Zapf 2004-2011

2000年代の暮らし。自転車・ゴルフ・Yセツ・城・リコーダー....
今に続くいろんなことが芽吹いた季節

神様がくれた指

2008年02月28日 | book
神様がくれた指 (新潮文庫) 神様がくれた指 (新潮文庫)
価格:¥ 860(税込)
発売日:2004-08

作者が自分の生み出した登場人物を自分自身で心底かっこいいと思い込んでしまった場合、言葉を尽くしてそのかっこ良さを語り続けることがある。多くの場合読者は置き去りで。

我が家ではこの現象を「竹宮恵子現象」もしくは「水島新司の妄想」と称している。

この本では、主人公の天才的な技術を持つスリ、女装すると美しくなる占い師(司法試験崩れ)、病弱で一途な幼馴染件恋人の3人に対して、作者が過剰な美辞麗句を並べ続ける。

本の厚さの1/3は形容詞で埋まっていた。


メックのリコーダーを買う

2008年02月20日 | リコーダー

先生に「2~3万円の木製リコーダーを買わないほうがいい。あたりはずれが大きすぎるから」と言われていたのに、23,000円で木のリコーダーを買ってしまいました。

先生に「通販でリコーダーを買わないほうがいい。必ず同じ種類のものでも吹き比べないと」といわれていたのに、通販どころかYahooオークションで中古品を買ってしまいました。

いけない弟子です。先生には当分ひみつにしよう。

Dscf1491_4 メーカーはドイツのMoeck(メック)。


オークションの説明文は「素材は不明ですが柔らかくかつ芯のある音質で、独奏とアンサンブルで使用しました。キズはありません。ケースとメンテナンスキットが付属します。程度はとても良く直ぐにご使用できます。NC&NRでお願いいたします。」これだけ。

写真でみてもきれいだったし、2万チョイならたとえはずれの楽器だったとしても、悔しさもほどほどで済むなと思いました。

23,000円で入札したらそのまま終わってしまいました。
競るのきらいなのですが、逆に競争相手がまったくいないというのも、なんだか寂しい気がします。自分が無駄に高い買い物をしているような気もしてきます。

16日に落札して、昨日19日の朝、出勤直前に配達されました。(午前中仕事休みにして吹いてみたいという欲望に打ち勝って出社)

夜、大急ぎで帰宅。はぁはぁ言いながら組み立てます。

で、生まれて初めて吹いた木のリコーダーの感想はこんな感じ。

・プラスチックより重い。
・音でかい。
・なんか臭いがする。
・ちょっとハスキー?
・音によっては基音と違う倍音が聞こえる。
・音の振動が木を震わせているのが手に伝わる。
・タンギングへの発音の反応は早い。
・プラスチックで出せない高音が楽に出る。

Dscf1492 期待してたのは、「ぽー」という正弦波に近い音色だったので、その点ではちょっと違うなと思いました。バイオリンで言う「サー」という擦過音みたいな成分が高い音で聞こえます。

でも、ネットでいろんなアマチュアの人のリコーダー・コレクションの説明を読んでいると、特徴として「ハスキーな」という表現がありますから、そのことが音色として絶対的に良くないということではなさそうです。個性としてアリ。

親指をふさいでいる音域のおとは「ぼー」という汽笛っぽい感じ。なかなか力強いです。

いずれにしても、「いい音の楽器」というのを吹いた経験がないので、まだなんとも評価のしようがないのですが、プラスチックより吹きやすいのは確かです。
出したい音が簡単に発音してくれると、その分、指や息の表現に意識を向かせやすいからだと思います。

まだ、一日目。これからじっくりお付き合いしたいと思います。

型番ですが、木に彫られている環上の溝のスタイルからすると、
【メック ロッテンブルグ アルト 4300(メイプル)】ではないかと思っていま
す。だとすると安売りで43000円くらいの物なので、中古ですがそれほど損ではなかったかなと。

Cqnsx426img600x4501202614735moeck03 それと、新品だと最初一ヶ月は一日10分しか吹いてはいけないそうなので、とうに慣らしが済んでいて、すぐ実戦使用できるUSEDは悪い選択ではないかもと思うのですが、でも先生にはやっぱし言わないでおこう。(^^;


リコーダーレッスン #2

2008年02月16日 | リコーダー

Dscf1393

1回目のレッスンの時に、先生に手に入れておいてと言われた楽譜。

左から、J.B.レイエのアルトリコーダーソナタ集。

ギースベルト「アルトリコーダー教本」

バロック舞曲と演奏法

ギースベルトの教則本は普通にYAMAHA(銀座)においてありましたが、他2冊はけっこう手に入れるの苦労しました。

レイエは国内版が入手困難で、何軒か探したところでたまたま在庫があったSCHOTTの版をゲット。「バロック舞曲と演奏法」は、注文して1週間待ちました。

で、2週間ぶりにレッスンです。

バロック舞曲と演奏法から難易度5のPassepied(パスピエ)。
この曲集には24の舞曲が入っていて、楽器や装飾音の練習をしながら、舞曲の形式を勉強できるようになっています。
24曲には易しい順に番号が振ってあって、パスピエはその5番目ということ。

Dscf1398

いやあ。難しかったです。

見ての通り譜面は全然シンプルで、楽譜通りの音を出すことは難しくないです。
が、これを先生の注意を気にしながら、バロックらしく味付けをしていこうとすると、けっこう大変。

まずは、前回知ったduのタンギング。あれから家で練習したのですが、自分がやっているduが正しい音なのかどうかよくわからない。
イメージとしては舌をtuよりも奥につけることで、発音の炸裂感をなくして、角をやわらかくするような感じ。
基本はレガート。バロックというとなんとなく音は短めのように思っていて、歯切れ良く跳ねるような音を出す癖がありましたが、そうではなくて基本はレガート。
頭の中で♪に横棒(テヌート)がついているように、ややベタベタと吹く感じ。

最初のブレス。やや早いアフタクトありの3拍子なので、最初のブレスは2拍目で。この息で先生に自分がやりたいテンポと出のタイミングを伝えないといけないのですが、慣れてないので息を吸った直後の音が乱れる。強くなっちゃうんですね。

そうするとすかさず先生から「アフタクトは他の音より弱く」という指示が。

3拍子なので1拍目が強く。2と3は抜いて。
リコーダーは音量の強弱で表現はしないので、この場合は1拍目がレガートで2と3をそれより短く軽く。

という先生の演奏を聞いているとすごく音量も自在に変化しているんだけどな。
言いたい事は音の強い弱いではなく、音の長さとアーティキュレーションで表現に変化をつけろということ。

で、そのアーティキュレーションですが、前回も書きましたが、原則としてスラーはなしです。
duのタンギングのレガートと、tuの短い音で表現。

アーティキュレーションの基本は
・順次進行はduでつなげる
・跳躍はtuで切る
・同音反復はtuで切る

小さな音符の繋がりのアーティキュレーションだけでなく、大きな固まりとしてのフレージングも意識しなければなりません。
バロックはそれほど長大なフレージングではなくて4小節などの分かりやすい固まりできちんとまとめていかなければなりません。
次のフレーズの前では必ずブレスを。

トリル。この本のトリルはターンのような書き方をしていますが、それは無視して。
[w]みたいなのは短く、長いトリルは[tr]
一般的には[+]のマーク。

簡単な楽譜を前にしても、これだけ語られて、これらを気にしながら吹こうと思うとかなり大変ですよー。
意識があっちこっちに飛ぶので、しまいには指までロレロレになったりします。
これ無意識にできるようになるには相当練習しないとだめなんでしょうね。

ちなみにパスピエについて
「パスピエの本性は軽薄さと境を接している。即ち、パスピエの落ち着きのなさとむら気の中には、早いジグでお目にかかるような激情、怒り、焦燥はもはやない。しかし、ここでの軽薄さは、憎しみや不快さではなくて、むしろ何か心きすぐるようなところを帯びた類のものである」

レッスンの後半はTambourin(タンブラン)をやりました。
こちらも濃かったけど、また次回に。


練習用アルトリコーダー

2008年02月09日 | リコーダー

Dscf1320

おけいこを始めるに当たって、先生にこれを買いなさいと言われたYAMAHAのアルトリコーダーYRA-314B。

自分としては、それほど高価でない木のリコーダーを買って、とりあえずの「木の感触」を掴もうと考えていたのだが、先生が安い木のリコーダーだったら、それよりも樹脂成型で当たりはずれの少ないプラスチックの方がずっとマシと言うので。

確かに以前使っていた同じYAMAHAでも型番が二桁の機種と比べると音色も吹きやすさも勝っている。管の中の空気の振動が直接手に伝わってくる感じ。

思いっきり吹き込まないと出なかった上のE,Fもずっと楽になる。(といってもまだまだ音楽的な音色にはほど遠いと思うが)

その他、最初のレッスンで指定された楽譜を3冊手に入れた。それはまたおいおい。


くらしのいずみ 谷口史子

2008年02月04日 | book
くらしのいずみ (ヤングキングコミックス) くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)
価格:¥ 570(税込)
発売日:2008-01-28

半蔵門線の渋谷駅のところに昨年引っ越したブックファーストの陳列棚に、このマンガがものすふごい物量で並べてあった。知らない漫画家でしたが、量に驚いて買ってしまった。ブームなのかと思って。

90年代りぼん→コーラスあたりの人。
いわゆるりぼん伝統のオトメちっく路線の人でした。21世紀の陸奥A子。本人が好きな漫画家は清原なつのだそうです。だろうな。


リコーダーレッスン #1

2008年02月03日 | リコーダー

ということで、最初のレッスン。

わたしんちから電車で行くと、地下鉄2駅→JR1駅→地下鉄1駅というハンパなところ。地図で見ると直線で僅か2.5km。自転車で行ってみましたらちょうど10分でした。ラクショー。

会場はなんと幼稚園です。教室の中央に先生と二人。イスを並べてのレッスン。イスはもちろん大人用のサイズのパイプイス。アンパンマンやメロンパンナちゃんの飾り物に囲まれてのおけいこです。

とりあえず、初めてなので何か吹いてみようということになって、ヘンデルのハ長調のソナタの最初の楽章を吹く。先生はアルトリコーダーで通奏低音パートを演奏。緊張したけど人と合わせるのはやっぱり楽しいね。多重録音とは違う。

「けっこう吹けますね」とハンパな誉め方をされ、そこから濃いレッスンへ。

・持ち方。右手親指のあたりに、楽器をささえる小さな部品をつけることを推奨。穴を押さえる指に楽器を支える仕事をさせないで、穴を押さえることだけに専念させる目的。その場で着脱式の部品をつけました。(300円)

・サミング(オクターブをする左手親指の穴の開閉のこと。格闘技の目潰しとはちゃいます)
 親指をずらすのではなく、第一関節の屈伸でコントロール。

・ブレス。口で吸って口で吐く。
 曲の始まりで息を吸う事でザッツを出し、同時に曲のテンポを合奏者に知らしめる。

・タンギング。 
tu  du ru ku gu
to do ro ko go
ti di ri ki gi
タンギングといえば「トゥ」だと思っていたが、実際は山ほど発音の方法があって、それを場面場面で使い分ける能力が必要。うきー。

母音音程の低いほうからo→u→i まあ、これは自然にそうなるかな。息のスピードを変える。高い音を出すのに息の量で替えるのではない。なるほど。

母音のもう一つの使い分けは表現方法。音色を替える。

・基本的にスラーは使わない。音をつなげて演奏するときは、duのタンギングで滑らかに、かつ1音1音はスラーではなく独立して発音する。作曲家が指定したスラー(原典の楽譜に書かれているスラーはスラーあり)

・替え指。(1)トリルのための替え指。(2)表現方法としての替え指。
リコーダーにデュナーミク(音量のダイナミクス)の表現は少ないが、表現には重要。ただ、音量を上げると、必然的に音程が上がってしまう。なので大きな音で吹く音はあらかじめやや低い音程が出るような指使いをしなければならない。

・解決音は小さく。バロック音楽は解決のひとつ前の音が肝心。なのでそこには装飾音が入ったり音が大きく強調される。逆に解決する音は抑えて吹く。

先生が喋りながらメモを書いてくれるので、楽です。上に書いたことも、そのメモを見ながらかきました。

それにしても、初日でこれだけのことを一気に話されましたが、この先どれだけディープな世界が待っているんでしょうか。わくわくします。


 

とりあえずの難関はduのタンギングだなあ。duと言ってもその音を発音するわけではなく、あくまで舌使いのイメージというか位置を表しているようなんだけど、よく分からない。
舌を前歯の裏ではなく、もう少し上あごのあたりでタンギングするっぽいんだけど、それほどtuとの差が明確でないし、慣れない舌の動きなので発音も乱れがち。

第一そんなことを考えながらだと、ただでさえ回らない指がますます回らなくなります。前途多難じゃ。

とはいえ、さすが古学のスペシャリスト。引き出しは多そうです。レッスン楽しそう。

そうそう。この先生はブリュッヘンはベタ誉めで、ニコラ・ペトリは好きでないみたいです。


栗コーダーの楽譜

2008年02月02日 | music
栗コーダーカルテット楽譜集~リコーダーアンサンブルまたは身近な楽器のために~ 栗コーダーカルテット楽譜集~リコーダーアンサンブルまたは身近な楽器のために~
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2006-04-28

正月、いつものように実家に帰った折、ひまつぶしになるかと思って(実家訪問ってけっこう時間持て余す時ないですか)、家にあったリコーダー2本を持参した。ソプラノとアルト。あと楽譜も適当にいくつか。

で、大学のバロックアンサンブル出身の実兄とデュエットで遊んだ訳ですが、これがけっこう楽しかった。
最近はネット上にいくらでも無料のアンサンブル楽譜がpdfで置いてあって、実家のパソコンからプリントできる。便利です。「運命」全楽章をSATB(ソプラノ・アルト・テナー・バスね)の4声で3分で演奏できるようにしたものとか、けっこう笑える。

で、それ以来今日までリコーダー熱が冷めずにいるわけですが、とうとうレッスンに通うことになりました。近所によさげな先生がいたので。

先週、レッスン見学に行って、その場で入門(っていうのか)。
今日の夕方から初レッスンです。

ドキドキだぜ。
ということで、ゴルフ日記は別に引っ越してしまったけど、こちらはリコーダー練習日記として練習の成果と学んだことを記録して行こうと思います。


ララピポ 奥田英朗

2008年02月02日 | book
ララピポ ララピポ
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2005-09

カバー真っ黒で、鍵穴型の型抜きがされていて、その穴から表紙の印刷の一部分が見えているという仕掛け。
普段カバーや帯がガサガサするのが嫌いなので、装丁をはずして持ち歩くのですが、このカバーははずすと中の浮世絵春画風イラストが顕わになるので、困ります。
「陰日向に咲く」のカバーを裏返しにして被せて持ち歩きました。

帯の煽り文句が「イヤ~ん、お下劣」。
満たされない社会の底辺に近いところの性欲が満載の連作。
登場人物が連鎖していて、前の話の脇役が次の話の主役という構成は「陰日向に咲く」と同じ。ちなみにどちらも同じ幻冬社で、奥付に見城徹の名前が。

軽いエロチックコメディを期待していたのだが、それよりはちいとフルボディ。タンニン強めでアスファルト臭あり。ゴミ屋敷のおばさんのセックスなど、あまりの汚い描写にかなり引いたが、一晩たって全体の印象を振り返ると、かなりいいかもと思えるようになった。ヘンなの。

半蔵門線で読みながら渋谷に着いて、センター街を歩いてNHKに向かう途中、うろうろしている女子高生が全部売春婦に見えた。(そういう話が載っている)