庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

偕楽園の梅の返咲き2本目

2018年05月16日 | 水戸の梅

5月16日の朝、ミスター偕楽園さんから電話をいただき、昨日の梅の木とは違う木にも返咲きがあるということで確認してきました。木の天辺のほうに咲いているというのですが、見つかりません。今日はミスター偕楽園さんはお忙しいので、花の位置を電話で詳しく聞きましたが、なかなか見つかりません。仕方なく駐車場にいる家内に連絡して、見てもらうことに。
 来るまでの間、何気なく木を見ていたら、なんと目の前に散りかけた花がありました。下の写真が目の前にあった花です。

メシベが2本ついています。順調に実が熟すと2個の実がなるはずです。下の画像のような実です。


返咲きの花の裏側を見てびっくりです。

花柄が梅としては異常に長いのです。

さて木の天辺のほうの花は、家内に見つけてもらったのが冒頭の写真です。空をバックにして見えずらいし、写真もうまく撮れません。
この花の花柄はやはり長いのかを確認してみました。

やはり花柄が長いようです。写真がうまく撮れていません。

梅の花柄は花の時にはないに等しいくらいで、花は枝にくっついているものです。
花柄は花の時よりも実が熟してくるとやや長くはなりますが、こんなにも長いのは見たことがありません。

では昨日の返咲きの花も花柄が長いのだろうか。

花の裏側がよく見えません。でも花が枝から離れているようでもあり、通常の花よりは花柄が長いと思われます。

どうして返咲きの梅の花は花柄が長いのか?

以下は私の推定です。

 梅の木は花の時期が終わって、これからは枝芽を伸ばして枝葉を茂らせる時期になりました。枝芽がいよいよ枝として伸び始めようとした矢先に何らかの事情で花を咲かせなければならなくなった。
そこで、枝芽が急遽花芽に転換されたに違いない。
 花の萼、花弁、雄蕊、メシベはもともと葉が変化したものであるということです。そのため、枝芽として葉になる予定であったものが、枝葉として展開する以前なら花弁等花のほうに転換が可能ではないか。
 枝芽が花芽へ転換可能なギリギリの時期になってから花芽へ転換された場合は、すでに枝としての成長が始まっているので花柄が長い花になってしまうのではないかということです。


もう一度返咲きの花の付いている枝を見てみると、この花は枝の先端についていることが確認できます。通常の梅の蕾は枝の側面につくもので、先端につくことはありません。仮に枝の先端部に蕾があったとしても、枝の先端は枝芽で、側芽のように蕾がつきます。
つまり、枝の先端に花柄がついているということは、この花柄はもともと枝であったということでしょう。

最大の関心は、なぜ枝葉が展開する直前に枝芽が花芽に転換されたかです。
これについては、以前やはり5月に花が咲いた梅の木が翌年には枯れてしまった事例があります。前年新梢の伸びが悪く元気がなかった。そして花の時期には花が咲かないで、5月になってから花を咲かせた。その年のうちに木が弱って翌年は花が咲かずに枯れてしいまった。つまりこの木は死期を悟って子孫を残すために葉より花を咲かせて子孫を残そうとしたということです。

 返咲きの梅の木
この度の返咲きが即この木の死期が近づいたとは言えないが、葉の茂り具合が少なく、かなりのダメージが返咲きした要因のひとつと言えそうです。
 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5月なのに偕楽園の梅が咲いています

2018年05月16日 | 水戸の梅
 
偕楽園の梅が返り咲きです。14日にミスター偕楽園さんから電話をいただいたのですが、マナーモードにしたままで、深山探索の疲れもあって、着信に気づいたのが15日夕方になってしまいました。さっそくミスター偕楽園さんに教えてもらい、見てきました。


最近雑草は視力が衰えて、この花を見たときに、ちょっと赤っぽい梅の実がなっているようにみえたので、他を探していましたので、いくら探しても見つかりません。電話をするとミスター偕楽園さんがわざわざ出かけてきて教えてくださいました。

梅の花が咲く時期の花よりも花弁に厚みがあるようです。花の色も違いますが、確かに1輪咲いています。


花が咲いた梅の木のある場所は、東門から藤棚にゆく小道の十字路の右向こう側です。うえの画像で、左側にゴミ入れがあり、その反対側です。


それにしてもどうして咲いたのでしょうか。
梅が秋深くなって一番花を咲かせるのは、秋になって気温が日々下がってゆき、朝の最低気温が零度近くまで下がった時に、そのあとで上昇に転じて小春日和が続いたときです。
つまり低温にさらされたあとで気温が上がった時です。
確かに4月には寒い日はありました。4月8日気象台の最低気温の記録は2.7度です。異常なほど温かい春との印象ですが、5月に入っても6.7度を記録するなど意外とさむいひがあって、寒暖の差が非常に大きかったといえます。
もし、この低温だけが開花のきっかけになったとすると、花は1個だけではなくて、別の枝にも咲いてもよいのではないかと思いますが、この枝にしか咲いていません。もう一度咲いている枝の様子を見てみます。


枝に葉があまりついていないところに咲いています。まわりの枝は葉が茂っているのに、花の咲いた枝はほとんど裸です。

実は今年の梅林で、このような葉がつかないで、枯れてしまった枝が目立つ梅の木があります。


上の二つは江南所無です。江南所無が一番枯れ枝が目立ちますが、このほかに黒田などアンズ系の梅の木に枯れてしまった枝を確認できます。
ところが、中には輪違いなどにも枯れ枝があるものがあります。アンズ系といえば幹のねじれ方向が右手親指方向です。(野梅系は左手親指方向)。それで枝が枯れた輪違いはと確認するとアンズ系と同じ右手親指方向でした。このねじれ方向が広い意味でアンズ系のなにがしかの特性を持っているのかなと思いました。
 所でこれらのアンズ系の枝は枯れてしまっていましたので、花は咲いていません。
花の咲いていた梅の木はねじれはなさそうですから、アンズ系の特性があるかどうかはわかりませんが、枝が枯れずに少しの葉をつけてかろうじて生きている状態かと思います。

「かろうじて生きている」ことで、思い出すのはミツバベンケイソウの無性芽の発生です。
2017年1月6日付のブログ『ミツバベンケイソウの無性芽(むかご)を確認に奥久慈へ』で書いたようにミツバベンケイソウは低温障害で枯れそうになっても生き残っているときに無性芽を発生させるが、他の条件でも枯れそうになってもかろうじて生きているときにも無性芽を発生させて、子孫を残そうとします。

同じことを梅に当てはめてみるると、低温以外の何らかの条件で、枯れそうになってもかろうじて生きているときにも花を咲かせて子孫を残そうとするのではないか。これが雑草の考えた季節外れの花を咲かせる条件です。無知蒙昧の考えだすことです。

所で、今朝またまたミスター偕楽園さんから電話をいただき、もう1本の梅の木にも花が咲いているとの情報です。早速確認に行き、どのような条件下で咲いているのかを確認するのが楽しみです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

栃木深山探索 ミツバツツジの異常

2018年05月16日 | 野草を訪ねて

栃木県と群馬県の県境の深山に探索に行ってきました。上の写真は登ってきた谷川を見下ろしています。標高は約1100mです。

新道の急峻なのり面を10m近く登ってアブラナ科の花を確認しました。


外来種なのでしょうか。名前はわかりません。



ゴヨウツツジとヤマツツジが盛りを過ぎてはいましたが花が残っていました。ミツバツツジも。急峻な山肌に新道ができて、大きなのり面があるので、のり面のふちは日当たりもよくなり、これらのツツジが元気になって見事な花が咲くことが期待できます。

マルバアオダモも咲いていました。

絶壁を切り開いた場所では、容易に近づくことができなかったであろう垂直の岩肌を間近に見ることができました。

岩肌にはイワタケがたくさんついていました。

手を伸ばせば採取することもできるのですが、この山には原発事故の放射能が多いので、山菜等は食べないよう注意書きがありますので残念ながらただ見るだけです。


尾根に行くとフモトスミレが。ふもとになくて山頂にあってもフモトスミレとは。


鳥の巣かと思ったら、枝が異常に出たミツバツツジです。嫌な予感がしました。
数年前にこの地点から直線で5km以内の場所で、ミツマタの異常な枝を見ています。
2016年4月7日のブログ『深山探索 ミツマタの異常 花穂に花ではなく枝が咲く。ミツマタではなく四つ股も多数』に詳しくかいてあります。
今度はミツバツツジの異常です。
枝の異常発生が始まったのを2011年とするとちょうどです。
 異常1 2011
棒切れで示しているところを2011年として、順次年数を数えてゆきます。
 異常2 2012
 異常3 2013
 異常4 2014
 異常5 2015
 異常6 2016
 異常7 2017
 異常8 2018 今年の新枝と葉


2011年の時はわきに出ていた小さな枝。その小さな枝の頂点に強烈な放射性物質が付着して多数の枝が出てきたと考えられます。また放射性物質は一様にどの枝にも付着したのであれば、すべての枝に異常がみられるはずであるが、異常は一部の枝にだけ発生している。微細な煙か埃のようなものではなく、粒粒のような物質が付着したのではないか。実に恐ろしいことである。

 ホオノキ
目に見えない放射能。山は何事もないかのように緑に覆われているが、果たして安心して山菜を食べられるようになる時はいつ来るのであろうか。半減期30年なら、100年後でも安心とはいえない。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする