Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

『特定秘密保護法案』の別の問題・殺人ロボット規制キャンペーン

2013年11月13日 | 国際・政治

特定秘密保護法案には、国民の「情報を知る権利」や、「一般人でも、逮捕されてしまうことがある」という恐れが前面にでていますが、冷泉氏がコラムに書かれている問題については、あまり大きく取り上げられていません。

それにしても、ブッシュ大統領が「イラクに大量破壊兵器がある」というのが真実であるかのように国民や同盟国をだましてきたように、特定秘密保護法が成立したら、日本政府が国民に嘘をつくのもより容易くなることでしょうね。

コラムのリンクと全文貼り付けます。

ニューズウィーク(20131112日)

特定秘密保護法案、どうして「今」なのか?

By 冷泉彰彦氏

http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/11/post-602.php

この問題ですが、海外と秘密を共有する際に、日本も流出防止の法制が必要だというのが今回の法制化の根拠として言われています。そして、その秘密情報を共有する主要な相手国として、アメリカが想定されています。ですが、そのアメリカから見ると、どうして「今」必要なのかが、どうしても理解できないのです。三点、疑問を提起しておきたいと思います。

 一点目は、この間の「テロとの戦い」において、秘密情報の共有ということは、果たして良い結果を生んだのかという問題があります。例えば2003年のイラク戦争の開戦に当たって、アメリカのブッシュ政権は「サダム・フセインが大量破壊兵器を持っているという証拠」があるとして、それを「一般には公開しない」ことを条件に「同盟国の首脳には見せた」という経緯があります。

 現在はこの情報は虚偽であったというのが米国政府の公式見解であり、ブッシュ大統領(当時)本人も情報が誤りであったことを認めているわけです。では、どうしてブッシュ政権は02年から03年にかけて「首脳に限定した機密情報」として共有化を図ったのかというと、「戦端を開くにあたって敵に手の内を見せたくない」からではなく「広範な一般の世論の批判に耐えるものではないが、内輪の首脳同士には根拠を示すという仁義を切りたい」という性格のものだったと推察されます。

 この種の「情報」に関しては「法制が不備だから教えてやらない」という「イジメ」にあうのはむしろ国家として誇ってもいいわけで、仮にこの間の首脳外交が、この種の「同盟国の政府内部限定のマル秘情報」に関して「お願いだから教えて下さい」的な土下座外交をやっていたのだとすれば、その「首脳同士」あるいは「外交当局間」の個人的人間関係が「非対称」であったと推察されるわけです。

 この点に関して「今度は法制を整備したのでブツブツ言わずにサッサと教えて下さいね」ということになったら、その「非対称性」は解消されて「対等で健全な外交」が可能になるのでしょうか? また「数年で真実でないことが明らかになるニセ情報」に振り回されるリスクは減るのでしょうか? どちらも「ノー」だと思います。

 二点目は、その「テロとの戦い」において、アメリカはまだまだ国内法、国際法から見て違法性の高い行動を続けているという問題があります。典型的な例が「無人機(ドローン)」によるテロ容疑者の超法規的な「暗殺」作戦です。こうした問題に関しては、国際社会による何らかの取り決めがまず必要であり、そうした「法制度」が完備しないうちから「機密情報を共有する」という形で、同盟国がコミットしてゆくのは危険だと思います。

 例えば、アメリカがドローン作戦を続行して無反省であることは、中国が「俺達もやっていいだろう」ということで東シナ海上空でドローン作戦を活性化することへの「言い訳」になってしまう構造があるわけです。そうした法的な曖昧な状態の、しかも今後の展開によっては国家間の緊張を高める危険性のある「秘密作戦」に関する「秘密情報」には深入りしないほうが賢明だと思います。

 三点目には、アメリカのNSA(国家安全保障局)による違法なネット盗聴行為に関する真相解明や、透明化が全く進んでいないということです。この問題に関しては、多くの国が不満や疑念を持っているわけであり、そのような状態のままで「米国の持っている秘密情報を共有したい」ということを強く打ち出すのは、極めて不自然であると思います。

 いずれにしても、国家ではない私的な集団の犯罪行為に対して、その予防と摘発行動が戦時国際法上の「戦争」であるという強引な法解釈を行って、様々な論理破綻を来しているアメリカの現状を考えると、「今」というタイミングには疑問を感じます。情報、あるいは機密情報というものの扱いに関して、2001年以来現在に至るまでアメリカでは明らかに「異常事態」が続いているのです。

 そうした時期に日本が国論を二分してまで「アメリカ政府の安心するような罰則規程」を設けて「米国の持つ秘密情報」を共有したい、そのような国家意志を表明することにはメリットは少ないと思うのです。

さて、ところでコラムに無人爆撃機のことも書かれていますが、やっと、殺人ロボット開発の規制を求める運動が活発化しているようです。

記事のリンク

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131106/k10015856641000.html

はなぜかエラーとなって表示されませんが、2011116日のNHKの記事を貼り付けます。

(ライブドアブログ『おやじの気になるちゃんねる:殺人ロボット』からコピーさせてもらいました。これも転載の転載のようですので、リンクは省略させてもらいます。)

人間の判断なしに攻撃を行う、いわゆる「殺人ロボット」が登場することへの懸念が高まるなか、殺人ロボットの開発阻止を訴える国際的な団体の代表が外務省を訪れ、開発を禁止する条約の制定に向けて日本政府の協力を求めました。

遠隔操作で敵を攻撃する無人機は、すでにパキスタンなどで対テロ戦争に投入されていますが、さらにアメリカやイスラエルなどは遠隔操作がなくても動く兵器の開発を進めていて、人間の判断なしに攻撃を行う、いわゆる「殺人ロボット」が登場することへの懸念が高まっています。

こうしたなか、殺人ロボットの開発阻止を訴える国際的な団体の代表で来日しているピーター・アサロ氏が6日午後、外務省を訪れ、野口泰軍備管理軍縮課長と会談し、開発を禁止する条約の制定に向けて日本政府の協力を求めました。会談のあとアサロ氏は、「日本が持っているロボット技術の豊富な知識を条約に生かしてほしい」と述べ、この問題で日本が主導的役割を果たすことに期待を示しました。

殺人ロボットを巡っては、今月中旬に日本を含む110か国余りが参加してジュネーブで開催されるCCW=特定通常兵器使用禁止制限条約の締約国会議でも議論されることになっています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

閑古鳥が鳴く老舗、閑古鳥がやがて来る国

2013年11月13日 | 友人・知人

昨夜は、イタリアから来日中のマリアさんと、友人Hとトモエさんと食事をしました。

マリアさんのスケジュールがなかなか確定しなかったこともあって、お店を選んでいる状況ではなかったところ、彼女の希望が天ぷらということで、急遽新橋駅から近い老舗の天ぷら屋を予約。

ここのお店は私も友人達も利用したことがなかったのですが、『老舗』であるから大丈夫だろうと勝手に思い込んでいました。

が、天ぷらは衣が厚く、しかも冷めているし、仲居さんは愛想がないだけでなく、逆に客より偉そうな態度。

(唯一フロアマネージャーのサービスや心遣いが「老舗」の名に恥じることがなかったのがまだ救いです。)

私たちが利用したフロアーは、月曜日ということもあって、ガラガラで、「これで、採算がとれているのだろうか」と心配するほどですが、これでもつぶれないのは、私たちのように『老舗』の名前に安心してしまう客がいるためか。

Hがマリアさんに、「天ぷらはいかがでしたか?」と聞くと、マリアさんは「美味しいわ」と言ってくれていましたが・・・・私は、「こんな天ぷらではなくて、もっと美味しい天ぷらを食べさせたかったな」と思い、後で聞くに、やはりHなどもそう思ったそうです。

『なんちゃって日本料理』を海外ではなく、東京の一等地で体験した気分になりました。いくらなんでも老舗に恥じない調理人はこのお店に入るはずですが、上客以外の料理は適当なのか。(階や部屋によってメニューが違います。)

まあ、お料理やサービスは今一つとはいえ、私たちが利用したところには、利用客が私たちしかいなかったおかげで、存分大きな声で(私の下手な英語も混じり)おしゃべりを楽しむことができたのは、幸いでしたけど。

さて、個人経営の天ぷら屋と違って、国や都市が「老舗の暖簾に胡坐をかく」になってしまった場合、これは取り返しがつきません。

ニューズウィーク(2013.11.12)

新国立競技場が神宮の森を破壊する

By レジス・アルノー

http://www.newsweekjapan.jp/column/tokyoeye/2013/11/post-755.php

 1964年の東京オリンピックほど、開催都市に影響を与えたオリンピックは少ない。今の東京の姿は基本的に、あの頃につくられた。64年の日本といえばスタートラインに就いたばかり。国民の年齢中央値は約26歳で、第二次大戦中の空襲で焼け野原になった東京は不死鳥のごとくよみがえろうとしていた。

 後藤・安田記念東京都市研究所によれば、日本は年間予算の3分の1に当たる約1兆円をオリンピックに費やした。今日の約70兆円に相当する額で、大半は新幹線や首都高速道路、地下鉄の建設に使われた。


 64年は、日本の製造業が目覚ましい成長を始めた年でもある。65年から85年にかけて自動車の輸出台数は35倍に、テレビの輸出は148倍になった。文化的創造力も発揮された時代だ。市川崑監督のドキュメンタリー映画『東京オリンピック』は、当時の日本がいかに独創的だったかを証明している。

 そして今、日本はゴールに近づいている。年齢中央値は約45歳で、2度目の東京五輪が開催される20年には48.2歳になる。64年当時の2倍近くに老けるが、それでも五輪によって東京という都市は新たに輝くだろう。

 だが、街が破壊される危険もある。不動産開発業者は東京をコンクリートで埋め尽くそうとしている。彼らが計画しているのは、カジノの建設と神宮外苑の周辺を破壊することだ。

 神宮外苑に関して言えば、ザハ・ハディドが設計する新国立競技場が一帯の景観を台無しにしてしまうだろう。新競技場の総床面積は東京ドームの約2.5倍で、オリンピック史上最大。高さ70メートル、収容人数8万人に上る。総工費は1300億円と見込まれていたが、10月になって3000億円に膨れ上がる可能性があると報じられた。日本が膨大な政府債務を抱えるこの時代に、だ。

 東京はバブルから何も学ばなかったのか。この建築計画は、日本のメディアの沈黙の中で承認された。計画に疑問を呈する勇気があったのは、槇文彦ほか数人の建築家だけだ。

(後略)

老舗天ぷら屋が、味やサービスを落として落ちぶれたりしても、それは努力次第でまた元のようなお店によみがえる可能性はあります。

努力をしなければ、結局はつぶれるだけの話。

が、一度破壊をしてしまった都市景観や自然は、元に戻すことは容易ではないばかりか、これはウィルスが広がるように、破壊は拡がっていき、同時に『東京』を素通りする外国人も増えていくことでしょう。

しかも、この破壊をする側は利益を得る一握りの人たちがいて、破壊とともに債務を後世荷まで押し付けるので、たちが悪いです。

参考:

無料航空券バラマキより効果があること

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20111107

ビルの隙間の日本家屋-旧市街のない美しい国(?)

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20130912

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする