どこまで行けるか80歳

崖から突き落とし。這い上がれるのか

新しい玄関ドア

2019年11月29日 | 言わなくてもいいけど
マンションが古くなり、玄関ドアの不具合がめだつため、新しいドアに付け替えることになった。

そんなことしたって、全体がボロッチイんだから、ドアだけ悪目立ちするにちがいないと思っていた。

賛成反対ある中を、不具合のある場所だけというわけにもいかず、全員交換に決まった。

この秋の1週間をかけて、全戸さらっぴんのドアがついた。

すると、どうだろう。なんかマンション全体がきりりと張り切っているように見えだした。

そのうえ、来客がこぞって「高級マンションぽくなって」という。

そうかなあ、とよくよくみると、確かに古かった時よりもいい。宅配便までが、いいっすね、などという。

いくらしたん。費用は自分持ち?と立ち入ったことを聞く通りがかり迄いるのにはおどろいた。

よっぽどショボくみえていたらしい。

ここで考えたのが自分の姿である。このところ古びてきて、見た目がショボイ。

見劣りのすること甚だしいが、どうせ何をしたって代わり映えなどするもんかとほったらかしにしていた。

が、建物でさえこれだったら、ひょっとして、人間もイケるのではと考えはじめた。

青い空

2019年11月25日 | 言わなくてもいいけど
インフルエンザ予防注射をした翌日、午後ちょっとしんどくなった。

昼ご飯をたべたあと、ふと、窓際によこになってみた。

いがいと気持ちよかった。いい日和りで、物音もなく静か。

空が青く、雲が白いなあ。と妙に感動した。

こんな穏やかな気持ちは最近めずらしい。もともと昼寝経験の少ないない人で、新鮮な経験だった。

80歳になれば、することもなく退屈するものとおもっていたところ、さにはあらず。

来る日も来る日も予約で満載。

歯科、整形、内科に、市役所、銀行、筋トレ、老人向けの講座に美容院と忙しい日々である。

気が付くと、疲れ果てていた。

遠い昔、祖父はこんな秋の日にひなたで手仕事をしていた。陽だまりが祖父の居場所であった。

老人の姿とはそういうものと思っていたに。今の年寄りはなんというせわしない生活だろう。

横たわって空を見上げていると祖父を思い出した。

え?最近の私って、変。聞いたことのないチェロの曲が演歌にきこえたり。

過去にさかのぼりたがっていないだろうか。なにか、終末的な穏やかさではないか。

いや、終末がこんなに穏やかならば、それはめでたいが。


思いがけないムダ使い

2019年11月20日 | なんだこれはという話
 美容院で顔のムダ毛をそってもらった。

こういうことは私にはムダ使いであるが。

あまりの自身の見苦しさに、ムダ毛でも揃ろうかとおもいたった。

ムダ毛剃りのあとでマッサージもあった。

マッサージを受けながら部屋に流れる音楽をきいていた。

音楽はチェロの曲であった。こういう曲は日ごろ接点がない。

ひくく、ゆったりとしたいい曲であった。

聞いているうちに古い演歌の名曲を聴いているような気分になった。

もともと演歌がすきという人ではなかったので、知っている曲というわけではなかった。

が、メロディーが演歌を思い出させた。妙になつかしい、血肉に分け入るような音色の曲であった。

2週間後、私はまた、その美容院に行った。

ムダ毛は伸びていなかったが、マッサージだけを頼んだ。

施術用の椅子はリクライニングで、寝心地のいい椅子である。

マッサージを始めると、チェロが流れる。心のひだを撫でるような心地いい曲である。

曲とともに、脳裏に見知らぬが妙に懐かしい風景が描かれてゆく。

なんだこれは。私は今、過去を見ているのだろうか。そして、懐かしんでいるのだろうか。

よくわからないが、私は多分、2週間ぐらいのちに、またここに来るだろうとおもった。

曲が変わってしまえば、来ないだろうが。

思いがけないムダ使いであった。

機械のしわざ

2019年11月14日 | 言わなくてもいいけど
レジでの間違いが連続3回あり、もうこれで終わりだろうと思っていた。

が、銀行のATMに振り回される。

休日にお金を出しに行ったところ、手続きは済んだのに、お金がでてこない。

問い合わせ電話をすると、通帳が満杯だからとのこと。

新しい通帳を作ろうとするが、どの機械にもパスされた。

お金は出ない、新しい通帳はできない。踏んだり蹴ったりとなる。

後日銀行の窓口で新しい通帳を作り、無事お金をおろし、やれやれと思っていたところ。

数日して銀行から電話。私の新しい通帳がATMの中にのこっていたという。

えええ、私って、もうだめなんだ。そんなミスをするなんて。とがっくり。

銀行窓口に行く用意をしていたところ、更に銀行から電話。

あなたはすでに新しい通帳を持っているはずですよという。

なんのこっちゃと思いつつ引き出しを見ると、確かに、新しい通帳はある。

私は間違っていなかった。では、さっきの電話はなんなんだ。

聞けばATMさんは私の新しい通帳を複数作ってATM内にかかえこんでいたらしい。

ナンダそれ。機械のミスなんだけど、考えたらちょっと人間臭い?ミスのようでもあった。

かわいいじゃないの。

あと20年持たせましょうって、先生。

2019年11月09日 | 言わなくてもいいけど
私の主治医はペインクリニックの医師である。

痛みが専門の医者というのもいいような悪いような。

つまり、いろいろな痛みを扱っているため、私レベルにはあまり興味がない。

らしい。

冷たいというか患者としてはかなりどうでもいいランクにいる。

と思う。それは病人としては結構なことなんだが。

痛みは感じ方が人それぞれらしい。痛みを図るメーターは、ない。

で、写真で見えるところで判断したり、曲がり具合や色合いで痛さが決まる。

決めるのが医者である。そこがこっちの不満なところ。

私へのアドバイスは、

まだまだ使えます。あと20年はいけます。もたもたしていないで出かけてください。

それって、人間100歳時代のお題目じゃないの。

うれしいんだか、腹が立つんだかわからないが、おだてに乗って出かけた。

いい天気である。



困ったもんだ一人の食事

2019年11月03日 | 言わなくてもいいけど
若い時の一人暮らしはそんなに不便ではなかったと思う。

動く範囲がひろかったし、外ごごはんで苦労はしなかった。

が、今頃になって、毎日の食べ物に苦労している。

いちいち自分でつくると、残り物が大量に発生。

スーパー、デパート、コンビニの総菜にすると、種類が固定してしまう。

味だけでなく、家庭感がとぼしい。

値段も、分量も合わない。外食にしてもつらい。完食が無理。

そういう所で今日出会った「咲菜」さん。さかなとよむらしい。

惣菜の種類がおおい。買う量を自分で決められる。そしてなによりも家庭感いっぱいなのである。

高齢の男性が一人で、ちょいちょいと欲しいだけ、好きなものを選んでレジにならんでいた。

持って帰るもよし、そこで食べてもいいらしい。

そして値段。JR二駅の往復代を払っても私は買いに行ってもいいと思った。

こんな店があれば、年寄りの一人暮らしも幸せな夕食にありつけるんだ。

もっと、「咲菜さん」をあちこちに。