アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

オカズ1品のみ僅か1食200円の弁当で

2007年08月17日 23時56分56秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
 以前放送していたテレビドラマ「ハケンの品格」の中で、主人公たち派遣社員・正社員が集まって自社ブランドの派遣社員弁当を売り出す場面がありました。1食500円の価格設定の下で、どれだけ派遣社員に支持されるランチを作るか、すったもんだするという話の展開でした。
 しかしその後、今の派遣・請負労働者の置かれた現実は、そんな甘いものではないという事を、やがて自分の身近に垣間見る事になろうとは、その時はよもや思いませんでした。

 最近ウチの職場に入ってきたバイトがいます。仮にH君としておきましょう。そのH君は40歳前後の独身男性で、何と簿記一級の資格を持っています。そんな資格保持者が何故またよりによってウチみたいな3K職場に来たのかと、最初は私も訝しがっていましたが、どうしてどうして、そんな即戦力系の「他に潰しが効かない」資格を多少持っていた所で、求人数自体が少なければ屁のツッパリにもならないのだそうです。

 そのH君の毎日のランチというのが、語弊があるのを承知で言えば、私から見たらもう耐えられない代物なのです。近所のスーパー玉出で買った100円のパック入りご飯と、同じく100円の惣菜(揚げ物・煮しめ・玉子焼などから1種類だけ)の、たった200円のランチなのです。ちなみにスーパー玉出というのは、大阪を中心に店舗展開している、1円特価などの激安で知られたスーパーです(記事冒頭の写真参照)。東京圏で言えばドンキホーテとほぼ同じコンセプトの業態という所でしょうか。

 しかし奴隷じゃあるまいし、毎日オカズ1色とご飯だけの200円のランチなんて、私には耐えられません。斯く言う私も、特に失業中は毎日のランチを必ず500円以内に押さえていたので、そうせざるを得ない状況というのはよく分ります。当時は私も、菓子パン1~2個やおにぎりやカップ麺で、毎日のランチを済ませていました。しかし、当初こそ何も感じないものの、そんな毎日を1ヶ月も2ヶ月も続けていると、次第に食欲自体が減退してきます。これは単なる量の多寡から来る不満ではありません。食べられるランチの種類が限られてくるので、やがて飽いて来るのです。そんな食事が何日も続くと何を食べても旨くなくなり、まるでエサを食べているような感覚に陥ってきて、最後には生きがいすら感じられなくなります。私の言っている事がウソだと思う人は、一度数ヶ月試してみたら良い。

 そういう経験をしてきたので、私は、家計のやり繰りをする上で食事面を犠牲にするのは、極力避けるようになりました。これは別に私が大飯食らいとかでは無くて、たとえ少量でも構わないから、自分が食べたいと思うものを自由に選んで食べたい、という事です。私なら、たとえH君と同じ弁当を買うにしても、あと100円出しても即席の味噌汁か何かを付けるでしょう。だからなかなか貯金も出来ないのでしょうが。私なんかがネットカフェ難民になったとしたら、一体何日持つのやら。

 そういうのを身近に見てきている自分の生活感情や目線からすると、この間マスコミを賑わしている小池百合子防衛相と守屋武昌事務次官との間の省内人事を巡るいざこざなんて、もうアホらしくて論評する気にもなりません。もう「一体どこの世界の出来事?」という感じで。軍人上がりの佐藤某による文民統制違反・イラク侵略戦争加担・戦争誘発発言問題で自分たちの足元に火がついているというのに、いい気なモンです。

 手続き論だけで見れば、パトロン安倍の力(実際はもう無きに等しいですが)を未だに嵩に来ての小池の手続き無視の暴走ぶりに、より問題があるようにも思いますが、庶民の生活困窮からは凡そかけ離れた所で痴話喧嘩レベルの権力闘争に耽っているという点では、二人とも「どっちもどっち、同じ穴のムジナ」でしかありません。そんなに戦争に巻き込まれたければ、自衛隊を全て撤退させた後に、己ら二人と安倍の三人でイラクへ行って、国際貢献でも米軍協力でも何でも気の済むまで勝手にやれば良い。それでたとえ殺されたとしても当人の自己責任です。そうして、ブッシュ・ネオコンも安倍靖国派もアルカイダもみんな共倒れ・自滅してくれれば、もう言う事なし、それでこそ真の国際貢献です。少なくとも、イラクやその他の国の他の人間まで一方的に戦争の巻き添えにされるよりは、よっぽどマシです。

 そして、その小池・守屋以上にムカつくのは、そういう庶民生活の困窮をまるで「どうでも良い事」、甚だしくは「平和ボケ」などと揶揄する一部論調に対してです。このオカズ1品僅か1食200円弁当の生活を余儀なくされているH君や、以前NHKの格差・貧困特集番組にも登場していた、新聞購読を取りやめパソコンも処分してダブルワークでへとへとになりながら子育てしている母子家庭の問題などの、一番身近な人権問題を放置・無視しておいて、何が拉致被害者や北朝鮮人民の人権か、日本の国家主権か。食べる物に満足にありつけず情報入手や政治参加の権利も奪われているという点では、北朝鮮難民も日本のワーキングプアも、本質的には同じ境遇に置かれているにも関わらず。そんな紛い物の「美しい国」なら、たとえ消えて無くなった所で誰も悲しみません。

 それに対しては、「いや、日本には餓死も強制収容所も無いではないか」(実際には今の日本でも餓死者は多数出ています)という人も中には居るかもしれませんが、私に言わせれば、そういう考え方こそ「下見て暮らせ」何とやらの最たるものです。そうして現実を隠蔽しながら、「今の与党の政治は素晴らしい」だの「格差はあって当然」だの「ワーキングプアは自己責任」だのと言いたいがために、拉致被害者や北朝鮮人民の人権をダシにしているだけではないですか。本当に彼の人たちの事を思うならば、こんな「下見て暮らせ」何とやらのチンケな考え方ではなく、「万国の被抑圧者、団結せよ」という考え方になる筈です。

 その一方の問題に対して「どうでも良い」などと言ってのけられる感性そのものが、私には信じられません。そんな人は、偉そうな事を他人事みたいに言う前に、1食200円や最低賃金ギリギリの生活を自分も数ヶ月体験してみたら良いのです。若し数ヶ月経っても同じ事が言えるとすれば、その人はそれはそれで、よっぽど鈍感で御目出度い人です。
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3 コメント

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プレカリアートさんの指摘に激しく同意 (まこと)
2007-08-18 06:33:05
以前、生活保護の老齢加算廃止を「生存権侵害」だとして政府を相手に訴訟を起こした松島松太郎さんも、以前青年法律家協会主催の集会で、「老齢加算廃止後はなるべく安い食べ物を探すために毎日スーパーを探し回る生活をしているが、毎日安いものばかり食べていると体からパワーが無くなるし、スーパーを駆けずり回っている自分に情けなくなってくると言っていましたね。

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青年工作向けのビジュアル雑誌 (南雲和夫)
2007-08-19 09:30:08
晋遊舎という、あの『マンガ嫌韓流』を刊行した出版社が、今度は青年工作向けのビジュアル雑誌を刊行しました。

http://www.shinyusha.co.jp/thread/

 表紙は、一見するとグラビアアイドルの写真がドアップで、なんと言うこともないような雑誌なので、ついつい見逃してしまいがちなのですが・・・。

「スレッド」というタイトルのこの雑誌は、「「右」も「左」もわからないアナタのための新雑誌スタート!!!! 」というテーマで、下記のような内容の記事を掲載しています。

「 ◆マスコミ、政治家、財界人、文化人、市民団体...etc. 特集『日本を売っちゃった人々』◆あんな仕事で年収1000万!?「隠れセレブ」の華麗なる日常◆「最底辺大学」の憂鬱 ほか」

 しかも、記事の中では なんと青年ユニオンやいわゆるフリーターなどの新たな労働運動について、「捜査関係者によると・・・」(どうも公安部か?)という書き方で、いわゆる左翼勢力との関係について言及させ、これらの運動がいかにも「ヤバソー」な連中の運動と関わっているような書き方でした。
 一見、「人畜無害」な青年向けのグラビア雑誌を装い、その中では新旧左翼勢力や新たな労働運動、青年運動の芽生えに打撃を与えるかのような公安情報を垂れ流し、若い読者にこれらの運動への警戒心を与える―このような情報操作が、徐々に浸透しつつあることに、もっと関係者は留意すべきです。
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犬は吠えても歴史は進む (プレカリアート)
2007-08-22 22:28:04
>青年工作向けのビジュアル雑誌 (南雲和夫)
>晋遊舎という、あの『マンガ嫌韓流』を刊行した出版社が、今度は青年工作向けのビジュアル雑誌を刊行しました。

 ああ、あの表紙のデザインがサイゾーのパクリではないかと言われている、例の雑誌「スレッド」ですね。まずは晋遊舎のHPでその雑誌のコンテンツを確認しましたが、まるでネットウヨクの言説そのものですね。以前ウチの旧掲示板やsinkenさん所にちょっかい出しにきた「バカイホウシャ」や例の「ギャハハハハハー」投稿を、もう少しお上品に仕立て上げただけの文章をかき集めて、それで一つの雑誌にしただけで。
 こんなので雑誌が作れるのなら苦労は要りません。晋遊舎も、会社の儲けはゲームソフト攻略本とかインド式計算法とか、そういう元々の得意ジャンルできっちり確保した上で、あくまで売り抜け&話題性提供が目的でこの雑誌創刊に踏み切ったのでは。

 雑誌の内容も、ある事ない事ごちゃまぜにして揶揄・中傷しているだけなので、いくらでも「まぜっ返し」で対抗出来る、そういうレベルの内容でしかない。例えば、

・コイツらの発言に気をつけろ! 永久保存版・ネオリベコン紳士名鑑 日本国憲法と庶民の暮らしを売っちゃった人々
・あんな地方の実家が議員事務所!? 格差社会に君臨する真の勝ち組たち 「隠れホリエモン」たちの華麗なる日常
・参院選惨敗で、自民・公明の権威が失墜中!? 「化けの皮が剥がれたネットウヨ」の憂鬱
・若者を狙う"脱2ch"時代の活動スタイル 二番煎じネットウヨのつくりかた

・・・とかね。
 http://www.shinyusha.co.jp/thread/

 第一ほら、この手の人たちって、これだけ小泉・安倍政治の化けの皮が剥がれて来ても、「実は安倍さんは強いんだ、参院選ではきっと巻き返す」とかネットでしきりに言ってませんでした? しかし実際は、いくらネットで情報操作した所で、所詮バーチャルはリアルを凌げず、「犬は吠えても歴史は進む」だった訳で。

 ただ、この手の言説が今の世の中に一定影響を及ぼしているのも確かなので、参考のために私も買いました、その雑誌。680円あればソコソコちゃんとした定食が食えるのに、わざわざお金を出して。癪だったけれど、雑誌って売り切れたら直ぐ返本されて、本屋でも図書館でも後でゲットするのは意外と手間がかかるので。

 それで少しパラパラっとめくってみたけれど、確かに突っ込み所は幾つもあります。例えば、朝鮮総連も中核派もJR総連も首都圏青年ユニオンも全てごっちゃにして、「左翼は格差社会批判をダシにして日本を乗っ取ろうとしている」とか色々ゴチャゴチャ書いていますが、ではそういう雑誌編集子は、現実の格差・貧困問題について、「左翼とは違う立場から、どういうアプローチをしようとしているのか、どう解決しようと考えているのか」を知ろうとしても、そういう一番肝心な内容は何も無い。せいぜいが「現実には格差・貧困なんて無い、それは左翼のプロパガンダにしか過ぎない」とかいうハグラカシ&政府・財界の提灯持ちが行間から読み取れるだけで。

 だから、あんまりコイツらの言説を必要以上に買いかぶる事はないと思います。但し全く無視する訳にもいなかいので、今週の休みには、じっくりこの雑誌を読ませてもらった上で、必要な点について逐一批判していく事にします。
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