Zapf 2004-2011

2000年代の暮らし。自転車・ゴルフ・Yセツ・城・リコーダー....
今に続くいろんなことが芽吹いた季節

珍妃の井戸 熱球 カレーライフ

2005年06月30日 | book

「下書き」の状態で半月放置してた記事を発見。
ついでに最近読んだ他と合わせてアップします。

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「蒼穹の昴」のわずかに後、同じ登場人物を配して史実への疑問として提示された「歴史ミステリー」。

珍妃殺害という一つの事件に対して、7人の異なる語り手が、7つの異なる真相を告白する。その小説形式は「芥川龍之介の『藪の中』に似ている」とあちこちに記述があるけど、私は読んでないので、この手の形式として読むのは初めて。

構造としては面白そうなんだけど、7つの証言の関連性や整合性がほとんどなく、大半の場合、証言者が感情や利害関係にまかせて「好き勝手に真実を捏造しているだけ」と思える点で、物足りなさを感じる。
ひとつの真相に対して、見る角度や立場が異なると、まったく違った受け止め方になることをトリッキーに文章化して欲しかった。そこまで望んでは期待しすぎ?

「蒼穹の昴」を読んだ後にも書いてましたが、やはりこちらも多分に「妄想系」充分です。
妄想ヒロインはミセス・チャンさんは、リボンの騎士みたいになっちゃいます。(先週ここまで書いて放置してた)

ここから今書いてます。今というのは6月30日の夕刻のことです。

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アサダの後はシゲマツ。アサダシゲマツ人生。
爽やか青春ノスタルジーもの。全然悪くはないんだけど、なんかもう重松でこのくらいの内容だと満足できなくなってきた。かといって、こないだの「疾走」みたいに突っ走られてもイヤだし。人気作家が人気作家でい続けることって大変ですよねえ。
コミカルな高校野球の思い出のハイライトが、選手とマネージャーの暴力事件と妊娠中絶で決勝戦の出場辞退というのは、インパクトはありますが、そこまでしなくても普通の爽やかでいいんだよ。つうか爽やかが好きなんだよ。こんな毎日だからこそ。

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先日、ダミアンちにお呼ばれするきっかけとなった一冊。

亡き祖父の葬儀の席で小学生だった5人のいとこ仲間が約束する。将来、このじいちゃんの店でじいちゃんのカレーを出すカレー屋を開こう。それから十余年。大人間近のケンスケの父の死をきっかけに、その約束が現実に向けてゆっくりと動き出す。父の謎、祖父の謎、そしてじいちゃんの味「ラフテーカレー」の味の謎。様々な謎を解き明かしながら、舞台は日本からアメリカ、インド、そして沖縄へと移っていく。

つまんなくない。どちらかと言えば面白かった。でも、ちょっと750ページは長いよ。長すぎるよ。ローレライかよ。話の内容は「グーニーズ」。文体は小学生の作文風。一度に長く読んでると、途中でつらくなっちゃうんです。で、1週間バッグに入れて持ち歩いてました。重かったよ。

さて、これでラフテーカレーの何たるかはよーーっく分かった。
こないだ作っていただいた時は当然ながらは読む前だったのでただの「ラフテーの入ったカレー」だった。それは大変美味しいものであったが、今食えばさらに思い入れたっぷりに「これがじいちゃんのカレーだよー」と楽しく食べられそうです。

つーことで、またいつか頼みます。