業生は明治15年卒業だが、そこに高祖父の名前はなかった。

高祖父の名前は明治21年12月卒業のところに記載があった。卒業後の職業欄は「市吏員」となっていた。おそらく、明治19年に設立された明治法律学校の2つの学部(法律学部と行政学部)のうちの行政学部に一期生として入学し学び二年掛けて卒業したのかもしれない。名簿にそこまでの詳しい学部記載がなかったけれども、そう考えるのが、言い伝えの「一期生」との整合性を取る上で唯一の方向性のような気がしている。とは申せ、材料が少な過ぎて、まだまだ正直なところ、良く分からない。
ただし、ふた親を幼くして亡くした高祖父の勉学が相当に苦学であっただろうということは容易に想像できる。それだけは確かなことである。

2ページ目。
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20日。

2024-01-20 06:25:19 | Weblog
1月20日の朝を迎えた。今年も20日を経過した。元旦から悲劇的な大災厄が起こって被害に遭われた方々のことを思うといつも心が重たい。いつも心のどこかで1日も早い平安の訪れを祈り続けている。

トゥガン・ソヒエフさんの指揮された最近のNHK交響楽団演奏会の2つのラジオ番組の録音を繰り返し聴いている。フランスものとロシアもの。どちらも凄く素晴らしい演奏。

今日もこれから仕事。
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ハ長調。

2024-01-19 07:23:22 | Weblog
指揮者角田先生のシベリウス交響曲第7番に関するツイートに、〈サイモン・ラトル曰く“the most depressed C major in all of music literature”のハ長調。〉の一文があって、ほおお、と思った。

土曜夜から日曜昼間にかけて予報されている雨が雪になりませんように、と祈りつつ結ぶ靴紐。
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ラフマニノフのピアノ。

2024-01-19 05:56:26 | Weblog

1943年にアメリカで癌のために亡くなったラフマニノフが1932年から1942年頃までビバリーヒルズの自宅に置いて弾いていたスタインウェイのピアノが、2020年に東京へ運び込まれ、調律師高木氏の手による1年を掛けてのひとつひとつの部品修理修復を経て、見事にラフマニノフ在世当時の在りし日の音を蘇らせて、現在様々なコンサートに供されているという話を聴くたび、このピアノの辿ってきたであろう数奇なる運命のことを様々に想像する。多分、ラフマニノフの死後、ビバリーヒルズの自宅は早々に整理処分されて、あまたの愛用品愛蔵品はラフマニノフがスイスのルツェルンに建てた広壮な別荘へ移されたのだろうけれども、ピアノは弾く人もなくずっと別荘隅に置かれていたのかもしれない。かつて開高健氏は自身の聴覚記憶に基づいて人生を俯瞰する長大な『耳の物語』を綴られたが、このピアノを主人公にした重厚な物語も出来そうな気がする。

これから仕事。

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万城目先生の。

2024-01-18 18:07:06 | Weblog
万城目学先生の直木賞ご受賞のニュース記事に触れて、かつて万城目先生の著作を熱心に追い掛けていた時分のことを唐突に思い出した。昨今の読書生活といえば、偶々古本を手にしたことから登場人物キャラもストーリーも凝りどころも独特の北森ワールドにすっかり魅入られてしまい、鬼籍に入られてしまって新作に出会うことはもはや叶わねども、遅れてきた何とやらで北森鴻先生のご生前に発表された著作ばかりを追い掛けていた。一方、万城目先生はお元気でご存命なので、今後も新作発表が楽しみ。なんと言っても、万城目ワールドの最大の魅力は、独特で不思議な世界観を1ミリも破綻させることなく、突飛で奇想天外なストーリーとして飛翔展開させて見事に着地させる、先生独自の練達の筆の運び。とか御大層に偉そうに言いつつ、そういえば実は、最近文庫化されたという大作小説『ヒトコブラクダ層戦争』のことも全く知らなかったというのはちゃんちゃらおかしい。万城目先生の作品が好きです、と恥ずかしげもなく宣いながら肝心の情報に疎いのはマズイ、と青褪めて、早速万城目先生の最新作品リストをチェックし出したところ。
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瞑目暗澹。

2024-01-18 05:24:05 | Weblog
戯れ言ひとつ。

元旦の能登半島地震でたいへんな被害が出ている中、しかも、昨今の増税増税の悪政で庶民がアップアップのたいへんな生活を強いられている中、悪者への捜査で検察捜査官僚の指揮を執られている方は、ご自分が将来検事総長ポストを得られるかどうかの出世欲にほだされて、とりわけ政界にはびこるどうしようもない巨悪と到頭手を結んでしまったらしい、というような内容の新聞記事を読んで、またしてもか、と瞑目暗澹。

今朝、胸奥でオーケストラが祈りの曲を奏でたので取り敢えずメモしてみた。
2ページ目。
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夢を見た。

2024-01-17 06:22:03 | Weblog
夢を見た。

そこは逆円錐型の階段式大教室で、たくさんの聴講生がぎっしり詰め掛けていた。中央の教壇に立たれた音楽学のK先生が、〈これまで世界に知られていなかった作曲家の、時代を超越した傑作オーケストラ作品群の発見について〉と題する講義をされていた。先生の校訂監修によるスコアシリーズをテクストに、詳細緻密な楽曲分析、深い時代背景解説から、その時代を超越した独特の作曲技法を、スピーディに次々に明らかにされていった。教室は熱い知的興奮に満ちていた。

今日もこれから仕事。
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