アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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ヤクザの恫喝に謝罪は一切不要

2016年05月15日 21時32分01秒 | 二大政党制よりも多党制


 神奈川県議会で執拗な共産党バッシングが行われています。
 これまでの詳しい経過については、ツイッターのまとめサイトや、共産党県議団の声明・「しんぶん赤旗」等の記事を参照して下さい。
 
 地元の神奈川新聞やIWJなどネットメディアによる情報発信と、それに応えた市民による「言論封殺を許すな」の抗議行動の広がりによって、すんでの所で、代表質問の封殺という最悪の事態は免れました。しかし、まだ問題の火種は残っています。何故なら、本来なら単なる「言いがかり」にしか過ぎない県政与党(自民・民進・公明・保守系諸派)による「共産党による議会ルール無視」という口実が、いまだに議会内でまかり通っているからです。その為、本来なら恫喝の加害者として糾弾されなければならないはずの県政与党が、逆に野党の共産党を追い詰める構図が、今も無傷のまま温存されています。

<先の県議選で共産新人6人当選 → 県議会のベトナム視察を無駄使いと批判 → それを逆恨みした県政与党による陰湿な共産党いびりが始まる → 他方で、共産党県議団も新人ばかりの為に、議会内の取り決めに精通しておらず、細かなミスを連発 → それで、かさにかかった与党が、「共産党のミスによって議事が混乱した」と難癖をつけ、同党の代表質問を封殺にかかる。>

 これが、この間の大まかな経緯です。その代表質問の封殺については、深夜の開催にも関わらず県議会議会運営委員会の傍聴にかけつけた市民の目もあって、かろうじて封じ込める事が出来ましたが、その代わりに「共産党に猛省を求める決議案」が可決されてしまいました。

 でも、共産党が一体どんなミスをしたと言うのでしょうか?
 確かに、そのミスの中には、「特別委員会の議案採決で賛否を間違える」と言った、これではたとえ新人議員であっても問題にされても仕方ないような初歩的なミスも、あるにはあります。しかし、このミスも、後の本会議で議員が訂正・謝罪した事で、その場では収まったはずです。それを何日も後になって、自民党が蒸し返して来ています。

 また、ある共産党県議のブログ記事が問題になっているようです。今はもうそのブログ記事は削除されてありませんが、新聞記事の写真やツイッターの画像などに今も記録が残っています。私もその記事を読みましたが、議会報告として「×月×日に議長選挙や所属委員会の割り振りなどの人事案件が採決されます。これから新人議員として頑張るぞー!支持者の皆さんも応援宜しくお願いします」という趣旨の事が書かれていただけでした。これが「議決前の案件を事前に漏らした」と問題にされているようです。
 しかし、この程度の事も書けないで、一体どんな議会報告が書けるのか?そんな事を言い出せば、TPPの黒塗りの情報開示(実際は隠ぺい)も、「交渉中なので情報公開できない」と言って、のらりくらりと逃げている自民党政府を、一切批判できなくなってしまいます。公益通報そのものが出来なくなってしまいます。そのくせ、国会にはTPPの交渉経過が一切明らかにされずに、与党議員によるリークや手記の内容だけが独り歩きしている現状については、一切おとがめなしです。事前のリークが問題だと言うのであれば、一県会議員の何の変哲もないブログ記事の内容よりも、むしろ、そのような秘密主義の横行や国会軽視の方が、よっぽど国益に関わる重大問題ではないでしょうか。民進党は、この問題では与党を批判しているくせに、神奈川県議会では与党と一緒になって、共産党叩きに加担しています。それでよく「民」と共に「進む」なんて臆面もなく言えるものです。

 はっきり言って、「書かれるのが嫌なら、書かれるような事をしなければ良い」だけです。「何もやましい事をしていなければ、別に何を書かれても問題はないはず」です。それが明らかな事実誤認や名誉棄損でない限り。「×月×日に議長選挙や所属委員会の割り振りなどの人事案件が採決されます。これから新人議員として頑張るぞー!支持者の皆さんも応援宜しくお願いします」といった内容の、一体どこが事実誤認や名誉棄損に当たるのか?
 日本は立憲主義に基づく法治国家です。「言論・表現の自由」を保障した憲法の下で、それを具体的に保障していくための法律や条例、規則が制定されているはずです。たとえ現実がどうあれ、建前上は。その中で、もし議会の制定した法律や条例、規則が憲法の趣旨に反したものであるなら、その規則自体が無効になります。「情報を事前に漏らした」と言うのが規則違反だと言うなら、そんな規則こそ、「言論・表現の自由」を保障した憲法に違反しています。そんな規則や取り決めなぞ、違憲立法として最初から断固として撥ね付けるべきでした。

 ところが、共産党県議団は、このブログの件についても、最初に謝罪してしまっています。別に何も問題ないのに。だから、それが後々まで尾を引いて、あわや代表質問の封殺一歩手前まで行ってしまったのではないでしょうか。
 確かに、地方議会も、公務員や学校、生協と同じくらい閉鎖的な世界です。そこでは、他の世界では通用しないような、特殊なルールやボス支配がまかり通っていたりする事が多々あります。それを、先の選挙で躍進したとは言え、たかだか6人ぐらいの新人議員だけで改革するのは至難の業でしょう。だからこそ、共産党県委員会や中央委員会の指導が求められるのですが、それがどこまで為されていたのか、はなはだ疑問に思います。この問題が「しんぶん赤旗」に載るようになったのも、つい数日前からです。

 また、これは共産党だけが悪いのでしょうか。他会派の先輩議員や、議会事務局の指導やレクチャーはどうだったのか。先の選挙で初当選の新人議員の中には、それまで市議会議員だった人もいるようです。そういう人は、県議では一年生でも、政治家としてはもう一年生ではありません。それなりに経験を積んだ議員もいたはずです。そんな県議団が何故、議案採決で賛否を間違えるなぞという、普通ならあり得ないようなミスを連発したのか?ひょっとしたら、他会派が議会事務局とつるんで、必要な情報を県議団に流さなかったのではないか?私も、まさかそこまで酷いとは思いたくありませんが、お隣の東京都議会でのセクハラ野次事件から推測しても、決してあり得ない事ではないと思います。

 いずれにしても、ヤクザの土俵に乗ってしまったら、そこでもう負けです。ヤクザの恫喝に謝罪は一切不要。これは、総会屋対策やスラップ訴訟への対抗策にだけ言える事ではありません。政治の世界においても心に留めなければならない格言だと思います。もちろん、そればっかりで突っ張っていてもダメで、引きべき所は引かなければなりませんが。最初から引いていたのでは、ヤクザにつけ込まれるだけです。
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