土田晃之×池上彰対談「イスラム国が巨大化した理由と名前の由来」
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【私のコメント】
主なイスラム原理主義組織は次のとおり。
アルカイダ……反米を強調
タリバン……アフガニスタンで活動
ハマス……イスラエルと対抗 パレスティナのガザ地区の組織
イスラム国……世界変革を目指す、もともとはイラクの組織
イラクのフセイン政権(スンニ派)が倒れたあとのマリキ政権(シーア派)で、国民の多数派を占めるシーア派を優遇したために少数派のスンニ派の過激派が活動を活発化し、『イスラム国』をつくった、という説明はその通りだとしても、それではマリキ政権の失政でイスラム国ができたと受け取られかねない。
これでは世界全体の情勢を見失うだろう。
ではなぜ、それ以前のフセイン政権が倒れたのか。
そのことへの問いが忘れられている。
フセイン政権の崩壊をたどっていくと、アメリカがイラクに仕掛けた2003年のイラク戦争に行き着く。
そのイラク戦争の原因をたどっていくと、2001年の9.11同時多発テロに行き着く。
これは15年前の9.11同時多発テロに端を発している。
この9.11同時多発テロの真相解明は手つかずの状態である。
むろんアメリカの見解はあるが、そんなモノ当てにならない。
イラクのフセインはなぜ殺されたのか。
そのことと無関係にイスラム国は語れない。
スンニ派とシーア派の対立など、今の国際情勢には枝葉末節である。
本当はイスラムと西洋の対立だろう。
アメリカをはじめ西洋諸国は今やフセインのことは何も語らないが、
彼が殺されるべき理由は、近代法治国家の原則からいえば、どこにも見あたらない。
イラク国内に大量破壊兵器が見つからなかったのに、なぜフセインが殺されなければならなかったのか。
2006.12.30 イラクのサダム・フセイン元大統領、絞首刑
2011.5.2 アメリカ軍によりビンラディン殺害
2011.10.20 リビアのカダフィ大佐殺害
2013.3.5 ベネズエラのチャベス大統領、ガン(?)で死去
これらのことは100年後の歴史にどう記述されるだろうか。