ひょうきちの疑問

新聞・テレビ報道はおかしい。
2020年のアメリカ大統領選以後はムチャクチャ

製造業を捨てて、金融をいじるアメリカ

2015-01-01 21:29:54 | 国際金融

日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM16H58_Q4A231C1FF2000/

米産業界、不満広がる 日本車の競争力強化を懸念

2014/12/31 日本経済新聞 朝刊

【ニューヨーク=稲井創一】
米産業界ではドル高に不満が広がる。
「為替操作は自由貿易を損ねる」。
米ゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手3社(ビッグスリー)で構成する米自動車貿易政策評議会(AAPC)のマット・ブラント代表はこう語り、円安による日本車の競争力の強化をけん制する。

 米自動車業界では労使ともに、ドル高は日本政府・日銀による金融緩和などで意図的に作り出されたとの見方が根強い。
日米政府間の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を巡り
日本はまず最大の非関税障壁である為替操作を撤廃すべきだ
(米自動車関係者)との主張も出ている。

 IBMのシュローター最高財務責任者(CFO)は「為替は我々のビジネスにとって望ましくない方向に動いている」と懸念する。
ドル高・円安の影響で2014年7~9月期売上高は約1億ドル(約120億円)目減りした。
10~12月期は対ユーロでのマイナスの影響も加わり、ドル高が一段と業績を圧迫する。

 米日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の14年7~9月期はわずかに減収となったが、ドル高が1%売り上げを押し下げた。
スリーエム(3M)もドル高が売上高を1%強押し下げる要因だった。

 エネルギー企業に打撃を及ぼす原油安と、国際展開する企業に逆風となるドル高は米企業の業績に対する「2つの重荷」だ。
大手金融機関の間では15年の米主要企業の利益予想を引き下げる動きもみられる。


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ドル高、米当局は黙認
マネー流入で金利抑制 「強い通貨は国益」

2014/12/31付 日本経済新聞 朝刊

日経通貨インデックスで2014年の主要通貨の騰落率をみると、ドルの上昇幅は約10%で最大だ。
逆に円相場は日銀による追加の金融緩和も背景に下落が目立つ。

 敏感に反応したのが米連邦準備理事会(FRB)だ。
フィッシャー副議長は「為替レートはFRBの決定に影響する」と10月に認めた。
これを機にドル高を懸念する幹部の発言が続き、市場では
「FRBがドル高をけん制するトーンを強める」との警戒がくすぶる。

 だが、米政府筋はフィッシャー氏らの発言について
「米財務省と擦り合わせたものではなく、当局の公式見解でもない」と語る。
中国や欧州諸国に通貨安の誘導をしないよう圧力をかけてきた米財務省としては為替への口先介入を控えることが不文律だ。
同省はFRB側に不快感を示し、為替に慎重な発言を求めた。

 米国の通貨当局の関係者は今の為替の水準を巡り
「日米欧がともに経済の均衡を保つのに居心地の良い水準だ。現時点でどこからも不満は出ていない」と明言する。
別の当局者も「安倍晋三政権の誕生から現在まで米は円安に注文をつけていない」と強調する。

 そもそも最大のドル高材料は米景気回復とFRBが15年半ばにも利上げに踏み切るとの観測だ。
日米欧では「米当局は腰を据えて出口戦略を進めようとしている」との共通認識ができつつある。

 円安で日本の輸出が急増すれば米国の反応が険しくなった可能性はあるが、輸出は鈍いままだ。
オバマ政権は金融、財政、構造改革という3本の矢を束ねた「アベノミクス」を支持してきた。
日本が改革を先送りして過度に金融政策に頼るなら「円安誘導による近隣窮乏化策との批判を強める可能性はある」(日本政府筋)とみられる。

 円高が政治問題になりやすい日本と異なり、米議会・政府内ではドル高による米経済への恩恵が大きいとの声も目立つ。
安定したドル高基調は
原油とガソリンの値下がり → エネルギー以外の消費の拡大 → 成長率の底上げ
という好循環を生むとの見立てからだ。

 米当局には「双子の赤字」でドルの信認が著しく低下した1970年代後半の苦い記憶があり、
「クリントン政権下のルービン財務長官以降、『強いドルは国益』との大方針が政府内で受け継がれている」(米財務省高官)。
現在のルー財務長官も決まり文句のように国益に言及する。

 経常赤字は縮小してきたとはいえ、なお米国は巨額のマネーの調達を海外に頼らざるを得ない。
ドル高による基軸通貨体制の堅持が米経済の生命線ともいえる。
足元では「ドルが一段高となっても米当局は容認姿勢を崩さない」(国際金融当局者)との観測が優勢だ。