アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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「すき家」でバイト労組結成

2006年11月23日 11時18分13秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
・すき家:アルバイトが労組結成 牛丼チェーン(毎日新聞)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061110k0000m040076000c.html
・牛丼「すき家」に労組 バイト青年 解雇撤回させる(しんぶん赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-11-10/2006111001_03_0.html
・牛丼チェーン「すき家」に労働組合「すき家ユニオン」結成しました(首都圏青年ユニオン)
 http://www.seinen-u.org/

 この間、教育基本法改悪阻止の課題から目が離せない状況が続いており、他にも書きたい・書かなければならないエントリーがあるにも関わらず、なかなかそこまで手が回りませんでした。教育基本法の問題は今後も集中的に取り上げていきますが、その他のエントリーも随時アップしていこうと思っています。

 今回は遅まきながら、牛丼チェーン「すき家」の東京・渋谷の店舗で働いているバイトが6名で11月9日に労働組合を結成した―というニュースについて。この労組結成に至る経緯は、店舗改装リニューアルを口実にした雇止めで、解雇されそうになったバイトが首都圏青年ユニオンに駆け込んで労組を立ち上げた―というものです。

 この話題ですが、実はこの前に職場の休憩室での雑談の中でも少し出ていました。話題を振ってきたバイトは「吉野家でバイト労組結成」と言っていたのですが、多分「吉野家」は「すき家」の間違いで、前述のニュースの事を指していたのだと思います。

 そのバイト曰く、「実際には、バイトの中には繁忙期でもお構い無しに仲間と釣るんで一斉に有休を取った奴もいるのに、恰も会社が全面的に悪いかのように言われている」との事。だから店舗改装リニューアルを口実にした指名解雇も致し方ない、という事らしいです。
 そりゃあ、バイトの中にも色々在り、中にはそういう不届き者もいるでしょう。みんなが一斉に休まれたのでは、仕事が回らなくなるのは当たり前です。それは、お互いが出来るだけ調整しあって、みんなが満遍なく有休を取得出来るようにすれば良いだけの話です。それでバイト同士で話がまとまらなければ、店長などの現場管理者が最終的に有休取得時季変更権を行使すれば、それで済む話です。

 若しそのバイトの言う「一斉有休取得」の話が本当であったとしても、そういう有休所得時期の調整なり時季変更権行使の手順を踏みもせず、いきなり店舗改装リニューアルを口実にした解雇というのは、話の筋が通りません。両者は全然次元の違う別の話です。
 店舗が改装される度に雇止めの不安に怯えなければならないようでは、おちおちマトモに仕事など出来ません。これは完全な解雇権の乱用です。

 「整理解雇の4要件」というのがあります。次の4つです。

 (1) どうしても整理解雇をしなければならないほどの経営状態にあることが証明されること。
 (2) 解雇を回避するためにあらゆる努力がつくされたこと。
 (3) 解雇対象者の人選基準が客観的で合理的であること。
 (4) 労働者および労働組合と事前に協議をつくすなど、解雇にいたる手続きに合理性・相当性があること。
 http://www.tcn.zaq.ne.jp/njlu/page018.html

 企業が整理解雇を行うに当っては、上記の4要件を必ず満たしていなければならないのです。この4要件を満たさない整理解雇は全て不当解雇です。それ以外の、「有休の使い方」などという、個人的主観に基づく価値判断が介在する余地などはありません。それでも「使い方」云々を言うのであれば、有休100%取得という本来の正しい「使い方」がされていない現状こそ、真っ先に問題にされるべきです。

 日本マクドナルドやケンタッキー・フライドチキンなど、今まで「労組不毛の地」とまで言われてきた外食産業の職場で、労組結成の動きが相次いでいます。いずれも、諸手を上げて歓迎すべき事です。
 有休など絵に書いた餅でなかなか取れない職場や、有休取得の権利すら認めない違法職場の方が、実際には圧倒的に多いのです。一部の不届き者の事例だけをことさら取り上げて、正当な権利行使まで十把一絡げに「ごね得」呼ばわりするような議論には、騙されないようにしなければ。

 それよりも私が気になったのは、その職場が、あのゼンショー系列の「すき家」であった事。ゼンショーは、一般営利企業でありながら、BSE対策が皆無の米国産牛肉は取り扱わない旨の経営方針を貫くなど、一本筋を通した所があったので、私としても陰ながら応援していたのですが。

・安全な食の提供がゼンショーの使命(株式会社ゼンショー)
 http://www.zensho.co.jp/fspu/pdf/051209.pdf
・今再び、米国産牛肉は安全なのか?(同上)
 http://www.zensho.co.jp/fspu/20060915.html

 これは単に「良い事もしているが悪い面もある」という事なのか、または生協などの民主経営でよく見られる「運動面では非常に先進的な役割を果たしているが、それは職員の一方的献身によって成り立っている」「内部経営は資本主義的手法そのもので、しかも運動的性格を盾にとって私企業以上の搾取がまかり通っている」という「本来理念と実際経営との乖離」問題なのか、はたまた自動車製造・原発・エネルギー業界などが行っているエコロジーや植林事業の宣伝の様に「悪い面を覆い隠すために良い事もアリバイ的にやっているだけなのか」、そのどちらがより本質的な面であったのかは、今は何とも言えませんが、「良い面を更に強めて悪い面を払拭」していくためにも、労働者や消費者による企業監視が必要です。

 最後に蛇足ですが、ゼンショーは、大阪近辺では「すき家」ではなく、「なか卯」で主にチェーン展開しています。「すき家」の店舗も一部にはあり、わざわざ試食もしに行きましたが、残念ながら味は「なか卯」や「吉野家」よりはイマイチでした(心なしか食感がパサパサしていた)。「なか卯」は、味はソコソコで吉野家とも遜色が無いのですが、メニューが限られているので、何度も行くと仕舞には飽いてきます。
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