ひょうきちの疑問

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2020年のアメリカ大統領選以後はムチャクチャ

アメリカの利上げ後、日本は利下げしマイナス金利、しかし逆にドル安円高

2016-02-11 08:32:42 | 国際金融

2016.2.11(木)祝日

1.昨年12月(2015.12)にアメリカは9年ぶりの利上げを行った。これはドル高要因である。


2.そして今年1月、そのショックを和らげるかのように、日銀は市中銀行が日銀に持つ当座預金に対して、マイナス金利の導入を行った。これは円安要因である。


つまり米日共同して、日米の金利差を拡大させて、ドル高・円安方向に働きかけたわけだが、
今月2月になって為替相場は、逆に、ドル安・円高に向かっている。
そして円高に連れて日経平均株価は昨日、1年3ヶ月ぶりに16000円を割った。現在15713円である。株価は急落している。
なぜそうなるのか。


アメリカ景気が回復しているから、利上げが可能だというアメリカ中央銀行(FRB)の判断に誤りがあるのではないか。アメリカの利上げそのものが間違っているのではないか。

またマイナス金利導入という黒田日銀の判断にも大きな行き過ぎがあるのではないか。これによって、逆に日本市場の底の浅さを市場から見透かされているのではないか。

アメリカ経済は本当に回復しているのか。
原油安は世界経済にはプラスであるが、原油産出国にはマイナスである。サウジなどの中東産油国ばかりではない。アメリカのシェールオイル企業も原油安のダメージを被っている。
原油価格は1バーレル30ドルを割って現在27ドルである。高値から約1/4に下落した。
産油国は決済資金捻出のために、株を売り払って現金に換えている。

それに加え、中国の景気が減速し、原油の需要が低下している。
昨年、中国は新シルクロード政策(AIIB)を決定し、需要を生み出そうとしている。イギリス・ドイツ・フランス・イタリアなどの欧州主要国はこれに参加している。
日本とアメリカだけが主要国の中で不参加である。
これもいびつな構造である。

アメリカの景気は本当に回復しているのか。
アメリカは失業率が7パーセントに低下したと言っているが、
これは就労をあきらめた人が多く、労働参加率が低下したために起こった数字のトリックである。
実際の失業率はその倍以上あるだろう。
こんな中でアメリカは9年ぶりの利上げに踏み切った。
欧州や日本がマイナス金利を導入する中で、なぜアメリカだけが利上げに踏み切る必要があったのだろうか。

アメリカは2013.5月のバーナンキFRB議長発言以来、それまでジャブジャブと垂れ流してきた量的金融緩和からの出口戦略を求めている。
しかしそのたびに株価は下落した。
市場はアメリカの利上げ予測を見越して、ドルを買い続けていった。その結果昨年には1ドル=125円の水準にまで達した。
これは明らかに行き過ぎたドル高である。
市場はドル高を織り込みすぎた。

アメリカの景気は思ったほど回復していない。
それを覆い隠すために、欧州と日本がマイナス金利という金融緩和策を実施している。
アメリカの利上げによる世界経済の低迷を防ぐために、欧州と日本がマイナス金利という金融緩和策まで実施してどうにか景気を支えようとしている。
しかし所詮は一時しのぎである。

マイナス金利は、ベースマネー(マネタリーベース)から貸し出しを増やして、信用創造を増大させ、マネーストック(マネーサプライ)の拡大をねらうものだが、
アメリカの景気が思ったほど伸びず、中国経済が減速している中では、資金の需要がないため新たな信用創造が生まれず、政府がねらうマネーストック(マネーサプライ)が伸びないのが現状である。
にもかかわらずなぜ利上げをする必要があったのか。
利上げをすればますます資金の需要は少なくなる。

中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対しても、アメリカと欧州のスタンスが違い、先行きが不透明である。
かといってアメリカが押し進めてきたグローバル経済も、世界の金融市場の振幅を大きくさせるだけで、金融不安を増大させている。

アメリカはマネーを作ろうとしているのに対し、中国はとにかくモノを作ろうとしている。
どちらが絶対的に正しいとはいえないが、紙幣を印刷するだけで景気を上向かせようとするアメリカのマネタリズムよりも、
何かモノを作ることにより、景気を浮上させようとする中国の方がまだしも健全なように思える。
(ただしこれには弊害もあり、中国の環境問題や、ビルを建てても誰も住まないゴーストタウンの問題がある。中国ではこれを鬼城と呼んでいる。)

アメリカには何か新しいモノを作ろうとする発想はない。すでにアメリカの製造業は衰退しきっているからだ。
アメリカのねらうTPPは、何か新しいモノを生み出そうとするのではなく、貿易ルールを単にアメリカに有利なように作り替えようとするものである。グローバリズムの名の下に。

今年に入ってからの世界的株安は、アメリカの勝手なエゴに発するものではないか。
あれほど勝手にジャブジャブマネーを垂れ流してきたアメリカは、慎重に上にも慎重にそれからの出口戦略を模索していかねばならない。
そうでなければ、また第2のリーマンショックが起こってしまうのではないか。

アメリカの利上げは早すぎた。イエレンもそのことに気づいている。昨日、利上げ予定の見直しを臭わせている。
日銀はそのことに呼応してさらなる追加金融緩和策を、参議院選をにらんで夏までに打つかもしれないが、選挙のための金融緩和策は日本をますます泥沼に引きづり込んでいく。
アベノミクスなどというアメリカ追随政策をやめて、日本はもっとアメリカと距離を置いた独自の経済政策を採るべきだろう。
アベノミクスの失敗はすでに明らかである。


2 コメント

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「の」の大切さ (空又 覚造)
2016-02-12 01:03:14
どこかで見覚えのする名前に姫井由美子さんの名があった。そこで見たのだが,姫井氏は建国記念の日を「建国記念日」と書いていた。
 短縮したのかなと思って気にせずに居たが,兵吉さんも「建国記念日」と書いている。2つ出てくると,「の」をわざと外しているとしか思えない。単純な誤りであろう。
 
 イラスト集などを昔見ていたが,やはり「の」がなかった。また私の友人は,自衛隊員であったが,同級会で「建国記念日」と「の」を外して話を進めたので,「建国記念の日」が正しいよと教えたこともある。
 兵吉さんほどの方が「の」を見落としているとは思えない。疑問が残った2月11日でした。
Unknown (管理人)
2016-02-12 01:36:57
単純な誤りです。訂正しました。

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