(トラックが1ナンバーなので搬送費が高く付くのが痛い)
半年間の整備を経て、夏に再稼働した元祖EVジムニー「SJ2001」号。岡山・福島と21世紀スタイルでのオフロードスクール兼試乗会を開催して来たが、2014年最後の開催地として岐阜県にやって来た。非常に残念なことに、現在の四駆業界に自動車の環境問題を意識した活動は全くと言って良い程見られない。ヨーロッパ・アメリカ・そして日本でも厳しいCO2削減規制が目前に迫っていると言うのに、日本の四駆業界の活動は「昭和」から抜け出せないままでいる。
それでなくとも日本の四駆業界は「猫の額の如き有料コースが舞台」という特殊な環境に有るのに、このままでは「サステイナブル~持続可能~」を旨とした世界の自動車業界の潮流から置いてけボリは確実だ。
とまあ、そんなことは15年も前から四駆雑誌に連載を書いて散々啓発して来たつもりだが、相変わらずな危機感の無さには笑うしか無い。ま、他人はどうでも我々ZEVEXは21世紀に走るオフローダーとして「応分の責務」を果たすだけだ。前衛はどの時代でも常に孤高の存在であるものだ。
(ドライバーは間宮海峡横断メンバーの勝股隊員。コ・ドライバーは最近ジムニー8を購入したG鈴木隊員)
さて、何はさて置き順番に試乗だ。2名一組になり、場内に設営した周回コースを2周ずつ回る。周回路の途中に斜度15度程のヒルクが2本と20度強のヒルダウンが有るが、雪混じりのウェット路面にJB23用ノーマルタイヤなので楽勝とは行かない。クロカンに手慣れたドライバーの足慣らしに丁度と言ったところ。
(路面は完全にウェット。小雪降る中のドア無しなので寒い。EVなので当然ヒーターも無い)
(モーターは簡易防水だが、この程度なら大丈夫)
(3号機ARK-2なら回生でジワリジワリと下れるが、直流直巻のSJ2001はフットブレーキに頼るしかない。クロカンマシンとしては弱点と言えるだろう)
バッテリー電圧が低下して来たタイミングでウインチ講習会に移行。時間が有る時は平地で基礎からやるが、この日は初心者(非隊員)が1名だけだったので、いきなり周回路横の斜面をウインチダウンで下ってみる。横引きも想定して、一応チル(X-5)も用意したが、良い位置にアンカーの木が有ったのでウインチだけで降下可能だった。
(ドライバーG鈴木でウインチダウンを実施。ウインチ用には駆動用とは別にバッテリーを2個搭載)
その後充電待ちを兼ねて昼御飯、昼御飯を食べ終わったら座学と続く。この日はモーターの種類とトルク特性の違いを中心に、SJ2001に搭載したウインチも直流直巻なので、PWM制御なども合わせて可変速の方法などを説明した。
(雪降りだったので、座学はタープの下で。直流直巻に弱め界磁、すべりSにVVVF、4象限モーター、ちゅう訳です)
満充電とは行かないが、SOC80程度まで充電が進んだ段階で試乗会の後半。希望者には鈴木ドライブで、座学で解説したモーターの特性を実地で感じてもらいつつ、21世紀でも持続可能なEV四駆を使ったクロカンの可能性を多角的な方面から理解して頂けるように工夫した。
(今回の参加者《早退1名除く》左の綺麗なSJ10はゲストの中西さん・右端の愛車)