ひょう吉の疑問

新聞・テレビ報道は何かおかしい

アベシンゾーが夢見た『美しい国』は、人の住まない国である

2017-05-22 12:08:59 | 国際金融

月曜日

1.バブル崩壊後、我々の給料は下がっているのに、企業の内部留保は増大している。
2.そして給料の下がった我々にかかる消費税は上がり、内部留保の増大した企業の法人税は下がっている。

1はフローの分配、2はストックへの課税である。
ともに庶民に厳しく、企業に優しい。
それほど庶民が豊かなのかというと、全く逆で、貧富の格差が増大し、非正規労働が増え、派遣労働などの不安定な雇用が増え、将来の生活に不安を抱く人々が増えている。

帝国主義時代の19世紀末のイギリスが、不況の出所を海外植民地に求め、そこから多くの富を収奪しようとしたように、
今の日本は国民の富を収奪することにより、大企業の富を増大させようとしている。

その結果、生産力はあっても、誰もそれを買わない社会になっている。
資本過剰、供給過剰なのである。
こういう国の企業が次に何をするか。
国を捨てて国外に出て行くだけである。

アベシンゾーが夢見た『美しい国』は、人の住まない国である。
この男は自分のやっていることの意味が分かっていない。

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イギリスの帝国主義は大不況の産物

2017-05-21 22:19:36 | 国際金融

日曜日

19世紀末は帝国主義の時代である。
帝国主義とは、ヨーロッパ列強が世界各地で植民地獲得競争を行った時代である。
その中心が、大英帝国イギリスである。

ではこの時代、工業生産力の第一位はイギリスだったのか。
18世紀の産業革命以来、工業生産力のトップを走っていたイギリスだから、植民地獲得競争においても最大の植民地を持つことができたのか。

通常はそのように思われている。
しかし実際は、この時代はイギリスの工業生産力が、アメリカに追い越され、やがてドイツに追い越される時代なのだ。
イギリスの工業生産力は、1870年代にアメリカに追い越され、1900年代にはドイツに追い越されている。
世界最大の植民地を持つ大英帝国が成立した1900年には、イギリスの工業生産力は世界第3位でしかない。
つまり帝国主義の時代とは、イギリスの工業生産力が衰退していく時代なのである。

同時に帝国主義の時代は、世界経済から見ると、1870年代~1890年代の『大不況』の時代である。
この時代に、工業生産力でアメリカそしてドイツに追い越され、敗れていった国がイギリスなのである。
その供給過剰で物が売れない『大不況』の解決策としてイギリスが求めたのが、植民地であった。国内で利益が出ない分を国外の植民地で得ようとしたのである。

イギリス国内はすでに過剰生産となっていたため物は売れず、そのためイギリス国内で余った資本はイギリス国内で利益を生む投資先を見つけることができず、南アフリカでは金やダイヤモンドを掘り、インドでは鉄道を作った。
そこに活路を見いだすしかなかった。
そういう膨大な投資を可能にしたのは、ロスチャイルドなどのイギリスの金融資本であった。
資本の中心は産業資本から金融資本に移っていく。

ちなみにイギリスの工業生産力がアメリカに敗れたのは、イギリスの工場が個人資本中心で成り立っていたのに対し、アメリカの工場が株式会社という投機的な会社組織で運営されていたからである。
株式会社は17世紀初めのオランダ東インド会社に起源を持つとされるが、イギリスはバブルの語源となった18世紀初めの南海泡沫事件後、株式会社の投機性を危険視して約100年間禁止していた経緯がある。
株式会社の流行はイギリスからではなく、帝国主義時代にアメリカからやってくる。

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国と通貨、そして企業

2017-05-21 07:18:29 | 国際金融

日曜日

上の3つに鍵がある。

一般には通貨は国が発行すると信じられているが、今はそうではない。
アメリカのFRBはじめ各国の中央銀行は、民間資本である。民間の金融資本である。

そして企業の多くはその金融資本の傘下にある。

人は一つしか国籍を持てない。
しかし企業はいくつでも国籍を持てる。グローバル企業とは多国籍企業である。
以前、多国籍企業といっていたものを、グローバル企業と言い替えたところがミソである。

外国人は日本人ではないから、選挙に行くことはできない。選挙権は認められない。
もし外国人が日本の国政選挙に参加すれば日本の国益は守れない。

ところが多国籍企業が日本に乗り込んで、日本の政治家に政治献金をすれば、その政治家は多国籍企業に有利な政策をとろうとする。
そうやって多国籍企業は日本の政治を変えることができる。

そのための第一歩が、『通貨交換の自由』であった。
通貨が買えれば、株も買えるし、証券も買える、そのことは前回の投稿で述べた。

企業は人ではない、資本である。

資本を持つ者は、人を使うことができる。
通貨交換さえできれば、人を遠隔操作できる。国内外を問わずに。
そのための金融工学であり、証券化技術の進歩であり、IT技術の進歩である。

1990年代の『金融ビッグバン』なるものは、恐ろしい技術である。
クリントン政権下、米国最大の金融機関ゴールドマンサックス社長のロバート・ルービンは、米国財務長官に転身し、1995年に『金融立国』なるものを立ち上げた。
その命を受けて、日本では橋本龍太郎政権下、『金融ビッグバン』を受け入れた。
その結果、外国通貨が買える、外国国債が買える、外国株が買える、何でもありの時代になった。

しかし国が取り残されたのである。
日本人の資産はアメリカに吸い上げられ、日本人は貧困化したが、これは国と国の戦いではなかった。
本当は、国と企業との戦いである。
貧困化したのは日本人もアメリカ人も同じである。
肥え太ったのは、ゴールドマンサックスなどの一部のグローバル企業、金融資本だけである。
アメリカも衰退した。
それに怒った人たちがトランプを選んだ。

トランプは自由貿易を否定している、と日本では伝えられている。
しかし正しくは、グローバル企業を否定しているのだ。
にもかかわらず、マスコミは100年前の、自由貿易か保護貿易かの議論に終始している。
これほど時代錯誤で陳腐なことはない。

今や貿易が問題なのではない。資本が問題なのだ。資本は通貨である。
アメリカと日本の関係が問題なのではない。
国と企業の関係が問題なのだ。
そしてその肝が通貨にある。

通貨を誰がどう支配するか、それが問題なのだ。

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グローバリズムと貧困

2017-05-21 06:28:50 | 国際金融

日曜日

消費税は上がるのに、なぜ法人税は下がるのか。

政府はその理由を、外国企業を呼び込むため、または外国企業との競争に打ち勝つため、だとしている。
これは1990年代のいわゆる『金融ビッグバン』以来のことだ。
その肝は、『通貨交換の自由』である。
それ以前は貿易取引が伴わなければ、日本人がドルを買うことはできなかった。
ところが今はどこの銀行でもドルは簡単に買える。
ドルが簡単に買えるということは、外国人が簡単に円も買えるということだ。
その国の通貨が自由に買えれば、その国の株も買えるし、証券も買える。
いわば人の財布に勝手に手を突っ込むことができるのだ。
そうやって外国企業が日本に乗り込んでくるようになったし、また逆に日本企業も外国に乗り込んでいくようになった。

そして国は国内企業が外国に逃げて行かないように法人税を下げるようになった。また逆に外国企業が日本に乗り込んで来やすいように、法人税を下げるようになった。
これがグローバリズムである。

その結果、法人税は下がり、消費税が上がるようになった。
もとより消費税は強い逆進性を持つ。
つまり、お金持ちに優しく、貧しい人に厳しい税である。
貧富の差がいかにあろうとも同じ税率だから、金持ちに有利なことは言うまでもない。
この税は、累進課税のもとで金持ちが負担する税を、貧乏人が肩代わりする税である。

なぜこうなったのか。
それがグローバリズムである。

企業も国民も税金を払いたくないのは同じである。
しかし、企業が国を出て行けるのに対して、国民は国を出て行けない。
ここに決定的な差がある。
企業と国民を同列には扱えない。
一見、対等なようで対等ではない。
大人と子供を同じ土俵で戦わせようとするのがグローバリズムである。
資本は自由に飛び回る。
しかし人間はそう簡単には飛び回れない。
その事実をベールに隠すのがグローバリズムという言葉である。
人間がグローバル化すると勘違いしている人が一部にいるが、
資本がグローバル化するのである。
その速度は大人と子供ほど違う。

そして先にグローバル化した企業が、国民の富を収奪する。それがグローバル化の本質である。
そしてグローバル企業に勤める一部の幹部だけ、またはそこに出資する一部の資本家だけが肥え太る。
こうやって一部の人間に富が集中する。

その秘密が、マスコミの『報道しない自由』によって守られている。

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“共謀罪”可決で大荒れ 野党猛反発「認めない」(17/05/19)

2017-05-20 08:30:51 | 自民党政策

“共謀罪”可決で大荒れ 野党猛反発「認めない」(17/05/19)

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主婦の家庭労働

2017-05-20 07:22:52 | 経済

土曜日

主婦の仕事は多い。
家事・育児・介護。
掃除・洗濯・食事の世話、夫・子供に老人介護。
その労働量は莫大である。
しかしそれらは国の経済規模に反映されない。

いま政府は実績づくりに励んでいる。
目指すのは経済規模の拡大だ。
経済規模さえ拡大すれば、経済成長率に加算される。
何とかして主婦の家庭内労働を経済成長率に加算したいのだ。

だから主婦を外に出して働かせようとしている。
そして家庭が機能しなくなった分を、他の産業で補わせようとしている。
食事は外食で、育児は託児所で、掃除洗濯は家政婦を雇い、老人の世話は介護施設に任せる。
そしてその分の出費を、主婦が外で働いた給料で支払わせる。
そうやって家庭の機能が崩壊する。

しかし政府にとってはそれこそが大事なのだ。
なぜならそれで経済規模が拡大したことになるから。

主婦が家庭内でいくら働いても、それは経済活動に数字として反映されないが、
主婦が家庭を離れて外で働いて給料をもらい、
その給料で、外食費や託児所への支払い、家政婦への支払い、老人介護施設への支払いをすれば、
それだけで国の経済規模は拡大する。

実質は何も変わらないどころか、家庭の機能が低下しただけなのだが、政府にとっては経済規模が拡大したことになる。
これがアベシンゾーの経済拡大策である。そしてそれが政治の実績になる。
しかしこれで本当に国民が豊かになったのだろうか。
主婦が自分でやっていたことを人に任せ、その支払いを自分の稼ぎで払っているだけで、家庭の資産は全く増えないのだ。
それに加え家庭がますますバラバラになっていく。
これで経済規模が拡大したと喜んでいるのは、あまりにもお粗末ではないか。

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金のない日々

2017-05-20 05:56:33 | 国際金融

土曜日

お金がない。

たとえば私が10年前に100万円持っていたとしてそれを銀行に預けていれば、私が若い頃であれば、その金は200万円近くになっていた。
10年で倍になる、と当時はよく言われた。複利計算だからそれは嘘ではなかった。
今から見れば想像もつかないことだが、当時はそれが普通であった。

いま、預金は増えない。
いま、もし私のなけなしの預金がその倍あれば、と思う。
単純に考えて、いま100万円の預金がある人は、実は200万円の預金を持つはずであった。
500万円の預金がある人は、実は1000万円の預金を持つはずであった。
1000万円の預金がある人は、実は2000万円の預金を持つはずであった。
低金利、ゼロ金利になってから、すでに20年以上経つから、もし金利が通常であれば、実際にはそれ以上の額になっているはずであった。

その持つはずの預金はいったいどこに行ったのだろう。

いま、給料も増えないし、預金も増えない。我々庶民の資産はいっこうに増えない。
我々が若い頃に比べ、日本人の資産は確実に目減りしている。
国民の資産が目減りする中で、購買力が高まるはずがない。
日本人の貧困化は確実である。
それはすでに生活実感を伴った現実のものとなっている。

資産に余裕がなければ、欲しい物が買えない。我慢するしかない。
だから国民の財布のひもは固い。
その固い財布のひもを緩めるには、国がいくら緩めろといっても緩むものではない。
財布の中にお金が貯まらなければ、財布のひもは緩まない。

低金利・ゼロ金利が、20年以上続く社会は異常である。
利息自体はすでに古代バビロニアからあったというから、異常なことではない。
問題はその金利の低さだ。

この金利の低さによって倒産を免れた銀行は多い。
約20年前には、北海道拓殖銀行が潰れ、日本長期信用銀行が潰れた。
その頃からいっそう低金利に拍車がかかった。
我々がもらうはずの金利は、そういう銀行の救済資金に消えた。

銀行だけではない。
一般企業も業績が悪化した。
だから国は手っ取り早いコスト削減策として、派遣労働の解禁を行った。
今や日本人の1/3は派遣労働者である。
国民の貧困化はますます進んだ。
こんな中で消費は落ち込んだ。
理の当然である。

つまり我々の資産の減少分は、企業の立て直しに使われたのだ。
だから我々は持つべきはずの資産の増大分をもらえず、資産の低下に苦しんでいる。
資産どころか、もらえるはずの給料さえ、派遣労働の名目のもと、切り下げられている。
国民の鬱積した不満は高まっている。

アベシンゾーが経済成長2%の目標を掲げてすでに5年が経つが、全く達成されていない。
それでも内閣支持率が高いというのは、マスコミの嘘である。
それが嘘である証拠は、国民の不満が高まる中で、アベシンゾーが今何をしようとしているか。
共謀罪である。
これは決してテロ対策ではない。
これを本当にテロ対策だと思っている人はおめでたい。
国民の不満が高まっていることを政府はすでに知っているのだ。
そのための共謀罪である。

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2017.05.16 共謀罪廃案・安倍政権の改憲暴走を止めよう!5.16大集会

2017-05-19 09:17:00 | 教育もろもろ

2017.05.16 共謀罪廃案・安倍政権の改憲暴走を止めよう!5.16大集会

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20170518 UPLAN 強行採決許すな!共謀罪廃案!国会行動

2017-05-19 09:12:05 | 教育もろもろ

20170518 UPLAN 強行採決許すな!共謀罪廃案!国会行動

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トランプを悩ませる「内部告発者」は誰か?

2017-05-19 06:58:22 | 軍事・外交(日米関係)

金曜日

日経ビジネスオンライン より
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/261004/051800043/?i_cid=nbpnbo_lfcx


「外交オンチ大統領」の機密漏洩と捜査妨害疑惑

トランプを悩ませる「内部告発者」は誰か?


2017年5月19日(金)


この握手の後、はたして機密情報は漏洩されたのか(提供:Russia Foreign Minister Press Ofice/Abaca/アフロ)

米メディアがトランプ大統領をめぐる疑惑を相次いで報道していますね。

高濱
米連邦捜査局(FBI)長官の電撃解任、大統領執務室での録音疑惑が5月初旬から続きました(関連記事「FBI長官解任劇と米大統領執務室の録音疑惑」)。
15日には機密性の高い情報(classified information)*をロシア外相に漏えいした疑惑、
16日にはFBI長官に捜査中止を命令した疑惑が発覚しています。

*:classified informationは機密性の高い情報を指す。
米国ではこれをstrictly confidential(極秘)とconfidential(機密)などに区分する。
極秘はいわゆるトップシークレットだ。
今回のケースではclassified informationと報道されており、区分は明らかになっていない。

 15日と16日に判明した疑惑をすっぱ抜いたのは、米ワシントン・ポストと米ニューヨーク・タイムズ。
トランプ大統領が敵対視してきた中道リベラル派の主要紙です。

 もっとも、保守系の米ニューヨーク・デイリー・ニューズまでが、16日付1面に「Leaker of the Free World」(自由主義世界の漏洩犯)という大見出しを掲げてトランプ大統領の「裏切り行為」をなじっています。
同大統領の支持率は今や55.0%と危険水域にまで落ち込みました。


イスラエル発の機密性の高い情報をロシア外相に提供

 まず、トランプ大統領自身が機密性の高い情報を漏洩した疑惑の話からしましょう。

 同大統領がロシアのセルゲイ・ラブロフ外相との会談(5月10日)の席上で、「某同盟国」の情報機関から入手した機密性の高い情報を漏らしたというものです。
過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦に関する情報と言われています。

 会談には、ロシアのセルゲイ・キスキャック駐米大使も同席していました。
外国の外相が米国の大統領に会うのですから、その国の駐米大使が同席するのは当たり前です。
しかし、同大使は今や、「ロシア・コネクション」疑惑における「火中の人」になっています。

 米大統領が同盟国でもないロシアの外相に「某同盟国」から得た機密情報を流すのも大問題ですが、大統領と外国要人との会談内容が会談の5日後にメディアに流れるなんて…。
こちらも前代未聞の事態です。
情報源は、会談議事録を入手できる米情報機関に属する人物と見られています。

 トランプ政権、とくに情報機関に「内部告発者」がいる事実が明らかになったわけで、同政権の脆弱ぶりを改めて露呈したことになります。
("Trump revealed highly classified information to Russian foreign minister and ambassador," Greg Miller & Greg Jaffe, Washington Post, 5/15/2017)

 

「テロリストはノートパソコンに爆破装置」

トランプ大統領がロシア外相にリークした情報の中身は何だったのですか。

高濱
「某国」とはイスラエルだったと、ニューヨーク・タイムズが明らかにしています。
イスラエルの情報機関が危険を冒して入手した機密情報の中身は、
「ISが民間航空機爆破を計画している。その一つとしてノートパソコンに爆破装置を仕掛けている」というものでした。

 米国と英国は今年3月下旬から、北アフリカおよび中東8か国と英米とを結ぶ航空機を利用する搭乗客がノートパソコンを機内に持ち込むことを禁じました。
これはイスラエルから提供された情報に基づく緊急措置だったようです。

 イスラエルのロン・ダーマー駐米大使は「米国とイスラエルとの同盟関係は(今回の事件にかかわらず)揺るぎない」と冷静な対応を示しています。
しかし、これはあくまでも「外交辞令」です。
イスラエルはもとより欧州の同盟国も、トランプ大統領への機密情報の提供に慎重にならざる得なくなりました。

 日本の安倍晋三首相も同じ心境じゃないでしょうか。
会談や電話の中身はすべて録音される。
日本が提供した機密情報が、日本とは同盟関係にない国に日本の許可を得ることなく流されるのでは、たまったものではありません。
冗談抜きに、安倍首相も気を付けたほうがいいと思いますよ(笑)


イスラエル「押し殺したトランプへの憤り」

 駐米イスラエル大使の「外交辞令」とは裏腹に、イスラエルは怒り心頭に発すると言える状況にあります。
機密性の高い情報が、ロシア経由で「敵国」イランに流れた可能性が大だからです。

 イスラエルの有力紙ハルツームは、直接的表現を避け米情報機関当局者の発言を引用する形で「イスラエルが恐れていた最悪の事態が確認された」と報じました。

 「バラク・オバマ政権の米情報機関当局は、政権引き継ぎの際に『イスラエル当局がトランプ政権に極秘情報を提供する際には十分注意すべきだ』と忠告していた。
親ロシアとみられるトランプ大統領に機密情報を提供すれば、その情報がロシア経由で『敵国・イラン』に流れる可能性が十分あるとみていたからだ」

 「今回の情報は、イスラエル政府と事前に協議することも許可を得ることもなく、ロシア側に提供された。
米情報機関当局は、
『米大統領には機密情報を公表する権限がある。だが、長きにわたって培ってきた米・イスラエル間の情報交換合意を危険にさらすことになりかねない』
と懸念している」

 こうした「トランプに対する押し殺した憤り」(在米イスラエル外交筋)をイスラエルが抱く中、トランプ大統領は22日にイスラエルを訪問します。
中東・欧州歴訪の一環です。
日程はだいぶ前から決まっていましたが、米保守派の親イスラエル派からはイスラエル訪問を一時延期せよ、との声が出ています。
("U.S. Officials: Israel Provided Secret Intelligence That Trump Leaked to Russia,"Haaretz, 5/16/2017)



イスラエルから取得した機密性の高い情報をリークした張本人であるトランプ大統領は何と言っているのですか。

高濱
トランプ大統領は開き直って、ツイッターでこうつぶやいています。
「(情報を提供したのは)IS掃討作戦において、ロシアに関与を深めてほしいからだ。私には米大統領として絶対権限が与えられている。(ロシア側に情報を提供したことは)完全に正しい判断だった」

 その一方でトランプ大統領は、同大統領とロシア外相との会談内容を記録した議事録の一部、あるいは書かれた情報をワシントン・ポストが入手したことを重視しています。
リークした人物の割り出しを急ぐよう、H.R.マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)に直ちに命じています。


大統領の捜査中止命令は「捜査妨害」にあたるのか

マイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障担当、当時)をめぐるロシア・コネクション疑惑に関する捜査の中止を命じた疑惑はどんな話ですか。
米国内の政局に与えるインパクトは、こちらのほうが大きそうですね。

高濱
その通りです。

 情報源はFBI高官だと思われます。
ニューヨーク・タイムズによれば、コミーFBI長官(当時)は2月14日に大統領と会談した後、会談でのやりとりをメモに書き留め、それをFBI幹部に配布したとされています。
ニューヨーク・タイムズはそのメモ(あるいはメモを読んだニュース源から内容)を入手したのです。

 2月14日と言えば、トランプ大統領の側近であるフリン氏が辞任を余儀なくされた日(13日)の翌日。

 会談の席上、大統領は次のように語ったとメモに書かれているそうです。
「君がこれ(フリンに対する捜査)を止めて、フリンを無罪放免してくれることを期待しているよ。フリンはいいやつだ。彼を逃がしてやってほしいんだ」

 もしあなたがコミー氏だったら何と答えますか。
あなたはFBI長官を続けたい。
中止命令を出したのは生殺与奪の権限を握る大統領です。
これは「忖度」を必要としない「業務命令」と言えるでしょう(笑)。
(”Comey Memo Says Trump Asked Him to End Flynn Investigation," Michael S. Schmidt, New York Times, 5/16/2017)

 このメモに書かれていることが事実だとすれば、合衆国法典第18編(犯罪と刑事手続き)に明記されている「Obstruction of Justice」(司法妨害、捜査妨害)*に該当する可能性があります。
少なくとも国を挙げての大論争になるのは必至です。

*:「Obstruction of Justice」は司法当局の捜査を妨害する行為。
証人を殺したり、証拠を隠滅したといった直接的な妨害のほか、司法手続きを妨害したり、不正に影響を与えたりする行為など間接的な妨害行為も含まれる。
("Protection of Government Processes--Omnibus Clause--18 U.S.C. 1505,"Office of the United States Attorneys, U.S. Department of Justice.)

 議会が弾劾手続きを進めるかどうかについて、スタンフォード大学法科大学院で教鞭をとるディビッド・スクランスキー元連邦検事は次のように述べています。

「大統領を弾劾するプロセスは極めて半司法的(quasi-judicial)、半政治的(quasi-political)だ。
大統領による『司法妨害』があったか、なかったかを判断するのは連邦議員であって司法ではないからだ」
("What Is Obstruction of Justice? Often-Murky Crime, Explained,"Charlie Savage, New York Times, 5/16/2017)

 かつて弾劾の対象となったのは、リチャード・ニクソン第37代大統領とビル・クリントン第42代大統領です。
ニクソン氏は弾劾決議案が上院で成立した段階で辞任しました。
一方、クリントン氏への弾劾決議案は上院で否決され、同氏は弾劾を免れています。

 いずれにせよ司法判断ではなく、議員の判断で弾劾の当否が決まるのです。
その時の世論動向が議会の審議に影響を与えることはいうまでもありません。


下院監視・政府改革委員会は全資料を要求

フリン氏に対する捜査中止をめぐる報道についてトランプ大統領は何と言っているのですか。

高濱
ホワイトハウスは16日ステートメントを発表しました。
「トランプ大統領は司法当局とすべての捜査に最大の敬意を払っている。
これ(報道されているメモ)は大統領とコミー氏との会談内容を誠実かつ的確に描写したものではない」

 一方、一連の報道を受けて、米下院監視・政府改革委員会のジェイソン・チャフェッツ委員長(共和・ユタ州)は16日、FBIに対し、大統領とコミー氏との間で行われた会談、電話などに関するメモ、ノート、録音テープなど全ての資料を提出するよう要求しました。
期限を5月24日までとしています。



同委員会が進める調査の結果などにもよりますが、この「司法妨害」「捜査妨害」は大統領弾劾の動きにつながりそうですか。

高濱
調査を進めているのは下院監視・政府改革委員会だけではありません。
上下両院情報特別委員会が、ロシアによる米大統領選への介入 (ヒラリー・クリントン民主党大統領候補や民主党本部に対するサイバー攻撃の有無)や、トランプ大統領周辺の人物とロシアとの関係について調査しています。
また上院司法委員会はフリン氏とロシアとの関連について調査しています。
上院軍事委員会でもロシアによる米大統領選介入疑惑を追及する動きが出ています。
議会の一部ではウォーターゲート事件の時のように特別検察官を設置すべきだ、という声も上がり始めました。

 議会以外では、むろんFBIがロシア・コネクション疑惑の究明を続けています。



米国民は、今の動きをどうみているのでしょう。現時点ではトランプ大統領への支持率はどうなっているのでしょう。

高濱
各種世論調査の平均値は「支持」が39.9%、「不支持」が55.0%。
その差は15.1%です。
就任4か月にしてトランプ大統領は、世論調査でも危険水域に入っています。

 「アメリカ第一主義」をスローガンに掲げるトランプ大統領がいよいよ初外遊の旅に出かけます。
ロシア・コネクション疑惑から逃れる(?)ためであるかのような外遊。
その行く先がイスラエルというのは皮肉なことです。
("President Trump Job Approval," Polls, Real Clear Politics, 5/16/2017)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【私のコメント】

私的に自分のパソコンから国家機密を漏洩したヒラリーのメール問題が弾劾されずに、
公的にロシア外相と会談したトランプが国家機密を漏洩したとして弾劾されようとしている。

1945年のヤルタ会談だって、秘密会談ではなかったか。
国家の秘密が議論されてはじめてこの会談は成り立った。
国家の最高指導者たる大統領には、国際舞台で、国家間の秘密を議論し合う権限が与えられているのではなかろうか。
ルーズベルトがこのことによって議会によって弾劾されたのだろうか。
その秘密会談がたった5日でマスコミにリークされること自体がおかしい。

国家機密の漏洩は、トランプではなく、それをマスコミに流した者の方ではないのか。
国家機密をマスコミに流すこと自体がおかしいのだ。

国軍の最高指導者たる大統領が、他国との交渉で国家機密の漏洩が取りざたされたことは、今までの歴史ではなかったことだ。
それをさも当然のことのようにトランプ叩きに利用しようとする反トランプ勢力とマスコミがどうかしている。

トランプもロシアのラブロフも、公人である。
その公人同士の正式な交渉が国家機密の漏洩とされ、
私的に国家機密を漏洩したヒラリーには何のおとがめもない。
これほど逆立ちした論理はないのではないか。

FBIはヒラリーのメール問題に対しては決して訴追しようとはしなかった。
ところがトランプの動きは逐一マスコミに情報を流している。
FBIのコニーこそ、怪しいのではないか。
善人と悪人が逆ではないのか。

この構図は、2012年の日本で行われた小沢叩きと一緒だ。
今のアメリカを牛耳っているのはトランプではない。
牛耳っているのはアベシンゾー政権を誕生させた勢力と一緒だ。
もしここでトランプが倒れれば、政権交代後に独裁政権になった日本と同じことが起こる。
ただトランプ政権にはまだ、日本の菅直人や野田佳彦のような上にこびるだけの能なし政治家は出ていない。
その点、日本の政治よりもまだましだ。

しかしアメリカが今、内乱状態にあることは事実だ。
いずれ中川昭一のような死人が出る。
アベシンゾー政権を誕生させたアメリカの支配層(米共和党内グローバル派、ネオコンなど)が、これからどんな卑劣な手段に訴えてくるか分からない。

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紙幣もビットコインも同じ民間通貨である

2017-05-16 09:30:52 | 国際金融

火曜日

お金の発行元を国家だと思っている人が金融取引に詳しい人の中にもいるが、いわゆる1万円札などのお金を発行しているのは国家ではなく、日本銀行である。
そしてその日本銀行は民間企業である。東証ナスダック市場に上場されている上場企業でもある。国家企業であれば株は買えないが、日本銀行の株は買うことができる。
だから日本銀行が発行する日本銀行券(お金)は民間企業が発行するお金である。
民間が発行する通貨であるという点で、日本銀行券もビットコインも同じである。
発行母体が国ではないからビットコインは信用できないというのなら、日本銀行券も信用できないことになる。

では紙幣とビットコインの違いは何なのか。
目に見える見えないなどの、表面上のことはここでは横に置いて、金融面の違いだけに限定する。

その一番の違いは、又貸しができないということだろう。
銀行は預金者から預かったお金を他人に貸して、その利ざやで儲けているが、ビットコインは預かったビットコインを他人に貸すことはできない。
なぜなら売買記録がデータに記憶されるから、預かったビットコインを無断で人に貸せば、貸し出した記録がデータに残る仕組みになっているからである。

銀行不要の金融社会が登場する。
つまり銀行の信用創造が消滅する。
このことがどういうことを意味するのか。

今のお金の大部分は信用創造によって生まれている。
銀行は預かったお金を次々に又貸しすることにより、限りなく預金を増大させている。
近代銀行を生んだヨーロッパではそのことの是非をめぐって約200年間、訴訟が繰り返された。
その決着がついたのが、1844年である。それ以来銀行は堂々と人の預金を他人に又貸しすることができるようになった。
それは好景気を生むが、同時にバブルも生む。
信用創造によって泡のように膨らんだ通貨が消えてなくなるとき、恐慌が発生する。
それは金融資本にとって格好の羊毛狩りの場でもある。
ビットコインにより銀行の信用創造がなくなれば、このようなバブルは発生しなくなる。

発行額が限定されているビットコインが、世界の基軸通貨になれば、経済規模の膨張に対しては、今までのように紙幣の増刷によって対応することはできず、ビットコインの価値そのものの増大によって対応せざるをえない。

ということはビットコインは経済規模の増大に対して限りなく高騰する可能性があるということである。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【訂正】5月17日

ビットコインが又貸しできない、というのは間違いでした。
訂正しお詫び申し上げます。

ビットコイン取引所ではすでにビットコインの融資を行っている。
私が調べたところでは、ビットコイン取引所に預けている総資産の約2倍以内でのビットコインの融資が可能となっている。
ビットコインは取引所の融資によって、実質的に信用創造を行うことができる。
しかし発行母体がないことから、日銀による日銀券増刷のような当局の金融政策はできない。
ビットコインの発行には上限がある。
現在はまだその上限に達していないため、ブロックチェーンを結びつける作業(採掘とか発掘、またはマイニングというらしい)の報酬としてビットコインが創出されているが、いずれそれは上限に達する。
その後、ブロックチェーンを結びつけて承認を行う作業がどうなるかは私もよくわからない。(その後も機能し続けることが可能にシステムになっているらしい。)

しかし、ビットコインは一度動き出したら誰にも止めることができず、半永久的に動き続けるシステムである。
そしてその半永久的な動きの中で、流通量の上限が定められている。
このことはシニョリッジという通貨発行利益の発生が不可能な通貨として、今までになかった画期的なものである。

このシニョリッジを求めて、今までどれだけ政治の舞台裏で暗闘が行われてきたかを考えれば、ビットコインは今までと全く違った発想に立つ通貨である。
それがIT技術の進歩とインターネットの普及によってもたらされた。
いかなる国家もサイバー空間の中で一度動き出したビットコインの動きを止めることはできない。
サイバー空間が存在する限り、いかに国家が禁止しようとも、国家とは無関係にビットコインのシステムは動き続ける。

これは銀行が不要になる可能性を秘めている。
銀行が不要になれば、当然、銀行の銀行である日本銀行も不要になる。
日本銀行が不要になれば『円』が消滅する。

今まで国家と何の関係もなく流通する通貨は存在しない。
しかしビットコインは国家とは全く無関係に流通する。

ビットコインの流通はその意味で非常にエキサイトなことである。
通貨発行権が国家の手から離れることになる。

長いスパンで歴史的な目から見れば、中央銀行の発生は、通貨発行権が国家の手から民間の手に移る過渡的なものであった可能性がある。
一度流通し始めたビットコインはその発明者である『ナカモトサトシ』氏でさえ止めることができない。
つまり民間の手で管理するものでさえないのだ。
誰も管理できないということは、通貨につきもののシニョリッジ(通貨発行益)が発生しないということである。
これは通貨の矛盾を埋める画期的なことだ。

従来の通貨の価値をビットコインが吸収すれば、ビットコインの価値は莫大なものになる。
その時に何が起こるか、まだよく分からない。

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1870年代にはすでに物が過剰になった

2017-05-15 09:07:36 | 国際金融

月曜日

イギリスに続き、1830年代にドイツ・フランス・アメリカなどで産業革命が起こり、豊富に物が大量生産されるようになると、
早くも1873年には世界恐慌が起こり、世界的な不況の時期が続くようになった。
この不況は約20年間、1890年代の半ばまで続く長期的なものであった。
急激な工業化から生じた世界経済の過剰生産が原因で、デフレーション(物価下落)が進行した。

産業資本は物を売るための市場を求め、また金融資本はお金を貸し出すための投資先を求めた。
これが植民地獲得競争になり、世界は帝国主義の時代に入っていく。

という流れが世界史の一般的な説明である。
しかしここで見過ごされていることは、産業革命で一度生産が膨張すると、それが極限にまで達したときになぜ生産を縮小できなかったのか、ということである。

前に書いたように、1840年代に正式に株式会社の設立が認められ、政府の中央銀行の中にロスチャイルドなどの金融資本が大株主として居座るようになると(中央銀行は民間資本で成り立つ株式会社である)、なぜか縮小再生産が認められなくなっていく。
このことの理屈が全く説明されていない。
どんな会社でも自社製品が売れなくなると、生産規模を縮小していくのが当たり前なのだが、それができない論理がまかり通っている。
それが二度の世界大戦に結びついていくのは周知の通りである。
産業革命 → 独占資本 → 帝国主義 → 世界大戦

図式化すれば簡単なことなのだが、なぜ資本が拡大再生産という膨張の一途をたどるのかは、いくら本を読んでもよく分からない。

物が売れなければこれ以上拡大はできない、そんな簡単なことができない理由がどこにも書かれていないのだ。

1870年代以降、イギリスは1875年にスエズ運河会社の株式を買収し、インドへの最短距離を確保した。その上で、2年後の1877年にはイギリスのヴィクトリア女王が皇帝を兼任するインド帝国を成立させている。はやい話、インドはイギリスの植民地になったのである。
このときイギリス首相のディズレーリはスエズ運河株買収のための資金をイングランド銀行に頼るのではなく、その大株主であるイギリス・ロスチャイルド家の当主であるライオネル・ロスチャイルドに直接、融資を申し込んでいる。
「融資の担保は何か」というロスチャイルドの問いに、
首相のディズレーリが「イギリス政府です」と答えた話は有名である。

政府を担保にするということは、ロスチャイルドがイギリスという国を動かせるということである。
ロスチャイルドもディズレーリも同じユダヤ人であったという話は別の話になるのでやめておくが、このような個人的なつながりで帝国主義の時代に世界が向かっていくというのは恐い話である。

世界史上では保護主義が大戦を招いたことになっているが、その保護主義はイギリスなどの列強が海外植民地を獲得した後の保護主義であり、イギリスが国外進出を進めた後に起こった保護主義である。
正確には、資本がグローバルな流れに乗って国外に市場や投資先を求めて行った先に、大戦が起こるのである。
そして国に国外市場や国外投資先を求めさせるのは、産業資本ではなく、金融資本なのである。
100年前の20世紀初めには、この手法でアフリカのほとんどとアジアの大部分が、イギリス・フランス・ドイツなどの西欧列強の植民地となった。

物が売れなければ生産を縮小する、このことがなぜできないのか、そのことを追求した本に出会ったことがない。

西欧列強はその後没落したが、金融資本は今も莫大な富を創造し、それを握り続けている。

物があふれる世の中で、物が売れずにデフレーション(物価下落)が続き、長期の不況にあえいでいる今の状況は、1870年代の世界状況とよく似ている。
そしてその打開策を金融政策に頼ろうとしている姿も。
日本のアベノミクスも例外ではない。

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グローバルはナショナルの抜け穴

2017-05-14 06:07:22 | 国際金融

日曜日

国にはさまざまに規制がある。
規制というとすぐ規制緩和に結びつく昨今であるが、
規制というのは決まりであり、法体系といってもいい。
これがなければ弱肉強食の恐い社会になる。

しかし利潤追求を第一とする企業はそのような規制を嫌う。
その抜け道がグローバルである。
このグローバルな規制は、ナショナルな規制に比べるとはるかに軽微である。

企業とは資本である。
グローバル化の第一歩は、資本の自由化である。
資本は金融のルールで動く。
つまりグローバル化とは金融のグローバル化から始まる。

1990年代の『金融ビッグバン』なるものから、日本のグローバル化が本格的に始まった。
資本とは通貨である。
金融のグローバル化とは、通貨交換の自由化のことである。
通貨が自由に買えれば、株も債権も証券も自由に買える。
株・債権・証券、つまりこれが資本である。

企業は、株・債権・証券によって成り立っている。
そして企業は、少しでも規制の少ない国を目指してどこにでも飛び回るようになる。
しかしそれはルールのない世界で好き勝手にやることと何が違うのか。

その結果、国民が割を食っている。
企業栄えて、国民滅ぶ。

国民は、ナショナルなルールに立っている。
それに対して企業は、グローバルなルールに立っている。

ルールが違うのに同じ土俵では戦えない。
国民は相撲のルールで戦い、企業はプロレスのルールで戦えば、それは公平ではない。
それを覆い隠すのが、グローバルという便利な言葉である。
企業はどこの国の企業になっても構わないが、国民は国民であることを簡単にやめられない。

移民と難民は、区別がつかないというのが歴史の真実である。

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貧しき者に

2017-05-14 05:44:24 | 教育もろもろ

日曜日

貧しき者に、幸あれ。
心貧しき者に、……

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株式会社の発生

2017-05-13 11:50:04 | 国際金融

土曜日

ヨーロッパで株式を発行することにより資金を調達するという株式会社の形態が発達したのは、
中世ヨーロッパにおいて利息を取ることをさげすむ風潮があったからではないか。
だから出資の形態として、資金を貸して利息を取るという間接金融の形よりも、
株式を購入し、株主として会社経営に参加した上で、その利益(配当)を受け取る(そうすれば自ら働いたことになる)、という直接金融の形が生まれたのではないか。

株主の有限責任という考え方もここから生まれる。もともとそれはお金を貸すことの隠れ蓑だったから。

株式の転売もそうだ。会社経営がメインの目的ではなく、それはあくまでお金を貸して儲けることに主眼があったのだから。

株式会社には『企業は人なり』という日本流の考え方とは異質のものがある。
庶民の間で株の売買が横行すれば、会社は切り売りの対象になる。株主にとってはとにかく株が値上がりすればいいのだから。
また株主が逃げないように、配当を多くするという本末転倒のことも起こってくる。

株式の上場がそのことに拍車をかけている。
東京証券取引所とはいったい何者なのか。一民間企業にすぎないのに。
(東京証券取引所とは、それ自体が東京証券取引所の第一部に日本取引所グループ(JPX)として上場されている民間企業。企業コードは8697。当然誰でも株を買える)

イギリスでは、バブルの語源となった1720年の南海泡沫事件のあと、1720年~1825年の約百年間、株式会社への警戒感が強まり、実質上、株式会社の設立は禁止されている。
その間にイギリスの産業は発展を遂げ、産業革命が始まった。イギリスの産業革命は、株式会社の設立が不可能な状態のもとで始まった。
しかし多くの人は、産業革命が株式会社の設立とともに始まったと誤解している。
株式会社と産業革命は無関係である。

たぶん株式会社は、産業資本ではなく、金融資本の動きと関係している新しい動きなのだ。

イギリスで株式会社が正式に認められるのは、1844年の共同出資法が成立してからである。
この1844年は、ピール銀行条例により、イングランド銀行の発行する銀行券が正式な法定通貨として認められた年でもある。これによってイングランド銀行はイギリスの中央銀行としての地位を確立した。
また4年後の1848年は、イギリスのフォーリー対ヒルの裁判で、「銀行家は預けられた預金を随意に処理する権利を有する(つまり他人に貸し出すことができる)」という金融市場の大きな転換点となる判例が出された年である。
これ以降、世界の金融資本が本格的に動き出し、独占資本を形成し、特定の政治家と結びつき、彼らを裏から操るようになる。

ペリー来航の5年前のことである。

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