「悩める平安貴族たち 山口博著」をよんでいる。
この時代に生きた人々、特に貴族たちが残した歌のなかから、彼らがどのように生きたかを考察した本であった。
その第5章の今に共通する小見出しをならべてみよう。
1)年月は逆さまに行かぬものかは
2)「長生きしたくない」と嘆く歌人たち
3)老いにあらがうことこそ命を培う
4)老いてもなお、情念は埋れ火のごとく
5)女の黄昏は「家売ります」から
6)退職後の落剝
7)子は頼りにならぬ
8)高齢者共同住宅や老人ホームがあった。
平安時代の老人とは50歳くらいと思っていた所、80、90迄生きた人も結構いたらしい。
1)は気が付くと、老いてしまっていた。年月の流れの速さをなげいたもの。今も。
2)ぽっくり逝きたいという願いだろうか。あるある。
3)それでもなお、若作りなどして頑張る人もいたらしい。今はさかんにやっている。
4)ホームに入っても男女での悶着はあるというが。
5)今は女だけではあるまいが。老後の経済は先細り。
6)これも女の問題ではなくなっているが。ぬれ落ち葉とか。
7)いうことはなかろう
8)へえ、と思った。が、この時代、定年がなかったという事情もある。大貴族の家に仕えていた者に限りということか。
他には出家という道もあった。これも大貴族に限っていたか。貧乏人は出家しようが貧乏にかわりないからなあ。
老いるとは人間の永遠の問題なのだ。
2千年たって、機械が人にとって代わろうとも、状況はかわっていなさそう。