日曜日
東洋経済オンライン より
http://toyokeizai.net/articles/-/135216
「八百長相場」の日本株できっちり儲ける方法
日銀のシークレットブーツ効果はハンパない
日銀製の「シークレットブーツ」相場とは?
俗に「シークレットブーツ」と呼ばれる製品がある。普通の靴に見えるのだが、靴の内部で底が数センチ上がっていて(筆者は現物を見たことがないが、そういうことらしい)、使用者の身長を伸びたように見せる。
誰とは言わないが、有名芸能人で使用者がいるという話は、週刊誌やネットの記事で時々見かける。見映えを気にする商売にあって、数センチの差は大きいのだろう。
実は、われらが株式市場の「株価」がシークレットブーツを履いている。しかも、以前からそこそこの高さの物を履いていたのだが、つい最近、もっと高さのある物に履き替えた。
大半の読者は言わなくても分かるだろうが、シークレットブーツとは、日銀によるETF(上場型投資信託)購入のことだ。年間3兆3000億円から、6兆円に目標額が増加し、「出動日」にあっては、これまで300数十億円だったものが、700億円台に増額されたことも、ご存知の方が多いだろう。当日中には反対売買のない一方的な買いとして入ってくるのだから、この規模は無視できない。
「今日は、そろそろ出る頃ではないか」、「株価が下げたから、きっと出るだろう」などと、ともすれば相場の話題の主役に躍り出る有り様だ。
問題は、このシークレットブーツのおかげで、真の身長ならぬ、真の株価、言い換えると「自然体で形成される株価」が分からなくなったことだ。
芸能人の本当の身長が分からなくても実害はない。だが、「ETF買いがなければ、株価は幾らなのだろうか?」ということが分からない投資家の悩みは案外深い。
株式投資の基本は長期投資だ。「異次元緩和」が終わった後に、我が持ち株がどうなるのかを考えてから、株は買いたいと思うのが人情だ。結婚して(≒株主になってみて)一緒に住んでみて、靴を脱いで暮らしたら、相手はずいぶん背の低い人だった、というような事態は、できれば避けたい。
相場は「八百長!」も同然だが、投資家は当てたい
加えて、「細工」はシークレットブーツ(ETF買い)だけではない。年間80兆円の国債購入とマイナス金利政策によってマイナスゾーンにまで落ち込んだ長期金利も悩みの種だ。シークレットブーツに加えて、頭上には高く盛られたカツラまで乗っているような有様だ。益々、真の身長は分からない。
この政策がいつかは終わるだろうと予想することは当然だが、「自然に形成された長期金利を前提とすると、適正な株価は幾らなのだろうか?」という悩みも投資家には存在する。
もっとも、これらの政策をいつになったら止められるのか、止めるときに無事に済むのかを考えると、本当に悩みが深いのは日銀の方かも知れない(筆者は、さっさと財政的政策を組み合わせるべきだと考えている)。
現在、自然でない株価が形成されていることは、なにがしかの事実だ。我々の好きな競馬にたとえると、いわば、明らかに軽ハンデなのだが斤量の分からない馬が混じっているレースで馬券を買うような状況が目下の株式投資だ。
思わず「八百長だ!」と叫びたくなるかも知れないが、この八百長は、主催者公認であり、馬券は販売されているのだから、私に言わせれば買うからには当てなければならないのが、投資家であり、ギャンブラーだ。「八百長も競馬のうち」と割り切って、好き嫌いを抜きに冷徹に予想し、賭けるのが、正しい勝負師の姿だ。
しかも、人間ではまず起こらないことだが、株価にあっては、シークレットブーツを履いている間に、履いている本人の背が伸びるようなことが起こり得る。この場合に、八百長を嫌って「見」(「ケン」。馬券を買わずにレースを見ること)を決め込んで、みすみす当たり馬券を見逃すのは惜しい。
見かけ上のリスクが低下している
日銀のETF買いは、「下がっても、買いが入る」という、なにがしかの安心感につながっていることは確かだ。心理的にも影響の大きな八百長だが、主催者公認であり、ご親切にも、当面止めないことが予告されている。
そして、その他の要因も「見かけ上のリスクが低下する」方向に動いているように見える。
いわゆる「ブレグジット」(英国のEU離脱)は当面深刻な影響をもたらさないらしいことが、分かってきた。何より、英国の株価が元気だ(本当に問題なのは、むしろ欧州の側だが)。
もし米国で「トランプ大統領」が実現したら、一気に不確実性が増大しそうだったが、彼の奇妙な人気は、当面のムードとしてピークを過ぎた。色物タレントが賞味期限切れを起こしたような案配だ。トランプ・リスクも、以前よりも低下した。
原油価格の下落は、発生当初は金融的な不安要因だったが、急激に起こる問題がないとすれば、少なくとも日本経済にとって、時間の経過と共にプラスだ。
ここで、円高のリスクさえ押さえ込めるなら(日銀の今後の対応にかかっているが)、株式投資家が意識すべきリスクは、少々前よりも明らかに低下している。
ついでに、細かい問題だが、裁定取引の買い残が小さいのも結構なことだ。リスクが低下しているとは、リスクに要求される期待リターンである「リスク・プレミアム」が低下するということであり、株式のあるべき理論価値(ファンダメンタル・バリュー)は上昇するということだ。それは、シークレットブーツを馬鹿にしているうちに、実は使用者の身長が伸びていた、というような状況があり得ることを意味する。
投資のセオリーとしては、需給で無理に動かした価格は、「買い」なり、「売り」なりが止まると元に戻りやすいので、有利な賭けのチャンスは「需給対策の逆を張るチャンスを探すこと」だ。
加えて、もともとマーケットに生きる者は、神聖なる市場価格に、需給で介入しようとする「汚い手」が好きになれまい(筆者も嫌いだ)。しかし、相場でも、ギャンブルでも、張り方を決める時には、「好き嫌い」の要素を除外しなければならない。客観的には、シークレットブーツが好きでなくとも、身長の伸びに賭ける方が有利な時期が来ているのかも知れない、と申し上げておく。
日々まだまだ蒸し暑いが、明らかに夏の終わりを感じる。JRAの競馬も、中央に帰ってきた。中山第1週のメインは、予想の難しいマイルのハンデ戦、京王杯オータムハンデキャップ(GⅢ、9月11日第11R)だ。夏に走った馬の勢いが残っているか、秋に向けて始動する馬がどれだけ仕上がっているかがせめぎ合うレースであり、開幕週の高速馬場に、ハンデの影響が加わって一筋縄では行かない。1番人気が勝ちにくく、伏兵が馬券に絡んで荒れやすいレースだ。
京成杯は伏兵牝馬のダンスアミーガを狙う
今回は、伏兵牝馬、ダンスアミーガを狙ってみたい。この時期、高速馬場のマイルまでなら、父サクラバクシンオーは強い。しかも彼女は、近走、何れも人気薄から小差の4着に好走している。しかも、ここを勝つと、「サマーマイルシリーズ」のチャンピオンだ。大仕事をしてくれるのではないか。
対抗には、ハンデ(58キロ)と休み明けが嫌われて配当的な妙味がありそうなダノンプラチナを選んでみたい。大目標はマイル・チャンピオンシップ(GⅠ)だろうが、昨年秋に初戦の富士ステークスを勝っている事から見ても、初戦から要警戒だ。同馬主のダノンリバティが「サマーマイルシリーズ」チャンピオンを賭けて出走するここに、わざわざ使って来る事も不気味である。
馬の力だけなら、このメンバーではロードクエストが一番だろう。55キロも魅力的だ。しかし、この馬は、中山がホームだった親父(マツリダゴッホ)に反抗するかのように、中山苦手の、府中OKだ。ここは、次に備えた試走ではないか。試走ではあっても力はあるので、単穴とする。
以下、前走ピークの可能性があるもののハイペースを頑張って2着惜敗のダノンリバティ、右回りは初体験で勝鞍4勝全て1400mが気になるが3歳馬で伸びしろがあるトウショウドラフタ、押さえずに来ると悔しいGⅠ馬クラリティスカイを押さえることにする。
頑張れ、ダンスアミーガ!
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【私のコメント】
崖っぷちを
伸ばし続ける
上げ相場
いつまで保つか
安倍様しだい