アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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雨宮処凛ゆいまーる講演会

2007年09月04日 00時41分16秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
●再び雨宮処凛の講演に行ってきました。

 8月31日は、昼間は心霊スポット探索、夜は一度目に引き続いて再び雨宮処凛さんの講演を視聴と、非常にバラエティに富んだ休みの一日でした。
 くだんの講演会は、大阪・豊中の市職労・NPOなどによる「ゆいまーる実行委員会」の主催によるもので、夜6時半から8時半過ぎまで、阪急豊中駅前「エトレ豊中」5Fの「ステップホール」で行われました。180席ほどある会場で8割方が埋まる程の盛況で、参加者の男女比率は大体半々、男性は中年が中心でしたが、女性は20~40歳台とバラエティに富んでいたように見受けられました。
 そこで、講演は、一度目と同様に主催者側の女性とパネルディスカッション形式で行われ、その中で今年東京であった「自由と生存のメーデー」や、高円寺ニート組合候補者による「杉並区議選に名を借りた路上解放の試み」の映像を見ました。
 講演だけでなく映像も見ることが出来た事や、手話通訳のフォローも交代で為された事、主催者団体によるその他イベントの口頭宣伝は一切無く(添付のチラシのみ)、あくまでメインの講演中心にスケジュールが組まれていた点など、総じて一度目の講演よりは今回の方が良かったです。その一方で、今回も参加者との質疑応答は最終盤での付け足しに終わっていましたが、この辺はもう少しどうにかならないものかと思いました。

●講演内容の要旨

 講演会のテーマは「格差社会と戦争」。話の内容は一度目の講演内容ともかなりダブリます。以下、当日の箇条書きメモから、ダブリ以外の部分を中心に抜書きしておきます。

・「維新赤誠塾」で右翼バンドをやっていた時に、フセイン時代のイラクで「バビロン・フェスティバル」というのに日本代表で出場し、其処で歌った反米ソングが受けて、イラク国営放送で取り上げられて大統領宮殿にも招かれた。少し「君が代」パンクを流しただけで、直ぐ「政治的」と受け取られて放送を拒否される日本のメディアとは大違いだ。
・ネカフェ難民が、15円・20円しか所持金が無くて無銭飲食で捕まるが、それはそいつが悪いのか?
・それを食い物にしている貧困ビジネスの責任は追及されないのか? 賃借権保護の規制逃れの為に施設管理契約という形にして、家賃を1日でも滞納すると即身包み追い出しにかかるレオパレスやレストボックス、サラ金とツーツー(派遣登録カードでフリーキャッシングと提携)のフルキャストなどが、何故もっと指弾されないのか?
・派遣・請負は月収12万で精々年収250万まで、それに対し期間工が年収400万、正社員は500万、今や派遣・請負はかつての期間工以下の扱いでしか無い。
・貧困ビジネスは地方も食い物にしている。北海道・東北・沖縄などの失業率の高い地域に意識的に進出し、相手の足元を見透かしながら、月収32万円以上可などとウソの求人広告を打つ。しかし実際には、寮費などを市場価格以上にピンハネされて、月収は手取り12万円位にしかならない。
・今の独身ワーキングプアは、実家で親と同居しているので、辛うじて持っているだけ。親が亡くなれば次々ホームレスと化す。
・80年代から出てきた若者のリストカットは、繰り返していると次第に体内のヘモグロビン量が減少して、慢性貧血になって最後には死ぬ事も。それでも止めれないのは、単なる自殺願望だけではない。自分の力だけではどうしようもない事まで含め、何でもかんでも自己責任で片付けられる世の中では、そんな事でしか「生きている証」を得られないから。
・リストカットに悩む若者の方がまだ健全。矛盾を矛盾としてすら認識出来なくて、さんざん過剰適応させられた挙句に過労死にまで至る方がより深刻。
・今のイラクのメーデー・スローガンは「飯・仕事・住居寄こせ」。米国のワーキング・プアは兵士になって奨学金を貰う形でしか這い上がれない。それで首尾よく行っても年収120万円から僅か300万円クラスになれるだけ。
・しかし、これは日本も同じ状況では。住所不定・住民票不在のネカフェ難民や食うや食わずのワーキング・プアは選挙に行くのもままならず、トコトン政治的に排除さてている。
・そんな中で、今やフリーター・メーデーには右翼青年も飛び入りで参加してくる。

●私が出した質問とそれに対する応答

 最後に、質疑応答の時間に私が出した質問と、それに対する雨宮処凛さんの応答を書いておきます。私が出した質問は次の二つです。但し、会場ではこんなに理路整然とは喋れませんでしたので、「どれだけ質問の真意が伝わっていたのか」という問題もありますが。

★質問1:
 講演の中でも少し話題に出た赤木智弘氏の論考「希望は戦争」の内容について。かつての中流幻想華やかなりし頃ならいざ知らず、今の赤木氏の様に「戦争にしか自己の生きる道は無い」とまで追い詰められているのなら、もう「革命」待望とも紙一重ではないか。それなのに何故「革命」ではなく、あくまで「戦争」待望なのか?

★質問2:
 雨宮さんは北朝鮮にも行ってきたというので聞きたい。既成左翼は北朝鮮・中国の人権侵害や環境破壊にはお茶を濁し、それが今の左派的価値観崩壊の一因ともなっている。しかしそれを論う右翼も、とどのつまりは貧乏人・外国人・少数派に対する排除あるのみで、「下見て暮らせ傘の下」的風潮を煽っているだけ。そのどちらでもなく、日本のワーキング・プアと中国・北朝鮮の被抑圧人民・民族が共に立ち上がり、それらも含めた全世界の労働者・人民の決起と国際連帯によって、戦争・搾取・抑圧の仕組みそのものを廃絶していく道の実現可能性については、どう思うか?

★質問1に対する応答:
 追い詰められて革命に向かう人がいる一方、革命ではなく戦争に活路を見出す人もいるのも事実。私(雨宮)は前者だが赤木氏は後者。後者は「もう生きていくだけで精一杯なのに、この上何故革命までやらなければならないのか」「人の事まで手を焼いてられるか、それよりまずは自分が這い上がる方が先決だ」という理屈になる。また、今までパートなど下積みの人を切り捨ててきた公務員・大企業労組への批判や、組織・運動そのものに対する抵抗感などもある。「人の事まで」云々の理屈について言えば、確かにそれは自己中心的な考えかも知れないが、例えばホームレス状態の人にいきなり運動や革命をやれと言っても、それは無理な話。ここは「戦争」派と「革命」派が互いに言い争うよりも、両者の間で共通認識を広げていく事の方が大事ではないか。

★質問2に対する応答:
 私(雨宮)は確かに北朝鮮へも行ったが、あそこでは朝鮮労働党の幹部としか話が出来なかった。彼の地の人たちは「日本人は資本主義の下で生存競争に追い立てられて可哀相だ」と言っていた。だから北朝鮮人民が国際連帯についてどう考えているのかは分らない。ただ日本の例で言うと、右翼青年もフリーター・メーデーなどには参加してきている。但しその一方で、右翼は、ややもすれば人民連帯ではなく排外主義の方向に流れてしまいがちなのも事実。そんな中にあって、今後は「G8 VS 反グローバリズム運動」という形での動きが広がっていくのではないか。

 う~ん、言いたい事は分らないでもありません。私にしたって、「人類みな兄弟」などの奇麗事よりも「あくまで目前の敵は職場の社畜・B層・反動親父」みたいな、ドロドロとした感覚はありますから。でも何だかんだ言っても、やっぱり現状打開と解放の道は、あくまでも戦争ではなく革命の方にしか無いと思います。 
コメント
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