世の中、「罰が当たる」ということがあるモノだと思った。悪いことをすれば、罰が下る。週刊文春が曝いてくれたお陰で、天罰が下りました。
そして、今回は報道関係者の家で違法な賭け麻雀が行われていたことから、新聞社にも罰が下りました。権力者と、どのような関係をもって報道が対処しないといけないか。国民に変わってその態度が問い直される天罰がくだったこと、報道関係者もしっかり受け止めてほしい。何しろ、違法を取り締まる立場にいる人と違法行為をグルになってやっていたのだから。
さて、今回は7誌を購入。新聞を買いに行ったのが午後だったので、日刊ゲンダイが入りましたが、残念ながら「東京新聞」は、このコンビニで取り扱いがなく購入できませんでした。東京新聞さん、ごめんなさい。
雨にぬれて少しヨレヨレですね。読みづらくて申し訳ありませんが、まず気づいたのは、「日本経済新聞」。
へぇ~、日経には、3権分立の根幹を揺るがすこの問題もたいした問題ではないんだ。「首都圏25日にも判断」の記事の右下、申し訳程度に、「大阪、明日休業」の見出しと同じ位の見出しで「黒川検事長が辞表」と書かれているだけでした(この記事は下に切り抜いて掲載)。黒川氏に関する記事は、社会面には大きい記事が、「検察の信頼 大きな傷」と、「緊急事態中に4回 朝日・産経が謝罪」というのが出てはいましたが・・・。
でも、私が気になったのは、1面の副題です。小さいのにサブタイトルがわざわざ付けられています。「政府高官 検事総長の責任言及」(!?)
読売新聞についても、一応それなりに扱っていたのですが、気になったのは、下に日経と合わせて転載しましたが、こちらも、社会面に掲載になった記事の小さな部分ですが「『認証官』不祥事過去にも辞任」(!)という記事が、気になりました。まずは、読んで見て下さい。
両社に共通しているのは、「検事総長の責任」に言及しているところです。この件で、責任があるのは誰でしょう?閣議決定して異例の定年延長で黒川を「ごり押し」で残したのは誰でしょう?
日経記事では、政府高官が「稲田検事総長の監督責任について『調査結果次第だ』と言及した」と書かれています。その後、つけたしのように、最後の方になって「首相は、政府が(黒川の)定年延長を閣議決定したことについて『最終的に当然責任がある。批判は真摯に受け止めたい』と述べた」と書いてある。(この報道って、どうですか?) 政府は、黒川の不祥事に検事総長の責任を追及できる立場なのでしょうか?
読売新聞のネット版ココにも詳細が書いてあるように、(昨年末、稲田氏の了承を受けて法務・検察が官邸に上げた幹部人事案は、2月に定年を迎える黒川氏を退職させ、東京高検検事長の後任に林氏を据えるというものだった。林氏の検事総長就任含みは歴然だった。官邸がこれを退けると、逆に法務省幹部は稲田氏に2月で退任し、黒川氏に検事総長の座を譲るように打診したが、稲田氏は拒んだ。検事総長は約2年での交代が慣例で、今年7月で2年となる稲田氏にとって、前倒しの退任は「不完全燃焼」(法務省関係者)との思いがあったようだ。稲田氏が退任しないと、2月が定年の黒川氏は後任に就けない。そこで、黒川氏の定年を半年延長する案が浮上した)というのが、今回の一連の定年問題の経緯だ。もう、これはほぼ どの新聞も伝えていたものだ。
だから、今回の黒川氏の問題でもう退職してしかるべきだった黒川氏が在職している責任は、閣議決定で定年延長した内閣にこそあるのだ。それを、無批判に事実を伝えるだけの記事しか載せていない紙面の中で「政府高官 検事総長の責任言及」と書く日経は、明らかにおかしい。
稲田検事総長は黒川氏の任命より林氏を推してきたことは周知の事実なのに、明らかに責任回避のために言われる与党の言い分を新聞が、無批判に垂れ流し報道するのは、その言い分を許している行為だ。
読売新聞では、同じ社会面に「検察は今、その独立性を巡り、揺れている」「政権側が、人事に介入したとの見方がある」ということも書いてはあったが、黒川を閣議決定でわざわざ定年延長した政権の責任については報道として深入りする気はなく、「こんな見方もある」と、公平を装った書き方しかしてない。また、黒川氏への処分が甘かったのも、政権がこれからも秘密を隠してもらうためや、敵に回さないための布石。改ざんの功労者佐川への態度と同じ事が繰り返されても、批判する気も一切ないようだ。
「黒川氏の処分は懲戒ではなく、制裁的意味の薄い内部処分にとどまった」と誰がこの甘い処分をこんな短時間で決めたのかが書かれていない。主体が書かれていない。あわてて、甘い処分でともかく追い出したのは、森法務大臣なのに。
そもそも、ここで問題なのは、自分が腐心して検事総長を見据えて温存しようとめちゃくちゃな論法で黒川氏を推してきた政権が、黒川氏の賭け麻雀が文春にすっぱ抜かれることを分かった時から態度を変えたこと。突然、世論に耳を傾けて~と態度を豹変させ、強行採決の予定をとり消したのだ。今は、廃案も視野に入ってきたようだ。
そして、例の嘘のつき放題が始まって、まるで今回のこの一連の行動が(検察からの意図で始まり、政府が動いた)ように言い出した! 責任を稲田検事総長になすりつけるつもりだ。汚い。本当に汚い。さんざんごり押しを進めて、間違っているとなったら突然きびすを返して、(自分は主体的にこの問題を推進してきたモノではない)かのような態度で、責任は検事総長にあると逃げるつもりのようだ。
日本の精神を大事に従っている人たちが、日本の「謙虚」「正直」「恥」という文化を1番身につけていない。恐ろしいことだ。そんな恐ろしい人たちの浅ましい言い訳をそのまま助けるように報道する新聞を「報道」と言っていいのでしょうか。
ところで、日本人はいじめの対象となっている稲田氏や、黒川氏のせいで脇に押しのけられた林氏に、つい同情的な気分になっている風も見受けられるが、正直なところ、ここは稲田氏や林氏が続ければいいという風には思えない。なぜなら、彼らも、国民にとって本当に望ましい人物かわからないからだ。
同じネット記事内に「林氏は17年の改正組織犯罪処罰法(テロ等準備罪法)成立に奔走し、官邸の評価は高かった。一方の黒川氏も実務能力に定評があり、次官就任に先立ち、政界との調整役を担う法務省官房長を5年務めた。菅官房長官を筆頭に官邸の覚えはめでたい」とあった。検事総長の稲田氏にしても、(国民の期待にこの約2年応えてきた人物か?)と振り返れば、2017年から東京高検検事長を務め、18年から検事総長をし、その間特に胸がすくような検察庁の素晴らしい判決があったかと言って、私には記憶がない。菅原、河井元大臣のその後の捜査の進捗も芳しくなく、IR汚職事件の秋元氏だって逮捕はされたものの保釈されている。雲行きがあやしい。なし崩しにする意図がありそうだ。
このブログのココで書いたので繰り返しは避けるが、検察庁OBが今回の事件に意見書を出され、検察官の真意を感じたことを書いた。大事なのは、田中角栄を始め政界の中心人物であっても、違法行為をした者は罰する。「違法行為には、対象が誰であろうと、しっかり証拠を挙げて起訴し、罰する」検察庁の役割を果たしてくれる検察官がまっとうな仕事をできる検察庁の独立性、中立性の確保だ。検察庁OBが憂え、国民の多くが3権分立の危機を感じて声を上げたのも、すべてこの1点のためだ!
黒川がいなくなり、林氏になってよかったとか、稲田氏が留まるのがいいという問題ではないのだ。
ココを参照してもらうとよくまとめてあったが、検察庁は、2010年の厚労省村木局長の郵便割引問題で証拠改ざんが行われた大阪地検事件以降、その重要な役割を放棄。ことに第二次安倍政権となって官邸の力が強まってからは、他の省庁同様、官邸を忖度する存在となってしまっている。それこそが問題なのだ。憲法違反の法律が平気でまかり通る社会になり、逮捕されるべき人が逮捕されない。そこが問題なのだ。
法務・検察の中の「赤レンガ派」と呼ばれる法務省のなかで出世を重ねるエリート集団と、地検特捜部などにいてコツコツと捜査力を磨く「現場派」があり、現場派の中には、今も権力の監視役でいたいという意欲を持つ検事が少なくないと言われるが、検察総体は政権との摩擦を望まず、起訴のハードルを上げ、警察、国税、公正取引委員会、証券取引等監視委員会などの捜査・調査機関の案件に消極的なのだそうだ。
伊藤詩織さんを強姦した山口氏を逮捕すべく逮捕状をもち成田空港に張り込んでいた2015年、逮捕中止命令を出した警視庁刑事中村格・部長は、その後出世を続け、現在は警察庁長官官房長なのだという。そして、次の警察庁長官の椅子は目前になっていると言われている。
山口氏とは、安倍晋三総理に関する『総理』の著書。逮捕されれば本の出版はなかったろう。そして、山口氏は書類送検を受けた東京地検で16年7月に不起訴処分となった(ココ参照)。これが匂わないで何が匂うという事が、平然と行われて恥じない世の中に、今の日本はなってしまっているのだ。まさに、やりたい放題。
警察官も、検察官も、犯罪を抑止し、起きてしまった犯罪に対しては、加害者を捕らえ、証拠をしっかり上げ、起訴して、裁判所で正しい判決が出ることに尽力する。それが、犯罪者に犯した罪を償わせ、あらたな犯罪を抑止し、社会の安心に繋がる。そんな当たり前のことが、危うくなっているのが今なのだ。
そして、それに人々が気づいて、多くの人が声を上げ、物事が正しい方向に動き出した!
この力が、「政府に忖度する上層部」による社会から「国民のための政治」が進んで行く社会への変化を日本にもたらしてくれる。なによりも、この力をどんどん強く結束していくことこそが大切なのだ。
#めざせ国民に忖度する政治 #めざせ国民に忖度する検察 #めざせ国民に忖度する官僚
首相官邸の省庁に対する人事権限が強化され、従来はその中立性、専門性を尊重して口を出さなかった日本銀行や内閣法制局の人事に介入。検察首脳がからむ法務省の人事も例外ではなくなった。でも、もうそんなことは許さない!
正直、今回6誌の比較をさらにしようと思ったが、ちょっと長くなってきたので、今回は最後に日刊ゲンダイに掲載されていた他紙には掲載されていなかった2つの記事を転載してお終いにしよう。
左の記事では、3段目にこの退職金も満額出る甘い処分が誰から出たか、大臣官房人事課が「懲戒処分を判断するのは、任命権者である内閣。懲戒まで至らない訓告は、省内規定に基づき法相が判断する」と言っている。自分の辞表も出して続投を指示された森法相が判断したはずがない。まして、稲田検事総長が判断したのではない。思えば、佐川氏も国会でひどい答弁を繰り返していたのを国税庁長官に任命。文書改ざんが分かっても麻生大臣は任命責任をとらなかった。
さあ、これからどこをみたらよいか。誰が、どのポジションにつくかではない。誰が検事総長になろうが、高検検事長になろうが、菅原、河井、秋本議員がまっとうに処分されること。高い地位にありながら、違法な賭博行為をした黒川氏が起訴されて裁かれること。上のゲンダイの記事によれば、ミニ黒川と言われる辻氏とか、後に続く人々がいるので、市民は手を緩める訳にはいかない。森友も、加計も、桜を見る会も、まだまだ終わっていない。折しも、桜を見る会の「前夜祭」について東京地検に662の弁護士が首相の政治資金規正法違反の告発状を21日に提出、記者会見を行った。さあ、皆で東京地検の動きを注視していよう(ココから)。
口先ばかりで「責任逃れを続ける人」が、本当に責任を取るかを見守ることだ。責任を逃げるなら、批判の声を上げることだ!
そして、報道は、右から左に情報を垂れ流すのでなく、国民のために必要な情報をしっかり流すこと!週刊文春には、心から拍手!!!!
それにしても、報道も酷いなぁ。首相の記者会見が、すっかりなれ合いで、「記者」会見なのに、政府側が司会の主導を握り、質問も力がなく、途中で打ち切られたり。東京新聞の望月さんのようなパンチのある質問をする記者はいないのか!一緒に違法麻雀とは、情けない!!!
今回は、産経新聞も、朝日新聞も自社の社員が絡んでいるのでしっかり謝罪もあったが朝日も迫力はなかった。毎日新聞に触れ忘れたが、1番多く紙面を割いて、のびのび書いていたのが毎日新聞だ。「失態続き 政権打撃」「崩れた官邸シナリオ」「野党『総辞職に値する』 黒川氏任命責任 対決へ転換」「『危機感なし』市民怒り」「『みっともない』検察幹部」。見出しだけ書いても、新聞社の思いが伝わってくるではないか。