カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

ここのところ。

2023-04-30 10:57:29 | Weblog
ここのところ、ずっと『凶笑面』の文庫本を鞄に突っ込んで持ち歩いて、気ままに楽しく読み進めている。緻密で精巧な文体の対極にあるような北森さんの描写文体は、ある意味漫画コミック的で実に隙間が多く、読み始めた頃はそこにやや物足りなさを覚えたものだったが、作中に漲る民俗学知識の博識さ豊穣さにいつしかすっかり嵌って虜になった。

珍しく日曜に仕事休みを頂けることになって、今日はPRONTOでソイ・ラテを啜りながらページを繰っている。
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推敲。

2023-04-30 01:34:02 | Weblog
短歌推敲メモから。

庭池の畔(くろ)に古びし墓石あり 刻まれし名は花守湖岸

黒板塀より覗く深木々(ふかきぎ) 標札に墨黒々と〈花守(はなもり)〉とあり 

花守湖岸の署名書かれし紙束はひとりの男が森つくる話

向かうの角曲がりて傘の背広来る 花守邸のベルを鳴らして

花守家二十代目も花守湖岸 外の背広へ低く〈帰り給へ〉と

言はれても背広はお辞儀して帰るのみ 銀行名刺をポストへ入れて

二十代目花守湖岸の手元には三十枚目となる銀行名刺

〈再開発・マンション建設〉の名目が花守邸への日参を招(よ)ぶ

庭池の畔(くろ)の墓石に刻まれし初代〈湖岸〉 その名崩れず

その昼も門の背広は一言聞くのみ しづかで低き〈君、帰り給へ〉
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命の意味。

2023-04-30 00:53:30 | Weblog

母はよく、テレビか新聞記事かで知ったという諏訪中央病院の鎌田實先生の言葉を引き合いに出して、〈親に小さな頃から愛情深く温かく育てられたひとは誰が自分の本当の産みの親かを考えることもそれを切実に知りたいと思うこともない。育ての親への感謝で心が満たされていればそういうものなんだと思うんだけれどね。〉と僕に語った。父は65歳のときに実母から実父の断片的な事実を知らされ、そこからもがき足掻くように、それこそ地べたを這いつくばるようにして父の実父捜しが始まった。悪いことでも良いことでも実父に関することをとにかく知りたいし実父のお墓の前で静かにそっと手を合わせたいんだと父は涙を流しながら頻りに語った。そんな父に母は精一杯寄り添った。父は結局、実父捜しをしながら認知症を発症し、それを悪化させて亡くなった。そして母も、コロナ禍の閉塞した3年間、自分の幼少期からのことをじっくり振り返るなかで自分の実父の存在に気付き、愕然とし、七十代の母なりの実父捜しを始めた。そんな両親を持ってしまった不甲斐ない僕は、土台が実に不確定で揺らぎ易いことこの上ない中で、受け継がれてきたこの命の意味とは何なのだろうといつも考えさせられている。いずれ、シンフォニーか小説か 、何らかの形で昇華成仏させるように仕向けなければならないとも思っているけれども、まだ形は見えない。

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見応えがある。

2023-04-28 07:38:53 | Weblog
近頃は、仕事のあとで、日テレの無料動画サイトで読売テレビ制作の『勝利の法廷式』というドラマを楽しみに見ている。脚本も俳優さんも上手くて味があって、なかなか面白い。見応えがある。
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3か月ぶりに。

2023-04-25 18:45:56 | Weblog
3か月ぶりにジュンク堂書店池袋本店へ足を運んで、『芸術新潮』5月号坂本龍一さん追悼総力特集号と河出書房新社ムック本『高橋和巳〜世界とたたかった文学』と大江さん古井さん対談文庫本と村上春樹さんの新作長編小説とを求めた。画像は坂本龍一さんご尊父一亀さんによる高橋和巳さんへの追悼エッセイ。これまでのジュンク堂書店へ行ったときの癖で、書棚のどこにももう歌誌『塔』はないのに、ついついその姿を探してしまい、寂寥の思いをじんわり感じた。
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吉松さんの美しい交響曲。

2023-04-25 08:43:05 | Weblog

吉松隆作曲:交響曲第四番Op.82
https://youtu.be/3zrJFQJhYx4

藤岡幸夫指揮BBCフィル


吉松隆作曲:交響曲第六番「鳥と天使たち」Op.113
https://youtu.be/FVL9npz-qkA

キンボーイシイ指揮新日フィル

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芸術新潮5月号。

2023-04-25 05:45:32 | Weblog

今日は、『芸術新潮』2023年5月号(追悼・総力特集:坂本龍一)の発売日。昨日、行き付けのジュンク堂書店に電話してこの『芸術新潮』を確実に入手するにはと尋ねたら、ある程度の冊数は入って来るはずも、煽るわけではないがここのところの話題沸騰で購入希望者殺到も考えられ、一切保証はできぬ故、予約取り置きをされてはどうかと勧められた。

https://www.shinchosha.co.jp/sp/geishin/

今年に入ってから、坂本さんの言葉や音楽を目にし耳にしない日はないくらいに、すっかり取り憑かれている。かなり影響を受けていると思うこの頃。

書影。
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ワルツ・ノスタルジコ。

2023-04-22 05:54:57 | Weblog
今朝、どうしても気になるところがあって、一昨日昼間曙橋駅附近の路上を愛車ペダルギコギコ漕いでいたときに唐突に胸奥で流れて取り敢えずメモしたワルツを、改めてメモし直してみた。
2ページ目。
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短歌推敲メモ。

2023-04-21 06:42:20 | Weblog
短歌推敲メモ。


午前二時きつかりに息を呑む間(ま)ありて決まつて鳴り出す事務所の電話


秋原康三(あきはら)が受話器を取るとソファの上(へ)の毛布ズズズと床にこぼれる


呼吸音とも聴こゆる〈四分三十三秒〉の沈黙のあと通話は切られて


寝られなくなりて珈琲豆を挽き始めぬ ストーブのケトルもピーピー鳴り出し


姫さまの仰がるる夜空思ひつつカップつまんで珈琲揺らす


夜更け過ぎの珈琲の苦さ身に沁みてスバルゆつくり梢を渡る
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ワルツ。

2023-04-20 21:25:21 | Weblog

今日の昼間に胸奥で流れたゆったりめのオーケストラのワルツ、夜に取り敢えずメモしてみた。
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