完熟したハスの種
ハスの種をいただいたので、発芽させてみました。
6・7月ころ各地で蓮の花が咲いていた時に、ハスの品種について興味がわいてきたので、園芸店のカタログやハスを栽培している施設などの蓮の種類を調べてみたところ、なんと1000種類以上もの種類があることがわかってきた。そんな折に蓮の種をいただいたので、発芽させてみたくなり、発芽方法について偕楽園の緑の相談窓口を訪ねたところ、新しく着任された担当の方はハスの研究をされていたということで、詳しく教えていただくことができました。
その内容を我が家で簡単にできるように考えた方法で実行したところ発芽したので、記録を残しておきたい。
完熟直前のハスの種
これらから種を採りだして播種の準備をしました。
ハスの種は大賀蓮や千年蓮のように、千年も2千年も地中にあった種を発芽させることができています。それだけに殻がとても丈夫で、そのままでは発芽が非常に難しいそうです。
種の臍の部分を鑢で削って、ここから水が殻の中へしみ込むように加工します。これを水の中へ沈めておくと数日で発芽しました。
ところがこの殻に鑢をかけるのが、殻が固いので意外と面倒です。
そこでプライヤーで種を挟んで力を加えて殻にひび割れを作りました。ちょっと乱暴なやり方ですが、種がつぶれないように、パキッと音がしたらすぐに力を抜きました。
鑢で削った種とプライヤでひび割れを付けた種
このように種に傷つけたものをコップの水に浸しておくだけで発芽するわけです。
また種に傷つける代わりに濃硫酸に3~5時間浸したのちに水に浸しても発芽するそうですが、これはちょっと危険です。園芸家の中には殻に特殊な傷をつけて発芽させる方がおられるとか。
今回は鑢で削った完熟種1個とプライヤでひび割れさせた完熟種1個をひとつのコップに。
また完熟直前の殻にプライヤでひび割れしたもの1個と全く傷つけない種1個をもう一つのコップに入れました。
完熟直前の種にプライヤでひび割れさせた種が水面に浮いて、ほかの3個は沈みました。
鑢をかけた種とプライヤで割れ目を付けた種
コップが輝いて観察しにくいので、わずかに土を入れてみました。
発芽・成長に適した温度は20℃~25℃くらいとのことで、5月ころ水中に播種するのが良いそうです。
でも、今の気温は最高気温が27・8度、最低気温が20℃を少し割る程度なので、今すぐなら発芽するのではと実行したのでした。
でも、これからは気温が下がってゆくので、成長の適温より気温が低くなってしまうので、水槽の中に播種したコップを置いて、夜間はガラス板で密閉し、昼間は朝夕日が当たる場所においてガラス板を開けておくことにしました。
水に浸して3日目に完熟種でプライヤーで殻にひび割れさせた種が発芽しました。
発芽した種をとりだしてみました。
発芽2日目 葉が見えてきました
発芽3日目 葉の先端が水面に届きました
発芽4日目
完熟直前の方は泡が浮いています。殻の表面がぬるぬるしてきました
腐ってしまうかもしれません。
一方発芽4日目 葉が水面の上に突き出てきました。もう1本芽が出てきました。
後から出てきた芽は根茎らしい。・・・2枚目の葉でした。
鑢で削った種も発芽しました。水に浸けてから6日目です。
今後の予定
根茎が伸び、細根がでてきたら、プラスチックの漬物樽に土を入れて植える。
水を張ってガラス板で蓋ができるようにして、樽を地表に少し出る程度に埋めておく。
気温が零度くらいになっても水が凍らない程度まで耐寒性があるかどうかを見極めてみたい。