都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

隅田湯

2022-09-15 | 墨田区  
隅田湯
所在地:墨田区 墨田3-23-16
構造・階数:木・1
建設年:1953(昭和28)
解体年:2022(令和4)
備考 :銭湯としては2016(平成28)年末に廃業
Photo 1994.4.17

 旧玉の井の赤線エリアの北側にあった銭湯。界隈の市街化が進んだのは震災後、また、一帯は第二次世界大戦時の空襲でも被災しているので、建物は恐らく戦後のものだろう。戦前の国土地理院の1/1万地図を見ると、銭湯の建物に引っ掛かるような位置に、現在はない道が東西に通っている。従って仮に戦前に創業していたとしても、この場所で営業し始めたのは戦後だったのではないかと思われる。


 Photo 2017.3.20

 建物は入母屋造りトタン葺き平入りで、入口部分にアーチ型の壁を立て、波打つような庇の下に男女別に入口が並ぶ。後方の浴室部分は切妻屋根。2枚目の写真は廃業後のものなので、自販機も既に撤去されている。
 1990年代に訪れた時には、アーチ型の壁に屋号が大書されていたが、2000年代になってから見たら、2つの入口上のシャッター袋に目立たない感じで書かれていた。アーチ型の壁部分の文字がなくなると、ちょっともの足りない感じ。
 左が女湯、右が男湯。シャッターの色も赤と緑(青?)に違えてあった。


 Photo 2007.5.27

 銭湯建築に詳しいわけではないが、外側の入口を男女別々にしていたのはあまり見掛けない仕様だった気がする。普通は入口は一つで、内側で左右に分かれていることが多い。唐破風とも異なるカーブした小さな庇がそれぞれの入口に付いていたのも特徴的。場所柄を意識したデザインということだったのだろうか。


 Photo 2019.2.16

 廃業後も建物はしばらく残されていて、今年になってから解体されたのだそうだ。


2022.12.20追記
 1953(昭和28)年11月発行の火災保険特殊地図に隅田湯として記載されているので、やはり恐らく戦後まもなくに建てられたものだったようだ。


2024.2.13追記
 コメント欄に書き込んで頂いたように、戦前の隅田湯は戦災で焼失したそうだ。戦後の隅田湯は1953(昭和28)年に別の人が経営者となって開業したものだったという。

【銭湯】墨田区 隅田湯(廃業) | なるとの銭湯ブログ
さよなら隅田湯ー12月31日で閉店しました( ̄^ ̄)ゞ(`_´)ゞ!―サヨナラ3連ちゃんリベンジ②!: 銭湯遍路ー銭湯大好き!-お湯巡り日記

Tokyo Lost Architecture  
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2 コメント

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Unknown (山ちゃん)
2023-06-26 17:32:15
墨田湯は昭和28年に開業。戦前にも存在していたが、空襲で焼失した。
戦後の経営者は別の人。
ありがとうございます (asabata)
2023-06-26 21:01:55
山ちゃん様
情報ありがとうございます。
やはり空襲でいちど焼失していたのですね。

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