5月16日の朝、ミスター偕楽園さんから電話をいただき、昨日の梅の木とは違う木にも返咲きがあるということで確認してきました。木の天辺のほうに咲いているというのですが、見つかりません。今日はミスター偕楽園さんはお忙しいので、花の位置を電話で詳しく聞きましたが、なかなか見つかりません。仕方なく駐車場にいる家内に連絡して、見てもらうことに。
来るまでの間、何気なく木を見ていたら、なんと目の前に散りかけた花がありました。下の写真が目の前にあった花です。
メシベが2本ついています。順調に実が熟すと2個の実がなるはずです。下の画像のような実です。
返咲きの花の裏側を見てびっくりです。
花柄が梅としては異常に長いのです。
さて木の天辺のほうの花は、家内に見つけてもらったのが冒頭の写真です。空をバックにして見えずらいし、写真もうまく撮れません。
この花の花柄はやはり長いのかを確認してみました。
やはり花柄が長いようです。写真がうまく撮れていません。
梅の花柄は花の時にはないに等しいくらいで、花は枝にくっついているものです。
花柄は花の時よりも実が熟してくるとやや長くはなりますが、こんなにも長いのは見たことがありません。
では昨日の返咲きの花も花柄が長いのだろうか。
花の裏側がよく見えません。でも花が枝から離れているようでもあり、通常の花よりは花柄が長いと思われます。
どうして返咲きの梅の花は花柄が長いのか?
以下は私の推定です。
梅の木は花の時期が終わって、これからは枝芽を伸ばして枝葉を茂らせる時期になりました。枝芽がいよいよ枝として伸び始めようとした矢先に何らかの事情で花を咲かせなければならなくなった。
そこで、枝芽が急遽花芽に転換されたに違いない。
花の萼、花弁、雄蕊、メシベはもともと葉が変化したものであるということです。そのため、枝芽として葉になる予定であったものが、枝葉として展開する以前なら花弁等花のほうに転換が可能ではないか。
枝芽が花芽へ転換可能なギリギリの時期になってから花芽へ転換された場合は、すでに枝としての成長が始まっているので花柄が長い花になってしまうのではないかということです。
もう一度返咲きの花の付いている枝を見てみると、この花は枝の先端についていることが確認できます。通常の梅の蕾は枝の側面につくもので、先端につくことはありません。仮に枝の先端部に蕾があったとしても、枝の先端は枝芽で、側芽のように蕾がつきます。
つまり、枝の先端に花柄がついているということは、この花柄はもともと枝であったということでしょう。
最大の関心は、なぜ枝葉が展開する直前に枝芽が花芽に転換されたかです。
これについては、以前やはり5月に花が咲いた梅の木が翌年には枯れてしまった事例があります。前年新梢の伸びが悪く元気がなかった。そして花の時期には花が咲かないで、5月になってから花を咲かせた。その年のうちに木が弱って翌年は花が咲かずに枯れてしいまった。つまりこの木は死期を悟って子孫を残すために葉より花を咲かせて子孫を残そうとしたということです。
返咲きの梅の木
この度の返咲きが即この木の死期が近づいたとは言えないが、葉の茂り具合が少なく、かなりのダメージが返咲きした要因のひとつと言えそうです。