『ビフォア・サンライズ・恋人までの距離』という昔に観た映画を、GYAOで配信しているので、昨夜また観てしまいました。
これは、旅の列車で知り合った若いアメリカ人男性ジェシー(イーサン・ホーク)とフランス人女性セリーヌ(ジュリー・デルビー)が、ただしゃべりながらウィーンの街を散策していくうちに、相手が自分にとって大変居心地の良い存在に思えてくる、という映画です。
恋人までの距離~というと、あたかも安っぽい恋愛映画のように聞えますが、この二人には“恋人”というより“Soul mate”という言葉が似合います。
さて、列車の中から始まるこの二人の会話のなかには、『生と死(死への恐れ)』『人生観』『宗教について』『精神と肉体年齢のギャップ』『男女』『怒りを感じること』といった話もでてきます。
話をしているのは、両親が離婚して「自分は望まれない子だった」と思ってはいるものの、ごく普通の明るいアメリカの好青年と、裕福で現実的すぎる親と、ハンガリー人の祖母を持った、ソルボンヌ大に通うパリジェンヌ。
日本人など、そもそもこうした話を人にすることが一般的ではないので問題外でしょうが、アメリカ人やフランス人であっても、初対面同士でこういう話が自然にでき、しかも共感できる相手とめぐり合うことは、確率は低いことでしょう。
映画を観ていると、ジェシーとセリーヌが、なぜこんなに数時間のうちに、深く相手を愛おしく思えてくるのが、手に取るようにわかります。
さて、“Soul mate”ですが、これは別に男女や恋愛関係に関係なく、いくらでも持つことは可能であると私は思っています。
もちろん本人が『心の中で深く考えることが好きな人』であり、「相手に完全を求めない」という条件つきです。
何故、こうも確信を持って書いているかといえば、私は、何人か”Soul mate”と思える人達(日本人、外国人共)にめぐりあっているからです。
その中の一人のドイツ人ペンフレンドのトーマスさん(心理学者)は、まだ文通を始めて1年半ですが、現在は一番と言えるかもしれません。
ジェシーとセリーヌ-生憎、トーマスさんにも私にも良き伴侶がいるので、二人のような恋愛感情は浮かんでこないでしょうが、もし私達がウィーンの街(別にドイツでも日本でもよいんですが)を散策するようなことがあったら、映画の二人のように、話が途切れることもないと思いますし、逆に黙っていてもその時間さえ楽しめそうです。
(・・・ま、トーマスさんはともかく、私の『英会話能力』を何とかできたら、の話ではあります。)
蛇足ですが、この映画、『ビフォア・サンライズ』の9年後を描いた、『ビフォア・サンセット』も、GYAOでは配信中ですので、年末年始のお休みにでもどうぞ。
それから、『心をshareできる相手』『気兼ねなく何でも話せる相手』を、外国人(私の独断と偏見的お薦めはドイツ人)から探すこともしてみたらいかがでしょうか。日本人同士だったら気恥ずかしくて話題にできない哲学的な話も、外国人相手ならしやすい場合があります。
良い相手にめぐり合ったなら、下手な外国語でも不思議と意思の疎通に支障をきたしません。
参考:『海外文通をしてみては?』